それぞれの想い
その頃魔鈴の店では、魔鈴達が集まったメンバーに飲み物を配っていた
「みんな飲み物貰ったか? じゃあ、乾杯の挨拶はピートにしてもらうか」
飲み物が行き渡ったのを確認すると、笑顔の横島は何故かピートに乾杯の挨拶をさせようとする
「ちょっと! 横島さん!? なんでそこで僕が出て来るんですか?」
突然言われたピートは、みんなの視線が集まり慌てて横島に抗議していた
「いや、こう言うのは美形がするもんだし… そしたらお前か銀ちゃんしか居ないけど、銀ちゃんは知らないメンバー多いだからピートが適任だろ?」
少し意地悪そうな笑みの横島に、店内の空気は徐々に柔らかくなっていく
先程の重苦しい空気を振り払うかのように、ピートをからかう横島を見て笑い声も出ていた
そんな誰もが知る横島らしい姿に、ホッとしている者達が多いのだろう
「横島さん、その辺にして下さい。 皆さん待ってるんですから」
珍しく悪乗りしそうな気配を見せる横島を止めたのは魔鈴である
横島が空気を変えようとして言い出したのは理解してるからこそ、このタイミングで止めに入ったのだろう
「そうっすか。 じゃあそろそろ本題に入りますね」
魔鈴に促されピートをからかうのを止めた横島は、少し照れ臭そうにしながらも真剣な表情になる
「もう知ってる人も多いと思うけど、俺はGSの見習いを辞めました。 いろいろ考えた結果です。 ここに呼んだみんなには本当に世話になったんで、今日はその報告と今までのお礼を兼ねて声をかけました。 本当にありがとうございます」
真剣な表情で語り深く頭を下げる横島に、店内は再び静まり返った
この中にはおちゃらけた横島しか知らない者も居る
いつもふざけて馬鹿をやるイメージしか無い者は、驚きで言葉にならないようだ
「これからはタマモとシロと魔鈴さんの店で働くつもりなんで、よろしくお願いします。 じゃあ、ピートとタイガーと愛子と銀ちゃんの高校卒業祝いを兼ねてみんなゆっくりして行ってくれ」
言うべきことを言えてホッとした横島が乾杯して、ようやくパーティーが始まる
「ふー、緊張した~」
注目が集まる中で真面目に挨拶するのは、横島の想像以上に緊張したようであった
「お疲れさまです。 私は厨房で追加する料理を作りますね」
ようやく一息つく横島を、魔鈴は笑顔でねぎらい厨房に向かう
「すいません。 世話ばっかりかけて…」
「私には遠慮しないで頼って下さい。 他人じゃないんですしね」
少し申し訳なさそうに話す横島の言葉を遮った魔鈴は、嬉しそうな笑顔を見せて厨房に行く
そんな二人の何気ない様子を、店内に居る者達は邪魔しないように見ていたのだが、もちろん横島は気が付いてない
「横島は変わったな…」
「それだけあの事件は大きかったのでしょう」
ワルキューレとジークは静かに酒を飲みつつ、横島の変化に驚いていた
魔族の二人から見れば、わずかな期間であまりにも横島は変わったと思う
「無理も無いか… あれだけの事件に関わるなど、我々神魔でも滅多に無いのだからな」
皮肉なことだとワルキューレは思う
世界の危機などと良く聞く言葉だが、神魔族でもあれほどの危機は歴史上数えるほどしかない
そんな神話になりそうな事件の中心が人間だったなど、今後二度と無いだろうとワルキューレは思っていた
「みんな飲み物貰ったか? じゃあ、乾杯の挨拶はピートにしてもらうか」
飲み物が行き渡ったのを確認すると、笑顔の横島は何故かピートに乾杯の挨拶をさせようとする
「ちょっと! 横島さん!? なんでそこで僕が出て来るんですか?」
突然言われたピートは、みんなの視線が集まり慌てて横島に抗議していた
「いや、こう言うのは美形がするもんだし… そしたらお前か銀ちゃんしか居ないけど、銀ちゃんは知らないメンバー多いだからピートが適任だろ?」
少し意地悪そうな笑みの横島に、店内の空気は徐々に柔らかくなっていく
先程の重苦しい空気を振り払うかのように、ピートをからかう横島を見て笑い声も出ていた
そんな誰もが知る横島らしい姿に、ホッとしている者達が多いのだろう
「横島さん、その辺にして下さい。 皆さん待ってるんですから」
珍しく悪乗りしそうな気配を見せる横島を止めたのは魔鈴である
横島が空気を変えようとして言い出したのは理解してるからこそ、このタイミングで止めに入ったのだろう
「そうっすか。 じゃあそろそろ本題に入りますね」
魔鈴に促されピートをからかうのを止めた横島は、少し照れ臭そうにしながらも真剣な表情になる
「もう知ってる人も多いと思うけど、俺はGSの見習いを辞めました。 いろいろ考えた結果です。 ここに呼んだみんなには本当に世話になったんで、今日はその報告と今までのお礼を兼ねて声をかけました。 本当にありがとうございます」
真剣な表情で語り深く頭を下げる横島に、店内は再び静まり返った
この中にはおちゃらけた横島しか知らない者も居る
いつもふざけて馬鹿をやるイメージしか無い者は、驚きで言葉にならないようだ
「これからはタマモとシロと魔鈴さんの店で働くつもりなんで、よろしくお願いします。 じゃあ、ピートとタイガーと愛子と銀ちゃんの高校卒業祝いを兼ねてみんなゆっくりして行ってくれ」
言うべきことを言えてホッとした横島が乾杯して、ようやくパーティーが始まる
「ふー、緊張した~」
注目が集まる中で真面目に挨拶するのは、横島の想像以上に緊張したようであった
「お疲れさまです。 私は厨房で追加する料理を作りますね」
ようやく一息つく横島を、魔鈴は笑顔でねぎらい厨房に向かう
「すいません。 世話ばっかりかけて…」
「私には遠慮しないで頼って下さい。 他人じゃないんですしね」
少し申し訳なさそうに話す横島の言葉を遮った魔鈴は、嬉しそうな笑顔を見せて厨房に行く
そんな二人の何気ない様子を、店内に居る者達は邪魔しないように見ていたのだが、もちろん横島は気が付いてない
「横島は変わったな…」
「それだけあの事件は大きかったのでしょう」
ワルキューレとジークは静かに酒を飲みつつ、横島の変化に驚いていた
魔族の二人から見れば、わずかな期間であまりにも横島は変わったと思う
「無理も無いか… あれだけの事件に関わるなど、我々神魔でも滅多に無いのだからな」
皮肉なことだとワルキューレは思う
世界の危機などと良く聞く言葉だが、神魔族でもあれほどの危機は歴史上数えるほどしかない
そんな神話になりそうな事件の中心が人間だったなど、今後二度と無いだろうとワルキューレは思っていた