過去と現在が交差する時
さて噂が出たエミだが、旅行後も彼女は相変わらず仕事が忙しかった
魔鈴からは定期的に仕事が流れていくし、令子が日中の仕事をセーブしてる影響もあり例年にない急がしさが続いているのだ
「せめて事務員が欲しいわね」
仕事自体はエミが自分で出来る範囲で受けてるからいいのだが、問題はエミが忙しくなると事務所が空になる時間が増える事である
携帯を持ってるとはいえ除霊中はもちろん出れないし、何より事務所が空の時間が多すぎるのは客商売としては問題だった
(信頼出来て事務所を任せれる事務員なんてなかなかね……)
エミの場合は表沙汰に出来ない仕事もあるため、信頼出来る人でなければ事務員として雇えないのである
通常のGS事務所でも扱う金額の多さや情報の秘匿も含めて、法律事務所並にしっかりした事務員でなければならない
エミの場合はそれ以上を求めており、何よりも信頼出来る人材でなければ雇えなかった
「そんな都合のいい人材なんて……」
学歴や能力は二の次で絶対と言っていいほど信頼出来る人材など居ないと考えるエミだったが、ふと先日の旅行中の雑談を思い出す
「そういえば愛子と小鳩の二人は今年卒業だったわね」
今年高校三年の小鳩と二度目の高校三年の愛子が、今年卒業だと言っていたのを思い出したのだ
愛子に関しては横島が卒業後に人間社会に出る事を進めている件を、エミは前にタイガーから聞いていた
「どっちかうちに来てくれないかしら?」
何より信頼出来る人材という点では二人は理想だった
妖怪の愛子がお金に目がくらむ事は考えにくいし、小鳩はお金で苦労してるため信用出来る
加えて二人の性格や人となりはある程度知っているので、試しに働いてみるくらいならエミとしても問題なかった
「あの二人が横島を裏切るような真似はしないでしょうしね。 いっそ両方雇って事務員二人もいいわね」
除霊事務所は細々とした仕事が多く、案外二人とも雇ってもちょうどいいのではとエミは思う
まあ実際問題として本人達の意見や就職希望先もあるだろうから簡単ではないだろうが、どっちか一人でも事務員になって欲しいと言うのが本音である
そう考えたエミは、さっそくこの件を相談しに魔鈴の店に顔を出す事にした
「えっ……、小鳩ちゃんと愛子を雇いたい!?」
突然店に来たエミから小鳩と愛子の雇用の話を聞かされた横島は、驚きを隠せないようであった
エミが忙しいのは聞いていたが、まさかそんな事を言うとは思いもしなかったのだろう
「GSも客商売だから、何より信頼出来る人材が欲しいワケ。 うちは特に呪いもしてるしね」
真剣な表情のエミに横島は戸惑いながら考え込むが、はっきり言うと判断に迷っていた
「いい話なんじゃないの? どのみち愛子さんは普通の会社には無理なんだし……」
「私もそう思いますよ。 少なくとも本人に話をする価値はあると思います」
横島はGS事務所が危険だから素直に喜べなかったが、タマモと魔鈴はエミの話に賛成だった
確かにGS事務所は危険だが、エミは令子ほど無謀でも無茶でもない
少なくとも小鳩と愛子に、この話を聞いてみる価値は十分あると二人は判断してる
魔鈴からは定期的に仕事が流れていくし、令子が日中の仕事をセーブしてる影響もあり例年にない急がしさが続いているのだ
「せめて事務員が欲しいわね」
仕事自体はエミが自分で出来る範囲で受けてるからいいのだが、問題はエミが忙しくなると事務所が空になる時間が増える事である
携帯を持ってるとはいえ除霊中はもちろん出れないし、何より事務所が空の時間が多すぎるのは客商売としては問題だった
(信頼出来て事務所を任せれる事務員なんてなかなかね……)
エミの場合は表沙汰に出来ない仕事もあるため、信頼出来る人でなければ事務員として雇えないのである
通常のGS事務所でも扱う金額の多さや情報の秘匿も含めて、法律事務所並にしっかりした事務員でなければならない
エミの場合はそれ以上を求めており、何よりも信頼出来る人材でなければ雇えなかった
「そんな都合のいい人材なんて……」
学歴や能力は二の次で絶対と言っていいほど信頼出来る人材など居ないと考えるエミだったが、ふと先日の旅行中の雑談を思い出す
「そういえば愛子と小鳩の二人は今年卒業だったわね」
今年高校三年の小鳩と二度目の高校三年の愛子が、今年卒業だと言っていたのを思い出したのだ
愛子に関しては横島が卒業後に人間社会に出る事を進めている件を、エミは前にタイガーから聞いていた
「どっちかうちに来てくれないかしら?」
何より信頼出来る人材という点では二人は理想だった
妖怪の愛子がお金に目がくらむ事は考えにくいし、小鳩はお金で苦労してるため信用出来る
加えて二人の性格や人となりはある程度知っているので、試しに働いてみるくらいならエミとしても問題なかった
「あの二人が横島を裏切るような真似はしないでしょうしね。 いっそ両方雇って事務員二人もいいわね」
除霊事務所は細々とした仕事が多く、案外二人とも雇ってもちょうどいいのではとエミは思う
まあ実際問題として本人達の意見や就職希望先もあるだろうから簡単ではないだろうが、どっちか一人でも事務員になって欲しいと言うのが本音である
そう考えたエミは、さっそくこの件を相談しに魔鈴の店に顔を出す事にした
「えっ……、小鳩ちゃんと愛子を雇いたい!?」
突然店に来たエミから小鳩と愛子の雇用の話を聞かされた横島は、驚きを隠せないようであった
エミが忙しいのは聞いていたが、まさかそんな事を言うとは思いもしなかったのだろう
「GSも客商売だから、何より信頼出来る人材が欲しいワケ。 うちは特に呪いもしてるしね」
真剣な表情のエミに横島は戸惑いながら考え込むが、はっきり言うと判断に迷っていた
「いい話なんじゃないの? どのみち愛子さんは普通の会社には無理なんだし……」
「私もそう思いますよ。 少なくとも本人に話をする価値はあると思います」
横島はGS事務所が危険だから素直に喜べなかったが、タマモと魔鈴はエミの話に賛成だった
確かにGS事務所は危険だが、エミは令子ほど無謀でも無茶でもない
少なくとも小鳩と愛子に、この話を聞いてみる価値は十分あると二人は判断してる