過去と現在が交差する時
「高かったでしょう? これは調整次第で霊体から地脈まで映せる最高級品ですよ」
横島が買って来た霊視ビデオカメラを手に取り見てみる魔鈴だったが、それは紛れも無い最高級品だった
「えっと、三百万っすけど……」
高いと言われた横島だったが、自分が買った金額が高いのか安いのかイマイチ分からない
半分厄珍にぼったくられたかと思っていただけに魔鈴の反応は少し意外である
「えっ…… それは安すぎますよ!?」
魔鈴は三百万の言葉に改めて霊視ビデオカメラを真剣に見ていく
思わず不良品や中古ではと疑うほど安いのだ
「なんか厄珍の奴、今日は拍子抜けするくらい大人しかったんっすよね~ そういやあ厄珍が小竜姫様がどうとか言ってたんすけど……」
安過ぎる値段に何かを疑っていた魔鈴だったが、横島から小竜姫の名前を聞くとふと考え込む
(やはり神族の影響力は凄まじいですね。 小竜姫様が何故わざわざ動かれたのかよく分かります)
厄珍が何かときわどい商売をしている事を魔鈴は知っている
そんな厄珍が利益度外視で安くした理由は小竜姫の存在以外はありえない
オカルト業界からの横島への厄介事が小竜姫の名前により阻止されてるのは理解していたが、厄珍の対応で改めて神族の存在の大きさを実感していた
「そんなことより魔鈴さん、お父さんとお母さんと一緒に映って下さい」
魔鈴が少し考え込んでる間に横島はすでに魔鈴の両親の撮影を始めていた
横島としては厄珍の態度はあまり気にしてないようである
「あらあら、綺麗に映るのかしら? 綺麗に映るならめぐみにたくさんメッセージを残したいわね」
「幽霊が映るビデオカメラなんてあるのか……」
一方横島にビデオカメラを向けられる両親だったが、母親は少し照れ臭そうにしつつも魔鈴に形を残せる事が嬉しそうだし、父親は幽霊が本当に映るのか不思議そうだった
思い出を残し伝えたい事が山ほどある両親にとって、姿や声が残せるならばそれ以上ないほどありがたいものである
そのまま横島が両親と魔鈴の姿を撮影していくが、撮られることに慣れてない魔鈴や両親は僅かに恥ずかしそうだ
しかし両親は時間を惜しむように魔鈴に愛情を注ぎたくさんの話をしていく
「綺麗に映るものね」
「ああ本当だな」
途中で撮った映像を確認しようとみんなで見てみるが、幽霊であるはずの両親が本当に綺麗に映る映像に本人である両親達が一番驚いている
別に疑っていた訳ではないが、実際に娘と映る映像を見た感動は両親にしか分からないのかもしれない
「やるじゃないの、横島」
「先生、ナイスアイデアでござる!」
「思い出は記憶だけじゃなく形にも残したいもんだろ? 前はよく厄珍堂にお使いに行ってたから、いろいろ珍しい物見たんだよ」
両親に感謝されタマモやシロにまで褒められた横島は照れ臭そうに笑うが、悪い気はしなかった
褒められて悪い気などするはずはないし、何より迷惑ばかりかけてる魔鈴の力になれた事情が嬉しくて仕方ない
横島が買って来た霊視ビデオカメラを手に取り見てみる魔鈴だったが、それは紛れも無い最高級品だった
「えっと、三百万っすけど……」
高いと言われた横島だったが、自分が買った金額が高いのか安いのかイマイチ分からない
半分厄珍にぼったくられたかと思っていただけに魔鈴の反応は少し意外である
「えっ…… それは安すぎますよ!?」
魔鈴は三百万の言葉に改めて霊視ビデオカメラを真剣に見ていく
思わず不良品や中古ではと疑うほど安いのだ
「なんか厄珍の奴、今日は拍子抜けするくらい大人しかったんっすよね~ そういやあ厄珍が小竜姫様がどうとか言ってたんすけど……」
安過ぎる値段に何かを疑っていた魔鈴だったが、横島から小竜姫の名前を聞くとふと考え込む
(やはり神族の影響力は凄まじいですね。 小竜姫様が何故わざわざ動かれたのかよく分かります)
厄珍が何かときわどい商売をしている事を魔鈴は知っている
そんな厄珍が利益度外視で安くした理由は小竜姫の存在以外はありえない
オカルト業界からの横島への厄介事が小竜姫の名前により阻止されてるのは理解していたが、厄珍の対応で改めて神族の存在の大きさを実感していた
「そんなことより魔鈴さん、お父さんとお母さんと一緒に映って下さい」
魔鈴が少し考え込んでる間に横島はすでに魔鈴の両親の撮影を始めていた
横島としては厄珍の態度はあまり気にしてないようである
「あらあら、綺麗に映るのかしら? 綺麗に映るならめぐみにたくさんメッセージを残したいわね」
「幽霊が映るビデオカメラなんてあるのか……」
一方横島にビデオカメラを向けられる両親だったが、母親は少し照れ臭そうにしつつも魔鈴に形を残せる事が嬉しそうだし、父親は幽霊が本当に映るのか不思議そうだった
思い出を残し伝えたい事が山ほどある両親にとって、姿や声が残せるならばそれ以上ないほどありがたいものである
そのまま横島が両親と魔鈴の姿を撮影していくが、撮られることに慣れてない魔鈴や両親は僅かに恥ずかしそうだ
しかし両親は時間を惜しむように魔鈴に愛情を注ぎたくさんの話をしていく
「綺麗に映るものね」
「ああ本当だな」
途中で撮った映像を確認しようとみんなで見てみるが、幽霊であるはずの両親が本当に綺麗に映る映像に本人である両親達が一番驚いている
別に疑っていた訳ではないが、実際に娘と映る映像を見た感動は両親にしか分からないのかもしれない
「やるじゃないの、横島」
「先生、ナイスアイデアでござる!」
「思い出は記憶だけじゃなく形にも残したいもんだろ? 前はよく厄珍堂にお使いに行ってたから、いろいろ珍しい物見たんだよ」
両親に感謝されタマモやシロにまで褒められた横島は照れ臭そうに笑うが、悪い気はしなかった
褒められて悪い気などするはずはないし、何より迷惑ばかりかけてる魔鈴の力になれた事情が嬉しくて仕方ない