過去と現在が交差する時
「しかしお前、よく魔鈴さんの両親の幽霊に気付いたな」
「私の霊感は人間とは根本的に違うのよ。 あの時も幽霊を見ないようにはしてたけど、近寄って来る幽霊はチェックしてたわ」
霊能力の価値を改めて考えていた横島だが、ふとタマモが何故魔鈴の両親に気付いたのか不思議であった
そんな横島にタマモは、周りを最低限のチェックはしていたと言う
これは別にお盆だから特別に行っていた訳ではなく、タマモは普段から自身の周りを最低限気をつけているのだ
特にタマモと横島は未だに周囲にいつ危険が及んでも不思議でないだけに、人知れず警戒していた結果が出ただけである
「もっと早く教えてくれればよかったのに……」
「馬鹿ね。 せっかくの再会なんだから、ゆっくり邪魔が入らない場所の方がいいに決まってるわ」
もっと早く教えて欲しかったと言う横島だが、タマモは魔鈴と両親の事を考えて黙っていたらしい
その頃両親と再会した魔鈴だが、未だに言葉を発する事もなく両親の前で泣き続けていた
幼い頃に両親を失って以来必死に生きて来た魔鈴にとって、この再会は何度も夢に見た再会だったのだ
かつて幼い頃の魔鈴が霊能の世界に足を踏み入れるきっかけは、亡き両親への強い想いがあったからに他ならない
《一目でいいから会いたい》
そんな強い想いが魔鈴の眠れる霊能力を開花させた原因であった
魔鈴にとって霊能力は両親との数少ない絆だったのである
「よく頑張ったな」
「そうね。 こんなに立派になるなんて……」
一方子供に戻ったように泣き止まない魔鈴に、両親もまた生きていたならば涙を流していたほど心に熱いモノが込み上げていた
幼い頃から冥界で娘を見守っていた両親もまた、いつか会って一言でいいから言葉をかけたいと願っていたのだ
しかし亡くなった者と生きてる者が会うのは簡単なことではない
様々な要因が重ならなければ地上に来ることすら出来ないだけに、再会して会話が出来るなど奇跡に近いほどの可能性しかないのだ
話したい事は山ほどあったのだが、両親もまた魔鈴の顔を見たら言葉が上手く出て来なかった
魔鈴が落ち着いたのは外がすっかり日が暮れた後だった
途中タマモに促されるままに自宅のリビングに移動はしていたが、相変わらず泣いたままで落ち着くには時間が必要だったのである
「ごめんなさいね。 夕食の支度を……」
ある程度落ち着いた魔鈴は時間も時間だけに夕食の支度をしようとキッチンに向かうが、そこではすでに横島とタマモが夕食を作っていた
「もう少しで出来るから、ゆっくりしてて」
「いや~、タマモの料理の腕が上がったのなんのって……、どうやれば短期間でこんなに料理が上手くなるんだ!?」
「よく見て真似するだけよ。 難しいことじゃないわ」
普段は魔鈴が主体となり料理を作っているのだが、魔鈴の代わりにタマモが主体に料理を作り出すと横島が驚くほどタマモの手際がいい
ずっと魔鈴の補佐をしていた経験が地味に生きていたようだ
「二人ともありがとう」
特別何かを語る訳でもなく普段通りの横島とタマモの気持ちに、魔鈴はホッとした笑みを浮かべる
魔鈴が両親と居る時間を少しでも減らさないようにとの気遣いに、心が暖かくなる思いだった
「私の霊感は人間とは根本的に違うのよ。 あの時も幽霊を見ないようにはしてたけど、近寄って来る幽霊はチェックしてたわ」
霊能力の価値を改めて考えていた横島だが、ふとタマモが何故魔鈴の両親に気付いたのか不思議であった
そんな横島にタマモは、周りを最低限のチェックはしていたと言う
これは別にお盆だから特別に行っていた訳ではなく、タマモは普段から自身の周りを最低限気をつけているのだ
特にタマモと横島は未だに周囲にいつ危険が及んでも不思議でないだけに、人知れず警戒していた結果が出ただけである
「もっと早く教えてくれればよかったのに……」
「馬鹿ね。 せっかくの再会なんだから、ゆっくり邪魔が入らない場所の方がいいに決まってるわ」
もっと早く教えて欲しかったと言う横島だが、タマモは魔鈴と両親の事を考えて黙っていたらしい
その頃両親と再会した魔鈴だが、未だに言葉を発する事もなく両親の前で泣き続けていた
幼い頃に両親を失って以来必死に生きて来た魔鈴にとって、この再会は何度も夢に見た再会だったのだ
かつて幼い頃の魔鈴が霊能の世界に足を踏み入れるきっかけは、亡き両親への強い想いがあったからに他ならない
《一目でいいから会いたい》
そんな強い想いが魔鈴の眠れる霊能力を開花させた原因であった
魔鈴にとって霊能力は両親との数少ない絆だったのである
「よく頑張ったな」
「そうね。 こんなに立派になるなんて……」
一方子供に戻ったように泣き止まない魔鈴に、両親もまた生きていたならば涙を流していたほど心に熱いモノが込み上げていた
幼い頃から冥界で娘を見守っていた両親もまた、いつか会って一言でいいから言葉をかけたいと願っていたのだ
しかし亡くなった者と生きてる者が会うのは簡単なことではない
様々な要因が重ならなければ地上に来ることすら出来ないだけに、再会して会話が出来るなど奇跡に近いほどの可能性しかないのだ
話したい事は山ほどあったのだが、両親もまた魔鈴の顔を見たら言葉が上手く出て来なかった
魔鈴が落ち着いたのは外がすっかり日が暮れた後だった
途中タマモに促されるままに自宅のリビングに移動はしていたが、相変わらず泣いたままで落ち着くには時間が必要だったのである
「ごめんなさいね。 夕食の支度を……」
ある程度落ち着いた魔鈴は時間も時間だけに夕食の支度をしようとキッチンに向かうが、そこではすでに横島とタマモが夕食を作っていた
「もう少しで出来るから、ゆっくりしてて」
「いや~、タマモの料理の腕が上がったのなんのって……、どうやれば短期間でこんなに料理が上手くなるんだ!?」
「よく見て真似するだけよ。 難しいことじゃないわ」
普段は魔鈴が主体となり料理を作っているのだが、魔鈴の代わりにタマモが主体に料理を作り出すと横島が驚くほどタマモの手際がいい
ずっと魔鈴の補佐をしていた経験が地味に生きていたようだ
「二人ともありがとう」
特別何かを語る訳でもなく普段通りの横島とタマモの気持ちに、魔鈴はホッとした笑みを浮かべる
魔鈴が両親と居る時間を少しでも減らさないようにとの気遣いに、心が暖かくなる思いだった