過去と現在が交差する時
さて大樹と百合子宅を訪れていた横島達だが、昼食をご馳走になり午後には横浜の魔鈴の両親の墓参りに向かっていた
「な~んか、あっちこっちに幽霊がいるな」
横浜の大きな霊園に到着した横島だが、あちこちにいろいろな時代の幽霊がうっすら見えてしまい驚きが隠せない
横島自身さほど霊視が得意な訳ではないが、霊能の基礎修行は続けておりそれなりに成果が出てるようだ
「冥界から戻って来た祖先の霊達でしょうね」
「その割には少ないっすね。 死んだ人の幽霊みんな帰って来たら幽霊で溢れそうっすけど」
「お盆に祖先の霊が戻ることはありますが、全ての霊が戻る訳ではないようです。 一説には神に選ばれし者のみが戻るとか……。 私も詳しくは知りませんが、一定の決まり事があるようです」
ふと霊に対して疑問を口にする横島に、魔鈴は自分の知る限りで説明をする
冥界から霊が人間界に戻る方法はいくつかあるが、お盆のように不特定多数が戻る時は現れる霊の数が昔から一定ならしい
神に選ばれた者が戻るとか順番待ちだとかくじ引きだとか諸説あるらしいが、詳しい事は解らないようだった
「横島、霊力を抑えて霊波の波長を幽霊に合わせないで。 こんなとこで霊能者だってバレたら幽霊に囲まれるわよ」
興味深げにキョロキョロと辺りを見渡す横島に、タマモは少しため息をはき霊力を抑えるように告げる
冥界から戻って来た霊達の中には世の中の変わりように驚いてる者などもおり、話の出来る霊能者だとバレたら墓参りどころではなくなるのだ
「おう、悪いな」
タマモに言われた横島は慌てて霊達を見ないように霊力を抑えていくが、魔鈴やタマモはここに来る前からすでに霊達を見ないようにしていた
少々可哀相な気はするが要らぬ揉め事を避ける為にも、霊能者は基本的に自分から幽霊に関わる事はほとんどない
幽霊にも様々おり中には霊能者に自分の子孫の愚痴を延々とこぼしたりする者などもおり、それを下手に拒否したり聞かないと怒る幽霊なども居る事から中途半端に関わると大変な事になるのである
そのまま魔鈴の両親の墓に到着した三人だったが、そこはごくごく普通の墓だった
「お父さん、お母さんなかなか来れなくてごめんね」
魔鈴・横島・タマモで手分けして墓を掃除して花やお供えをした後、魔鈴は静かに手を合わせて祈り始める
日本に居る間は毎年彼岸やお盆は欠かさず墓参りに来てる魔鈴だったが、今回は初めて横島とタマモが一緒に来ていた
(お父さん、お母さん。 私にもようやく好きな人が出来て、家族のような存在も出来ました。 ちょっと普通とは違うけど……、私は幸せです)
横島が居てタマモが居てシロがいる現状は普通の恋人や家庭とは若干違うが、魔鈴は自分の気持ちを素直にそのまま祈っていく
(えっと……自分勝手な俺ですけど、魔鈴さんを悲しませる事だけは絶対にしません。 それで勘弁して下さい)
一方横島も魔鈴と同じく魔鈴の両親に祈りを捧げていたが、こちらはいつの間にか本当に自分が魔鈴の恋人でいいのかとかいろいろ考えて妙に言い訳じみた事まで祈っていた
ルシオラの件や中途半端な自分など、自分勝手な状況を魔鈴の両親に謝らなければならないと思ってしまったようだ
そんな中タマモが驚きの表情で墓を見つめていた事に、横島も魔鈴も気付かなかった
「な~んか、あっちこっちに幽霊がいるな」
横浜の大きな霊園に到着した横島だが、あちこちにいろいろな時代の幽霊がうっすら見えてしまい驚きが隠せない
横島自身さほど霊視が得意な訳ではないが、霊能の基礎修行は続けておりそれなりに成果が出てるようだ
「冥界から戻って来た祖先の霊達でしょうね」
「その割には少ないっすね。 死んだ人の幽霊みんな帰って来たら幽霊で溢れそうっすけど」
「お盆に祖先の霊が戻ることはありますが、全ての霊が戻る訳ではないようです。 一説には神に選ばれし者のみが戻るとか……。 私も詳しくは知りませんが、一定の決まり事があるようです」
ふと霊に対して疑問を口にする横島に、魔鈴は自分の知る限りで説明をする
冥界から霊が人間界に戻る方法はいくつかあるが、お盆のように不特定多数が戻る時は現れる霊の数が昔から一定ならしい
神に選ばれた者が戻るとか順番待ちだとかくじ引きだとか諸説あるらしいが、詳しい事は解らないようだった
「横島、霊力を抑えて霊波の波長を幽霊に合わせないで。 こんなとこで霊能者だってバレたら幽霊に囲まれるわよ」
興味深げにキョロキョロと辺りを見渡す横島に、タマモは少しため息をはき霊力を抑えるように告げる
冥界から戻って来た霊達の中には世の中の変わりように驚いてる者などもおり、話の出来る霊能者だとバレたら墓参りどころではなくなるのだ
「おう、悪いな」
タマモに言われた横島は慌てて霊達を見ないように霊力を抑えていくが、魔鈴やタマモはここに来る前からすでに霊達を見ないようにしていた
少々可哀相な気はするが要らぬ揉め事を避ける為にも、霊能者は基本的に自分から幽霊に関わる事はほとんどない
幽霊にも様々おり中には霊能者に自分の子孫の愚痴を延々とこぼしたりする者などもおり、それを下手に拒否したり聞かないと怒る幽霊なども居る事から中途半端に関わると大変な事になるのである
そのまま魔鈴の両親の墓に到着した三人だったが、そこはごくごく普通の墓だった
「お父さん、お母さんなかなか来れなくてごめんね」
魔鈴・横島・タマモで手分けして墓を掃除して花やお供えをした後、魔鈴は静かに手を合わせて祈り始める
日本に居る間は毎年彼岸やお盆は欠かさず墓参りに来てる魔鈴だったが、今回は初めて横島とタマモが一緒に来ていた
(お父さん、お母さん。 私にもようやく好きな人が出来て、家族のような存在も出来ました。 ちょっと普通とは違うけど……、私は幸せです)
横島が居てタマモが居てシロがいる現状は普通の恋人や家庭とは若干違うが、魔鈴は自分の気持ちを素直にそのまま祈っていく
(えっと……自分勝手な俺ですけど、魔鈴さんを悲しませる事だけは絶対にしません。 それで勘弁して下さい)
一方横島も魔鈴と同じく魔鈴の両親に祈りを捧げていたが、こちらはいつの間にか本当に自分が魔鈴の恋人でいいのかとかいろいろ考えて妙に言い訳じみた事まで祈っていた
ルシオラの件や中途半端な自分など、自分勝手な状況を魔鈴の両親に謝らなければならないと思ってしまったようだ
そんな中タマモが驚きの表情で墓を見つめていた事に、横島も魔鈴も気付かなかった