サマーバケーション~2~
「俺は今でもアシュタロスがどんな奴だったか、ほとんど知らねえんだよな。 あの後に本とか探してちょっと調べてみたけど、漠然とした伝説しかわからなかった。 老師の話と西遊記の物語の内容が違うように、きっと本当のアシュタロスは全く違うんだろうなって思うよ」
アシュタロスを想うベスパに横島は複雑な気持ちになっていた
大切な存在を失う辛さは横島も理解してるつもりだが、ベスパはルシオラとアシュタロスの二人を失っている
その苦しみや辛さは横島自身よりも上だろうと思うのだ
「私もアシュ様のことはよくわからないよ。 今となっては本当に世界の創造をしようとしたのかも……」
「出来る訳なかったんだけどさ。 一度ちゃんと話してみたかったって、最近たまに思うんだよな。 お前やパヒリオを見てると特にそう思っちまう」
横島もベスパも立場や考えることは違うが、ともにアシュタロスのことを考えてるのは確かだった
ベスパは聞いてみたい事がたくさんあるし、横島はただ普通に話しをしてみたかったのだ
「それが出来てたら、違う歴史だったのかもね。 今この場所にアシュ様が居た未来もあった気がするよ」
何か目的がある訳ではなくただ純粋にアシュタロスと話してみたかったと言う横島の言葉が、ベスパは無償に嬉しかった
過ぎた過去は変わらないが、今の横島を見てると別の可能性があったとさえ期待してしまう何かがあるのだから
「俺は馬鹿だから難しい事は全くわからないけどさ、ルシオラと同じようにアシュタロスの事も覚えてなきゃダメなんだろうって思う。 理由はどうあれトドメ刺しちまったのは俺だからな」
アシュタロスを思い出しつつ横島は今まで戦って来た魔族や妖怪も思い出し、それらの者達も忘れてはダメなんだろうと考えている
アシュタロス戦後、横島の中には生きてる者を殺した罪悪感や後悔が生まれていた
人も魔族も妖怪も神族も気にしない横島は、人以外の者も命の価値は同じだと思うのだ
「避けれない戦いだったのは分かってる。 俺なんかが何か出来たとも思わない。 でも言葉が通じる以上は話してみたかった」
話しても何も変わらないのは横島自身よく理解している
馬鹿な人間が話しても何も変わらない
しかし言葉が通じる以上は、話してみたかったと思ってしまうのだ
「横島、戦わなければダメな時は迷うなよ。 お前は生きなければダメなんだからな」
戦いを後悔し罪悪感を感じてる横島に気付いたベスパは、それがいつの日か横島を滅ぼす気がして怖かった
アシュタロスを倒した横島の存在が魔界で有名なのは知っているし、名を上げようとする魔族がいつ横島を襲わないとは限らない
あまりに優しく甘い横島に言いようがない不安を感じてしまう
「今の俺はGSじゃないから大丈夫だよ。 まあ魔鈴さんの手伝いはしてるけど簡単な除霊くらいだし、もう話が通じるような強い妖怪や魔族とは戦う事はないと思う」
自分はもう第一線級で戦う事はないと笑って告げる横島に、ベスパはやはり不安を感じてしまう
先に別荘に戻る横島を見送ったベスパは、深いため息をはいていた
アシュタロスを想うベスパに横島は複雑な気持ちになっていた
大切な存在を失う辛さは横島も理解してるつもりだが、ベスパはルシオラとアシュタロスの二人を失っている
その苦しみや辛さは横島自身よりも上だろうと思うのだ
「私もアシュ様のことはよくわからないよ。 今となっては本当に世界の創造をしようとしたのかも……」
「出来る訳なかったんだけどさ。 一度ちゃんと話してみたかったって、最近たまに思うんだよな。 お前やパヒリオを見てると特にそう思っちまう」
横島もベスパも立場や考えることは違うが、ともにアシュタロスのことを考えてるのは確かだった
ベスパは聞いてみたい事がたくさんあるし、横島はただ普通に話しをしてみたかったのだ
「それが出来てたら、違う歴史だったのかもね。 今この場所にアシュ様が居た未来もあった気がするよ」
何か目的がある訳ではなくただ純粋にアシュタロスと話してみたかったと言う横島の言葉が、ベスパは無償に嬉しかった
過ぎた過去は変わらないが、今の横島を見てると別の可能性があったとさえ期待してしまう何かがあるのだから
「俺は馬鹿だから難しい事は全くわからないけどさ、ルシオラと同じようにアシュタロスの事も覚えてなきゃダメなんだろうって思う。 理由はどうあれトドメ刺しちまったのは俺だからな」
アシュタロスを思い出しつつ横島は今まで戦って来た魔族や妖怪も思い出し、それらの者達も忘れてはダメなんだろうと考えている
アシュタロス戦後、横島の中には生きてる者を殺した罪悪感や後悔が生まれていた
人も魔族も妖怪も神族も気にしない横島は、人以外の者も命の価値は同じだと思うのだ
「避けれない戦いだったのは分かってる。 俺なんかが何か出来たとも思わない。 でも言葉が通じる以上は話してみたかった」
話しても何も変わらないのは横島自身よく理解している
馬鹿な人間が話しても何も変わらない
しかし言葉が通じる以上は、話してみたかったと思ってしまうのだ
「横島、戦わなければダメな時は迷うなよ。 お前は生きなければダメなんだからな」
戦いを後悔し罪悪感を感じてる横島に気付いたベスパは、それがいつの日か横島を滅ぼす気がして怖かった
アシュタロスを倒した横島の存在が魔界で有名なのは知っているし、名を上げようとする魔族がいつ横島を襲わないとは限らない
あまりに優しく甘い横島に言いようがない不安を感じてしまう
「今の俺はGSじゃないから大丈夫だよ。 まあ魔鈴さんの手伝いはしてるけど簡単な除霊くらいだし、もう話が通じるような強い妖怪や魔族とは戦う事はないと思う」
自分はもう第一線級で戦う事はないと笑って告げる横島に、ベスパはやはり不安を感じてしまう
先に別荘に戻る横島を見送ったベスパは、深いため息をはいていた