サマーバケーション~2~

そのまま小竜姫も含めて全員が水着に着替えるのだが、美女揃いのメンバーばかりなだけに凄い光景になっていた


「スゲーな……」

「今更驚くほどでしょうか?」

「ワッシは…… ワッシは……」

水着の女性陣を前に雪之丞・ピート・タイガーの三人は三者三様の反応を見せるが、比較的冷静なのはピートくらいだろう

若い雪之丞とタイガーには少し刺激が強かったようだ

惜しむべくは仲良くなっても恋愛に発展しそうなメンバーが居ない事か

もちろんタイガーは彼女一筋を貫くつもりだが……


「おー! みんな綺麗っすねー さっそく記念に残さねばっ!」

一方横島はと言えば、軽いノリで水着の女性陣を写真に収めていた

女性陣はそんな横島に若干の苦笑いを浮かべるが、ある意味以前の横島のような軽さに少し懐かしさを感じる

別に今の横島が悪いとは言わないが、かつての横島も嫌いではなかったのだ


「止めなくていいのでござるか?」

「限度を越えなければ、構いませんよ」

水着姿の女性陣を中心に写真を撮る横島にシロは止めないのかと尋ねるが、魔鈴はあまり気にしてないようであった

今の横島が以前のようにセクハラ紛いに迫ったりするはずもないし、写真を撮るくらいならば魔鈴はあまり気にしないようである

というかアレも横島の良さの一つだという微妙な理由も存在していた

それに一時期は心の傷により人を避けようとしていただけに、逆に人間らしい横島に安堵している

魔鈴としては、横島に対して何事も節度を持たせる代わりに過剰に制約はしたくないようであった

過剰な制約やしつけを受けて失敗した令子や百合子の行動を魔鈴なりに学んだ結果とも言える

ただ雪之丞・タイガー・銀一の三人は、自由気ままな横島を羨ましそうに見ていた



さて話は戻りそのままプライベートビーチに向かう一行だが、ビーチは多くの客で賑わっている

まあそれでもビーチの広さを考えれば人の数は少なく、ゆっくりと出来るようだ

それに明らかに普通の海水浴場とは居る人種が違うように見え、年配者や金持ちそうな人が多かった



「海だー!!」

「お前ら空飛んだりするのはダメだからな!」

海を見るなり走っていくパピリオ・天龍・シロに横島は慌てて空を飛んだりしないように言い聞かせる

周りの客は普通の海水浴場より大人しいようだし、下手に空を飛んだりしたら騒ぎになる気がしたのだ


「わかってるでちゅ! さあ、横島も来るんでちゅよ」

少し慌てる横島をパピリオは引っ張るように連れて行き雪之丞達やヒャクメがそれに続くと、残る魔鈴達は予約したビーチパラソルやチェアーの元で一息つく

すかさずホテルのボーイが現れて飲み物などの注文を尋ねるなどあり、魔鈴達は冷たい飲み物を飲みながら横島達が騒ぐ姿を見つめていた


「ヒャクメ……、貴女間違っても神族に見えませんね」

完全に横島達と馴染んで騒ぐヒャクメに、小竜姫は少し複雑そうな表情を浮かべる

パピリオや天龍は子供だからいいが、大人の小竜姫はヒャクメほど素直に自由気ままには出来ないのだ

細かい事を気にしないで遊べるヒャクメが少し羨ましいらしい


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