嵐を呼ぶ再会

ピートの夏は忙しい夏だった

横島達との旅行以外にも年末年始に帰れなかったブラドー島への帰郷などもあり、慌ただしい毎日だったようだ

ブラドー島については基本的にピートが領主の立場である

父親であるブラドー伯爵はピートの魔力により大人しくしているが、その分役に立たないのも確かだった

島民の生活の面倒を見てるピートは高校卒業以降毎月少ないながら仕送りしているが、細かな問題はあり流石に年に数回は帰らなくてはならない

そのため一週間ほど帰郷していたが、島の諸問題を解決するのに忙しい日々らしかった


一方唐巣のGS協会役員就任以降は教会を頼って来る除霊の半数近くはピートが除霊していたが、加えて僅かだが普通の料金の依頼も熟している

唐巣の教会には謝礼を払える人はほとんど来ないが、ピートはブラドー島への仕送りがあるために普通の料金の依頼も熟しているのだ

だいたいの依頼はエミから紹介された依頼であり、ピート向きの依頼などをエミが流してるらしい

そんな訳でピートは暇な日がないほど忙しい日々を送っていた



続いてタイガーの夏だが、こちらはエミの事務所での仕事とGSの勉強がほとんどだった

GS試験合格以来、エミはタイガーにGSとしての知識を勉強するように指導している

何より最低限の除霊の知識すら怪しいのでは、満足に仕事を任せられないのだ

幸いな事に雪之丞やピートがエミの事務所に勉強に訪れる為に、エミは三人を競わせたり一緒に考えさせたりなどしてタイガーのやる気を引き出しながら勉強させていた

そのため仕事以外の時間は、一文字魔理と会うか勉強かと言うほど勉強している

タイガーは人生で初めてと言えるほど勉強付けの夏だった



そして雪之丞だが、彼もまたタイガーと同じく人生で初めてと言えるほど勉強している

日中は魔鈴が店で忙しい為に雪之丞は一人で修行するか勉強するかしか出来ないが、横島が驚くほど雪之丞は勉強をしていた

魔鈴・エミ・唐巣といった一流の指導を受けてる雪之丞は、GSになる為に自分に何が一番必要かよく理解している

単純な戦闘では負けない自信はあるが、様々な解決法が必要なGSの依頼では足手まといになる事もあったのだ

相変わらず勉強は嫌いだと文句は付けてるが、勉強量は横島よりも遥かに多い

八月には忙しいエミの助っ人として現場での経験を積む事も多かったが、エミが驚くほど雪之丞は真剣にGSを目指していた

その性格ゆえに粗さも目立つが、集中力はタイガーに見習わせたいとエミがこぼすほど成長している



最後に銀一だが彼は踊るGSの映画の撮影をしつつも、オカルト関連の書物などを読むようになっていた

横島との繋がりで人外の友人が多数出来た銀一は、自らオカルトに興味を持ち書物やインターネットで知識を深めている

銀一自身は本物のGSを目指してる訳ではないが、人外を友人に持つ一般人だからこそ知る必要があると考えていた

そこには何か特別な目的がある訳ではないが、一般人として芸能人として銀一は自分がきちんとしたオカルトの知識や現実を知る必要があると感じたらしい

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