嵐を呼ぶ再会
さて横島達が人狼の里に居る頃、西条は都内のバーで一人酒を飲んでいた
最近は令子を誘う事もほとんどなくなり、一人で飲む回数が増えている
(潮時かな……)
そんな西条は少し前から、令子との関係を終わらせたいと真剣に考え始めていた
形の上では付き合ってから半年が過ぎていたが、未だに愛情が全く見えない現状に段々と嫌気が刺しはじめている
加えて価値観の違いも日を追う事に大きくなっており話が全く合わないのだ
西条には今も令子に対する愛情はあるが、それが本当に恋愛なのか幼い頃からの親愛なのか本人にすら分からなくなっている
「問題は先生だな」
そんな西条が今の中途半端な関係を終わらせるのを悩む原因は美智恵の存在だった
バレンタインの時にあれだけ自信満々で美智恵に交際宣言をした手間、僅か半年でダメでしたとは言えない
下手をすると身の破滅になる可能性もゼロではないのだ
(今思えば、横島君もそれなりに大変だったんだろうな。 あれだけワガママだと嫌気も刺して来る。 そこで魔鈴君に優しくされたらな)
相変わらず横島は好きになれない西条だったが、それはそれとして令子と一緒に居る苦労を考えると横島が逃げ出した気持ちも分からなくないと考えてしまう
それだけ第三者視点から見た令子は面倒な女だった
(一緒に居れば誰だって欠点や嫌な面が見えて当然だが、令子ちゃんの場合プラスになる面が少ない)
無論西条もいい年した大人なのだから相手を欠点だけで見ることはしないが、現状だと片思いの西条が無理矢理付き合ってもらってるのと変わりない
精神的にも肉体的にも恋人と言えない状況にも関わらず、負担だけがあるのは納得がいかなかった
まあこれでも西条がかつての横島のように、一見するとモテないのならよかったのだろうが西条はモテるのだ
地位・金・顔の三拍子揃った西条には出会いも多いし誘惑も多い
元々女に不自由しなかっただけに、愛してくれない恋人の為に我慢するのは些かストレスになり始めているのだ
(仮に令子ちゃんと結婚しても大変だろうな……)
ため息にため息を重ねるように酒を飲む西条は令子との将来像を考えていくが、お世辞にも幸せになれる気がしない
何より西条は令子の金銭欲が理解出来ないし、将来的に結婚をしてもきつい性格から鬼嫁になるイメージしか湧かないのだ
結局西条はそのまま半ばやけ酒のように飲み続け、近寄り難い哀愁を漂わせることになる
どうしてこんなことになったのかと自問自答を続けていくが、答えなど簡単にでるはずがないのだから……
そしていつの間にか記憶がなくなるまで飲んでしまった西条が、隣に眠る見知らぬ裸の女性に気付くのは数時間後であった
溜まりに溜まったストレスと欲求が爆発してしまったのだろうが、正気に戻った西条の顔色どうだったかは言うまでもない
(僕はなんてことを……)
令子や美智恵に知られたら身の破滅だと思うと震え上がる西条だったが、目を覚ました見知らぬ女性に優しく微笑まれると何かが弾けたようにその女性を求めてしまう
それは令子が決して自分には見せてくれなかった愛情の篭った笑顔だった
最近は令子を誘う事もほとんどなくなり、一人で飲む回数が増えている
(潮時かな……)
そんな西条は少し前から、令子との関係を終わらせたいと真剣に考え始めていた
形の上では付き合ってから半年が過ぎていたが、未だに愛情が全く見えない現状に段々と嫌気が刺しはじめている
加えて価値観の違いも日を追う事に大きくなっており話が全く合わないのだ
西条には今も令子に対する愛情はあるが、それが本当に恋愛なのか幼い頃からの親愛なのか本人にすら分からなくなっている
「問題は先生だな」
そんな西条が今の中途半端な関係を終わらせるのを悩む原因は美智恵の存在だった
バレンタインの時にあれだけ自信満々で美智恵に交際宣言をした手間、僅か半年でダメでしたとは言えない
下手をすると身の破滅になる可能性もゼロではないのだ
(今思えば、横島君もそれなりに大変だったんだろうな。 あれだけワガママだと嫌気も刺して来る。 そこで魔鈴君に優しくされたらな)
相変わらず横島は好きになれない西条だったが、それはそれとして令子と一緒に居る苦労を考えると横島が逃げ出した気持ちも分からなくないと考えてしまう
それだけ第三者視点から見た令子は面倒な女だった
(一緒に居れば誰だって欠点や嫌な面が見えて当然だが、令子ちゃんの場合プラスになる面が少ない)
無論西条もいい年した大人なのだから相手を欠点だけで見ることはしないが、現状だと片思いの西条が無理矢理付き合ってもらってるのと変わりない
精神的にも肉体的にも恋人と言えない状況にも関わらず、負担だけがあるのは納得がいかなかった
まあこれでも西条がかつての横島のように、一見するとモテないのならよかったのだろうが西条はモテるのだ
地位・金・顔の三拍子揃った西条には出会いも多いし誘惑も多い
元々女に不自由しなかっただけに、愛してくれない恋人の為に我慢するのは些かストレスになり始めているのだ
(仮に令子ちゃんと結婚しても大変だろうな……)
ため息にため息を重ねるように酒を飲む西条は令子との将来像を考えていくが、お世辞にも幸せになれる気がしない
何より西条は令子の金銭欲が理解出来ないし、将来的に結婚をしてもきつい性格から鬼嫁になるイメージしか湧かないのだ
結局西条はそのまま半ばやけ酒のように飲み続け、近寄り難い哀愁を漂わせることになる
どうしてこんなことになったのかと自問自答を続けていくが、答えなど簡単にでるはずがないのだから……
そしていつの間にか記憶がなくなるまで飲んでしまった西条が、隣に眠る見知らぬ裸の女性に気付くのは数時間後であった
溜まりに溜まったストレスと欲求が爆発してしまったのだろうが、正気に戻った西条の顔色どうだったかは言うまでもない
(僕はなんてことを……)
令子や美智恵に知られたら身の破滅だと思うと震え上がる西条だったが、目を覚ました見知らぬ女性に優しく微笑まれると何かが弾けたようにその女性を求めてしまう
それは令子が決して自分には見せてくれなかった愛情の篭った笑顔だった