過去と現在が交差する時
それから数日が過ぎた8月13日、横島・魔鈴・タマモの三人は大樹と百合子の家を訪れていた
二人の家は都心から少し離れた住宅街の古い木造の一軒家である
庭付きの一戸建てが理想だとのこだわりから決めた家だが、持ち家ではなく賃貸であった
大樹と百合子ならば十分に一戸建てを買える能力や資金があるのだろうが、二人はあえて賃貸を選んでいる
しかもあまり立派な家は好きじゃないとの妙なこだわりもあり、大阪時代も含めて過去に住んだ家はみんな古い木造の一軒家だった
「魔鈴さんもタマモちゃんもよく来たな~」
横島達三人が両親の家に上がると大樹はサラッと横島を無視するように魔鈴とタマモだけを歓迎するが、まあいつもの事である
元々やんちゃな性格をしてる事もあり、会うたびに横島と競うというか比べて偉大な父親を見せつけようとするのだ
まあ最近は横島がそんな大樹に付き合うのが面倒になり適当にあしらうが、大樹はそれでも横島を挑発するような態度を取り続けている
「あまり私からご挨拶に来れなくてすいません」
魔鈴が両親宅に来たのは、引っ越し祝いを持って挨拶に来た時以来だった
それは魔鈴が忙しい事もあるが、大樹と百合子が週一くらいの割合で魔鈴の店に夕食を食べに来るため、なかなか魔鈴から尋ねる機会が少なかったのである
二人としては横島達が心配な事もあり、週一くらいの割合で客として来店していたのだ
まあ店を訪れる時でも閉店が近い時間の時には横島達と一緒に食事する事もあり、比較的よく顔は会わせている
「俺達には気を使わなくていいぞ。 俺達としたら来てくれるより、そっちに行った方が美味い物食えるからな」
普通に礼儀を通そうとする魔鈴だったが、大樹はあまり気にしてないようである
どうせ会うなら店に行って料理を食べた方がいいと当然のように笑って言い切る辺りに、魔鈴とタマモは横島の父親なのだとシミジミ感じてしまう
「GSはお盆は忙しいって聞いたけど休み取れたの?」
「うちはレストランが主体ですから今日はお休みにしました。 お盆の時期は確かにGSは忙しいのですが、私の場合はお得意様がほとんどですし予防的な知識も教えていますので」
お盆の初日に挨拶に来た魔鈴に百合子は無理をしてないか気になり除霊の事を尋ねるが、魔鈴は一般のGSよりはお盆は忙しくないと答える
一般のGSはお盆になると忙しくなるが、実はお盆の時の霊的トラブルの大半がマナーというか常識を知らない人間側の問題だった
中には帰って来た祖先の霊を悪霊と間違えてGSを呼んだなんて話も、毎年割と多いお盆のトラブルなのである
魔鈴の場合は顧客に霊障にならないような予防的な話やマナーを常日頃から教えてるため、魔鈴の顧客はお盆などに霊障やトラブルに合う確率は他と比べればかなり低いのだ
「へ~、そんな理由で忙しかったんだね」
「霊障の大半はきちんとした知識さえあれば、素人でも解決できるレベルなんですよ。 そもそも悪霊は確かに危険ですが、浮遊霊などを悪霊にするのは人間側の不手際の場合も多いんです。 お盆の霊障トラブルの大半も、きちんとしたマナーさえ守れば防げるはずなんです」
感心したように話を聞く百合子と大樹に魔鈴はつい熱く語ってしまい、二人はそんな魔鈴を微笑ましく見つめていた
最近はただ退治するだけのGSが多い中で、魔鈴のように霊障にならないように努力する者は多くはない
人々や幽霊の幸せを純粋に願う魔鈴の考えは、大樹と百合子にとっても心地好いものだった
二人の家は都心から少し離れた住宅街の古い木造の一軒家である
庭付きの一戸建てが理想だとのこだわりから決めた家だが、持ち家ではなく賃貸であった
大樹と百合子ならば十分に一戸建てを買える能力や資金があるのだろうが、二人はあえて賃貸を選んでいる
しかもあまり立派な家は好きじゃないとの妙なこだわりもあり、大阪時代も含めて過去に住んだ家はみんな古い木造の一軒家だった
「魔鈴さんもタマモちゃんもよく来たな~」
横島達三人が両親の家に上がると大樹はサラッと横島を無視するように魔鈴とタマモだけを歓迎するが、まあいつもの事である
元々やんちゃな性格をしてる事もあり、会うたびに横島と競うというか比べて偉大な父親を見せつけようとするのだ
まあ最近は横島がそんな大樹に付き合うのが面倒になり適当にあしらうが、大樹はそれでも横島を挑発するような態度を取り続けている
「あまり私からご挨拶に来れなくてすいません」
魔鈴が両親宅に来たのは、引っ越し祝いを持って挨拶に来た時以来だった
それは魔鈴が忙しい事もあるが、大樹と百合子が週一くらいの割合で魔鈴の店に夕食を食べに来るため、なかなか魔鈴から尋ねる機会が少なかったのである
二人としては横島達が心配な事もあり、週一くらいの割合で客として来店していたのだ
まあ店を訪れる時でも閉店が近い時間の時には横島達と一緒に食事する事もあり、比較的よく顔は会わせている
「俺達には気を使わなくていいぞ。 俺達としたら来てくれるより、そっちに行った方が美味い物食えるからな」
普通に礼儀を通そうとする魔鈴だったが、大樹はあまり気にしてないようである
どうせ会うなら店に行って料理を食べた方がいいと当然のように笑って言い切る辺りに、魔鈴とタマモは横島の父親なのだとシミジミ感じてしまう
「GSはお盆は忙しいって聞いたけど休み取れたの?」
「うちはレストランが主体ですから今日はお休みにしました。 お盆の時期は確かにGSは忙しいのですが、私の場合はお得意様がほとんどですし予防的な知識も教えていますので」
お盆の初日に挨拶に来た魔鈴に百合子は無理をしてないか気になり除霊の事を尋ねるが、魔鈴は一般のGSよりはお盆は忙しくないと答える
一般のGSはお盆になると忙しくなるが、実はお盆の時の霊的トラブルの大半がマナーというか常識を知らない人間側の問題だった
中には帰って来た祖先の霊を悪霊と間違えてGSを呼んだなんて話も、毎年割と多いお盆のトラブルなのである
魔鈴の場合は顧客に霊障にならないような予防的な話やマナーを常日頃から教えてるため、魔鈴の顧客はお盆などに霊障やトラブルに合う確率は他と比べればかなり低いのだ
「へ~、そんな理由で忙しかったんだね」
「霊障の大半はきちんとした知識さえあれば、素人でも解決できるレベルなんですよ。 そもそも悪霊は確かに危険ですが、浮遊霊などを悪霊にするのは人間側の不手際の場合も多いんです。 お盆の霊障トラブルの大半も、きちんとしたマナーさえ守れば防げるはずなんです」
感心したように話を聞く百合子と大樹に魔鈴はつい熱く語ってしまい、二人はそんな魔鈴を微笑ましく見つめていた
最近はただ退治するだけのGSが多い中で、魔鈴のように霊障にならないように努力する者は多くはない
人々や幽霊の幸せを純粋に願う魔鈴の考えは、大樹と百合子にとっても心地好いものだった