一方ニューヨークの宮本綾の元には同窓会の知らせより一週間遅れて、魔鈴から電子メールが届いていた


《今度の同窓会帰国出来るかしら？　それと、実は紹介したい人が出来ました》

久しぶりの魔鈴からのメールは近況などが書かれた後に、同窓会に来れるか尋ねる言葉と紹介したい人が出来たとだけ書かれている


「……ついにめぐみに彼氏が出来たの！？　で、相手は一体どこの誰なのよ！！」

久しぶりの魔鈴からのメールに喜んでいた綾だったが、紹介したい人の一文を読むと我を忘れたように驚き飲みかけのコーヒーカップを落とすほどの衝撃を受けていた

しかもメールには肝心の相手の事が書かれてない事から、綾の興奮は収まらない


「彼氏に会いたかったら帰国しろって事ね！！　クッ……仕事は忙しいけど、気になってダメだわ」

朝からテンション高く一人ぶつぶつと呟く綾は、本来は欠席するはずだった同窓会に出席すべく日程の調整を開始する事になる


「めぐみの彼氏なんて想像出来ないわー　イケメンのエリートじゃないのは確かだろうけど……」

慌ただしく仕事に向かう綾はふと高校時代の魔鈴を思い出すが、彼女はかつての魔鈴の人を見る視点が常人と違う事を理解していた

男女問わず魔鈴が好感を感じたりする人は見た目や目立つタイプではなく、あまり目立たないが凄い人や努力をしてる人が多かったのだ

高校時代に恋人は最後まで作らなかった魔鈴だったが、男友達も全く居なかった訳ではない

そんな男友達の中には魔鈴に恋する者も居たが、結局魔鈴の心を動かす者は現れなかったのだ


「めぐみに愛を教えたのはどんな男かしらね～　こりゃ今回の同窓会は荒れるかも……」

楽しみで仕方ないと言わんばかりの意味ありげな笑顔を浮かべた綾は、同窓会に出席すべくいろいろ考える事になる



一方魔鈴の親友が注目をしてるなど思いもしない横島は、相変わらずの平和な日々を送っていた

まだまだ残暑厳しい中、今年の横島は例年に増して元気である

元々元気だけは取り柄だと自慢していた横島が、今年は魔鈴の健康管理により更に元気な夏だった

食事の改善や生活習慣などが改善された横島は例年以上に健康だったのだ

最も去年の夏は例の無謀な修行を強行していた時期で決して健康とはいえなかったので、去年を基準にしていた魔鈴が必然以上に横島の健康に気を使っていた事もあるが……

何はともあれ横島は今年の夏は夏バテすらせずに乗り切ろうとしている


そんな横島の健康を気遣かっていた魔鈴だが、彼女は自分やシロやタマモだけでなく雪之丞や周りの友人の健康まで気遣かっていた

そんな魔鈴に雪之丞はともかく唐巣やピートは栄養に気をつけた食事の差し入れをこまめに貰う事に恐縮しているが、これに関しては魔鈴が好きでやってる事であり楽しそうなのだ

見方によっては健康オタクにも見えなくもないが、その効果は絶大だった