元クラスメート達が呼んだ者達が全員到着したことで高宮・綾・魔鈴もそれぞれに恋人を紹介していくが、元クラスメートは元々酔っ払っていたのに加えてテンションがどんどん上がっていく


「君が難攻不落のめぐみを攻略した彼氏君なのね。　私は宮本綾。　綾って呼んでね。　こっちが私の彼のアンディよ」

「横島っす。　よろしくお願いします」

元クラスメート達がそれぞれに盛り上がる中で横島の周りには、綾と恋人のアンディや魔鈴と親しい友人達が集まって横島と魔鈴を取り囲んでいた

興味津々な様子の友人達だが横島は持ち前の明るさと軽さで対応していく


「いや～　めぐみの彼がどんな人か心配してたけど、思ってたより普通で安心したわ」

「そうね。　イケメン過ぎないイケメンって感じ？」

「二～三年したら化けそうな気もするわね」

横島を見た綾や魔鈴の友人達の反応は横島が戸惑うほどよかった

正直綾や友人達は魔鈴がへんな男に惚れたのではないかとちょっと心配していたらしい

横島の場合は銀一のように誰もが認めるイケメンではないが、かと言って本人が思うほどに見た目が悪い訳ではない

魔鈴と暮らし始めてから半年が過ぎ、精神的に落ち着いた最近の横島は本人の予想より遥かに周りの評判はよかったのだ


「私の方こそ驚いたわ。　まさか外人と付き合ってるなんて……」

「彼、アメリカ軍の海兵隊勤務なの。　向こうで知り合って付き合ってて、今日両親にも会わせたわ」

さて人が増えたことで盛り上がり二次会は呼ばれた恋人達に注目が集まるが、中でも注目を集めていたのはアンディと高宮の夫だった

流石に魔鈴や友人達も綾が外人と付き合ってるとは思わなかったらしく、横島の周りの話題の中心は綾とアンディである

まあ横島も魔鈴の友人達にいろいろ質問されたりしているが、流石に外人や社長よりは存在感が薄く霞んでしまう

友人は結局魔鈴も普通の恋愛をしたのだろうと解釈して、過剰に横島に注目が集まることはなかったのだが……


「高校時代の魔鈴君は学校中の憧れだったんだ。　多くの男達が当たっては撃沈され続け……」

魔鈴や友人達が綾とアンディに興味が集まる中、横島は男性陣に引っ張られて席を移動していた

どうも彼らは高校時代に魔鈴を好きだった者達らしく、多少絡み気味に高校時代の魔鈴の素晴らしさを横島に語り出す


（そりゃモテるよな～　美人で優しいし、初対面の俺にも優しくしてくれたし……）

高校時代の魔鈴の話は横島にとって新鮮で興味深いものだった

そんな横島は、ふと魔鈴と初めて出会った頃を思い出す

横島と魔鈴の出会いは必ずしもいい出会いではなかったが、それでも魔鈴は優しかった

横島を見た目で判断したり、馬鹿にしたような態度を取らなかった女性は珍しいのだ

まあ当然横島にも問題点はあったのだが、商売敵の偵察に行った横島に実際に魔鈴の方法を体験させてくれたあの優しさは今でも忘れられない


（魔鈴さんだけだったんだよな。　俺がモテるようにって考えてくれたの）

そしてもう一つ魔鈴が横島の煩悩を浄化しようとした件も、横島にとっては嬉しい思い出だった