嵐を呼ぶ再会
さて九月に入った美神事務所では、令子とおキヌが卒業後のことを話し合っていた
「私はおキヌちゃんの意志に任せるわ」
「私……、GSになりたいです」
以前からおキヌはGSとしての勉強や修行を重ねてるゆえに改めて確認しただけの令子だったが、おキヌの答えに嬉しく思う反面で厳しい世界なだけに不安にもなる
「そう……分かったわ。 卒業後は正式にGS見習いに切り替えるわね」
おキヌの決断を笑顔で受け止める令子だったが、おキヌがGSになるには些か面倒なことがあった
(ママと六道のおばさまにいろいろ頼まないとダメね)
世界でも数少ない正式なネクロマンサーであるおキヌには、その能力を期待してる業界関係者は日本のみならず世界各地にも多い
笛を吹くだけで破魔札数百枚分もの除霊を可能にする能力を欲する者は多いのだ
現に某大国のGS協会が令子とおキヌを引き抜きに、数十億の金を用意したとの話も密かにあったことは令子の記憶に新しい
令子やおキヌのような世界的に期待されるGSは、他国からの移住や移籍の話がいくつも舞い込んでいる
まあ普通にスカウトに来るだけならばいいが、中には非合法な手段を使ってでもと考える者も絶対居ないとは限らない
令子一人ならばどんな事態があっても問題ないと言い切れるが、おキヌには今以上に後ろ盾が必要だった
幸い日本のオカルト業界において六道家に敵う存在など居ないし、母親の美智恵もまたアシュタロス戦後は存在感が増している
世界的に見れば多少不安は残るが、それでも現状では他に方法がないのも確かだった
本来ならば小竜姫にも頼みたいところなのだが、横島の庇護者になって以来なんとなく会いたくない
それに神族の小竜姫が特定の人間の庇護をする事が、いかに難しいか令子は理解している
基本的に神族は人界には介入しないのが原則であり、仮に神族が一個人に肩入れすればその個人の影響力や注目度があまりに高まるため両刃の部分もあった
まあ現状で横島の庇護に回り注目度を集めた小竜姫が、加えておキヌも庇護することは少々難しいのも事実である
(ママはともかくおばさまには手土産が必要ね)
母親である美智恵におキヌのことを頼むのは簡単なのだが、六道家に頼むのは些か大変だった
まあ令子は六道家に協力してきた実績があるしおキヌは六道女学院の生徒な為に最終的には協力してくれるだろうが、おキヌの平和な生活を守るにはそれ相応の見返りが必要なのだ
(もしかしたらネクロマンサーの能力なんてない方が、幸せだったのかもね)
希少性の高い能力を持つおキヌのこれからの苦労を思うと、令子は六道女学院の霊能科に入れたことが間違いだったかと僅かに後悔してしまう
それは過去の令子との明らかな考え方の違いだった
かつては怖いモノなどなく誰が相手でも自分は負けない自信があった令子だが、今の令子にはそこまで絶対的な強さなど存在しなかった
結局令子はおキヌの卒業後の為に密かに動き出すことになる
「私はおキヌちゃんの意志に任せるわ」
「私……、GSになりたいです」
以前からおキヌはGSとしての勉強や修行を重ねてるゆえに改めて確認しただけの令子だったが、おキヌの答えに嬉しく思う反面で厳しい世界なだけに不安にもなる
「そう……分かったわ。 卒業後は正式にGS見習いに切り替えるわね」
おキヌの決断を笑顔で受け止める令子だったが、おキヌがGSになるには些か面倒なことがあった
(ママと六道のおばさまにいろいろ頼まないとダメね)
世界でも数少ない正式なネクロマンサーであるおキヌには、その能力を期待してる業界関係者は日本のみならず世界各地にも多い
笛を吹くだけで破魔札数百枚分もの除霊を可能にする能力を欲する者は多いのだ
現に某大国のGS協会が令子とおキヌを引き抜きに、数十億の金を用意したとの話も密かにあったことは令子の記憶に新しい
令子やおキヌのような世界的に期待されるGSは、他国からの移住や移籍の話がいくつも舞い込んでいる
まあ普通にスカウトに来るだけならばいいが、中には非合法な手段を使ってでもと考える者も絶対居ないとは限らない
令子一人ならばどんな事態があっても問題ないと言い切れるが、おキヌには今以上に後ろ盾が必要だった
幸い日本のオカルト業界において六道家に敵う存在など居ないし、母親の美智恵もまたアシュタロス戦後は存在感が増している
世界的に見れば多少不安は残るが、それでも現状では他に方法がないのも確かだった
本来ならば小竜姫にも頼みたいところなのだが、横島の庇護者になって以来なんとなく会いたくない
それに神族の小竜姫が特定の人間の庇護をする事が、いかに難しいか令子は理解している
基本的に神族は人界には介入しないのが原則であり、仮に神族が一個人に肩入れすればその個人の影響力や注目度があまりに高まるため両刃の部分もあった
まあ現状で横島の庇護に回り注目度を集めた小竜姫が、加えておキヌも庇護することは少々難しいのも事実である
(ママはともかくおばさまには手土産が必要ね)
母親である美智恵におキヌのことを頼むのは簡単なのだが、六道家に頼むのは些か大変だった
まあ令子は六道家に協力してきた実績があるしおキヌは六道女学院の生徒な為に最終的には協力してくれるだろうが、おキヌの平和な生活を守るにはそれ相応の見返りが必要なのだ
(もしかしたらネクロマンサーの能力なんてない方が、幸せだったのかもね)
希少性の高い能力を持つおキヌのこれからの苦労を思うと、令子は六道女学院の霊能科に入れたことが間違いだったかと僅かに後悔してしまう
それは過去の令子との明らかな考え方の違いだった
かつては怖いモノなどなく誰が相手でも自分は負けない自信があった令子だが、今の令子にはそこまで絶対的な強さなど存在しなかった
結局令子はおキヌの卒業後の為に密かに動き出すことになる