過去と現在が交差する時
それから数日、両親と魔鈴は時間の限り一緒に過ごしていた
楽しい時間や幸せな時間ほど時の流れを早く感じるとはよく言うが、魔鈴にとってこのお盆は二度とないほど楽しく幸せな日々だった
無我夢中で生きて来たここ数年の苦労が報われたほど幸せな時間
しかしそれも今日で終わりである
一秒一秒と近寄る別れの時間に恐怖し込み上げてくる淋しさを抑えように明るく振る舞う両親と魔鈴の姿に、横島・タマモ・シロの三人もまた込み上げてくる感情を抑えるので精一杯だった
永遠の別れではないし、僅かだがまた会える可能性がある
そんな奇跡のような僅かな可能性が一同の希望になっていた
「次に会う時は孫の顔でも見れるかしら?」
「時間がかかってもいいから、納得の行くように生きなさい」
この数日何度となく語られた両親の話に、魔鈴は涙を浮かべながらもしっかりと頷いている
この短い時間にも両親は時間が許す限り娘を愛し、横島が買って来た霊視ビデオカメラで一晩中娘へのメッセージを残していた
両親が語った映像のDVDは、すでに三十枚を越えている
その数の多さが娘を身近で守り導いてやれない両親の苦悩の証なのだろう
横島はそんな魔鈴と両親を見つめ、この時間を終わらせることがなく続ける方法を一人探している
なまじ奇跡に近い能力を持つだけに、何か魔鈴と両親が一緒にいる裏技がないか考え探してしまう
何度となく横島の危機を救い奇跡を起こした文珠を握りしめて……
(ダメなのよ、横島。 人も神も魔も世界の理には逆らえないの。 貴方もそれを学ばないとダメなの)
握りしめられる文珠をチラリと見たタマモは横島の気持ちを理解しつつ、自分で気付き乗り越えるしかない現実を見守るしかできない
そしてシロもまた横島の気持ちを理解して拳を握りしめている
魔鈴の悲しみや横島の苦しみを素直に感じてしまうシロは横島同様に何か解決出来ないか考えているが、すでに両親を失っているシロはそれが無理なのを理解していた
しかしシロはそれでもなお諦めない
「横島君もタマモちゃんもシロちゃんも元気でね。 私達はいつもめぐみとみんなを見守ってるわよ」
両親は魔鈴のみならず横島達をも笑顔を見せて強く抱きしめていく
肉体の温もりこそ無いが魂の温もりの篭った抱擁は、タマモやシロに両親の温もりを思い出させるほど愛情に溢れたものだった
「大丈夫よ。 魔鈴さんは私達が守るから」
「そうでござる! 拙者……拙者……」
「そうじゃないんだ。 君達も一緒に幸せになってくれ。 私も妻もそれを願ってる」
強く抱きしめる母親にタマモは静かに魔鈴を守ると告げてシロも同じくそれを誓うのだが、父親はそんな二人にちょっと苦笑いして一緒に幸せになって欲しいと告げる
そんな両親にシロは我慢していた涙が溢れ始めており、タマモですら感情の高ぶりを抑えきれなくなっていた
楽しい時間や幸せな時間ほど時の流れを早く感じるとはよく言うが、魔鈴にとってこのお盆は二度とないほど楽しく幸せな日々だった
無我夢中で生きて来たここ数年の苦労が報われたほど幸せな時間
しかしそれも今日で終わりである
一秒一秒と近寄る別れの時間に恐怖し込み上げてくる淋しさを抑えように明るく振る舞う両親と魔鈴の姿に、横島・タマモ・シロの三人もまた込み上げてくる感情を抑えるので精一杯だった
永遠の別れではないし、僅かだがまた会える可能性がある
そんな奇跡のような僅かな可能性が一同の希望になっていた
「次に会う時は孫の顔でも見れるかしら?」
「時間がかかってもいいから、納得の行くように生きなさい」
この数日何度となく語られた両親の話に、魔鈴は涙を浮かべながらもしっかりと頷いている
この短い時間にも両親は時間が許す限り娘を愛し、横島が買って来た霊視ビデオカメラで一晩中娘へのメッセージを残していた
両親が語った映像のDVDは、すでに三十枚を越えている
その数の多さが娘を身近で守り導いてやれない両親の苦悩の証なのだろう
横島はそんな魔鈴と両親を見つめ、この時間を終わらせることがなく続ける方法を一人探している
なまじ奇跡に近い能力を持つだけに、何か魔鈴と両親が一緒にいる裏技がないか考え探してしまう
何度となく横島の危機を救い奇跡を起こした文珠を握りしめて……
(ダメなのよ、横島。 人も神も魔も世界の理には逆らえないの。 貴方もそれを学ばないとダメなの)
握りしめられる文珠をチラリと見たタマモは横島の気持ちを理解しつつ、自分で気付き乗り越えるしかない現実を見守るしかできない
そしてシロもまた横島の気持ちを理解して拳を握りしめている
魔鈴の悲しみや横島の苦しみを素直に感じてしまうシロは横島同様に何か解決出来ないか考えているが、すでに両親を失っているシロはそれが無理なのを理解していた
しかしシロはそれでもなお諦めない
「横島君もタマモちゃんもシロちゃんも元気でね。 私達はいつもめぐみとみんなを見守ってるわよ」
両親は魔鈴のみならず横島達をも笑顔を見せて強く抱きしめていく
肉体の温もりこそ無いが魂の温もりの篭った抱擁は、タマモやシロに両親の温もりを思い出させるほど愛情に溢れたものだった
「大丈夫よ。 魔鈴さんは私達が守るから」
「そうでござる! 拙者……拙者……」
「そうじゃないんだ。 君達も一緒に幸せになってくれ。 私も妻もそれを願ってる」
強く抱きしめる母親にタマモは静かに魔鈴を守ると告げてシロも同じくそれを誓うのだが、父親はそんな二人にちょっと苦笑いして一緒に幸せになって欲しいと告げる
そんな両親にシロは我慢していた涙が溢れ始めており、タマモですら感情の高ぶりを抑えきれなくなっていた