サマーバケーション~2~
「今日は賑やかじゃのう」
一方朝早くから騒がしい妙神山だが、老師は一見いつも通りに平然とタバコを吹かしている
しかし天龍を巻き込んだのは他ならぬ老師なのだ
その意味や心中は分からないが天龍のどさくさに紛れて老師自身の旅行行きも決めた事から、楽しみにしていたのはパピリオや天龍と変わらないのかもしれない
前回の卒業パーティーに行けなくお土産もなかった結果がここに現れてるのかもしれないが、それに気付く者は今のところいなかった
「少し意外でしたね。 姉上は行かないと思ってました」
同じ頃魔界では小竜姫を通して横島から旅行に誘われていたワルキューレとジークだが、ジークはワルキューレが参加するとは思わなかったようである
以前に比べれば柔らかくなったとはいえ、何度も横島の誘いに乗るとは思えなかったのだろう
平時なので比較的平和な軍だが暇な訳ではないし、ワルキューレクラスになれば仕事が途切れる事はないのだから
「上層部は横島及び神族との交流を重要視してるからな。 休暇ではあるが、限りなく任務に近い性質もある。 横島には神魔の中間で居て貰わねば困るのだ」
少し驚きのジークにワルキューレは今回参加の裏側を話すが、それには横島の複雑な立場と神魔界の緊張関係も少し絡む
ルシオラとの悲恋からアシュタロスを倒した事実を背負う横島は、神魔界が注目する人間の一人なのである
現在の横島の力を脅威とは見る者は少ないが、将来性と存在感は評価が高い
神魔上層部としては横島がどちらかに偏れば、アシュタロス戦後の後遺症が残る神魔界に悪い影響を及ぼす可能性を考え多少神経質になっていた
加えてアシュタロス戦により停止中の神魔界の交流が現在続いてるのは、横島を挟んだワルキューレ達と妙神山だけなのも大きい
デタントの一貫である交流活動だったが、アシュタロスによる人界での対神族への攻撃により現在も停止中のままだったのだ
今回はあくまでも横島の個人の主催による集まりなので非公式だが、それでもなおこの交流が神魔界に与える影響が小さくない証拠だろう
「多分横島さんはそこまで知らないんでしょうね」
「本人達には絶対に秘密にしろとの命令だ。 それにあいつらに要らぬ負担をかけたくないしな。 ただ、この交流が神魔の緊張緩和の一役を担いつつある事実は変わらない。 神魔界の間に入れる存在など他に居ないからな」
本人の全く関係ない場所でその立場が重要視されていく横島だが、当然横島にそんな事実を知らさせることはない
横島の行動が結果的に神魔界のデタントの一翼を担う行動だっただけで、横島本人は神魔界に影響を与えてるつもりがゼロなのだから当然だが……
ただ一つ言えることは、偶然とはいえ神魔双方を集めて交流を持てる存在が他に居ないだけである
魔鈴や唐巣やエミなど一部は横島の特異性に気付いてはいるが、流石にアシュタロス戦後の神魔界に影響を与える可能性があるとまでは考えが及んでない
実際知らない方が彼らは幸せだろう
横島にしても魔鈴達にしても無意識だから出来る事であり、仮に神魔のデタントに協力しろと言われても出来るはずもないのだから
結果的に横島の思惑とは別に複雑な思惑の絡み合う旅行になるのだが、すべてに関して一致してるのは現状の平和な日々を続けたいという思いだろう
一方朝早くから騒がしい妙神山だが、老師は一見いつも通りに平然とタバコを吹かしている
しかし天龍を巻き込んだのは他ならぬ老師なのだ
その意味や心中は分からないが天龍のどさくさに紛れて老師自身の旅行行きも決めた事から、楽しみにしていたのはパピリオや天龍と変わらないのかもしれない
前回の卒業パーティーに行けなくお土産もなかった結果がここに現れてるのかもしれないが、それに気付く者は今のところいなかった
「少し意外でしたね。 姉上は行かないと思ってました」
同じ頃魔界では小竜姫を通して横島から旅行に誘われていたワルキューレとジークだが、ジークはワルキューレが参加するとは思わなかったようである
以前に比べれば柔らかくなったとはいえ、何度も横島の誘いに乗るとは思えなかったのだろう
平時なので比較的平和な軍だが暇な訳ではないし、ワルキューレクラスになれば仕事が途切れる事はないのだから
「上層部は横島及び神族との交流を重要視してるからな。 休暇ではあるが、限りなく任務に近い性質もある。 横島には神魔の中間で居て貰わねば困るのだ」
少し驚きのジークにワルキューレは今回参加の裏側を話すが、それには横島の複雑な立場と神魔界の緊張関係も少し絡む
ルシオラとの悲恋からアシュタロスを倒した事実を背負う横島は、神魔界が注目する人間の一人なのである
現在の横島の力を脅威とは見る者は少ないが、将来性と存在感は評価が高い
神魔上層部としては横島がどちらかに偏れば、アシュタロス戦後の後遺症が残る神魔界に悪い影響を及ぼす可能性を考え多少神経質になっていた
加えてアシュタロス戦により停止中の神魔界の交流が現在続いてるのは、横島を挟んだワルキューレ達と妙神山だけなのも大きい
デタントの一貫である交流活動だったが、アシュタロスによる人界での対神族への攻撃により現在も停止中のままだったのだ
今回はあくまでも横島の個人の主催による集まりなので非公式だが、それでもなおこの交流が神魔界に与える影響が小さくない証拠だろう
「多分横島さんはそこまで知らないんでしょうね」
「本人達には絶対に秘密にしろとの命令だ。 それにあいつらに要らぬ負担をかけたくないしな。 ただ、この交流が神魔の緊張緩和の一役を担いつつある事実は変わらない。 神魔界の間に入れる存在など他に居ないからな」
本人の全く関係ない場所でその立場が重要視されていく横島だが、当然横島にそんな事実を知らさせることはない
横島の行動が結果的に神魔界のデタントの一翼を担う行動だっただけで、横島本人は神魔界に影響を与えてるつもりがゼロなのだから当然だが……
ただ一つ言えることは、偶然とはいえ神魔双方を集めて交流を持てる存在が他に居ないだけである
魔鈴や唐巣やエミなど一部は横島の特異性に気付いてはいるが、流石にアシュタロス戦後の神魔界に影響を与える可能性があるとまでは考えが及んでない
実際知らない方が彼らは幸せだろう
横島にしても魔鈴達にしても無意識だから出来る事であり、仮に神魔のデタントに協力しろと言われても出来るはずもないのだから
結果的に横島の思惑とは別に複雑な思惑の絡み合う旅行になるのだが、すべてに関して一致してるのは現状の平和な日々を続けたいという思いだろう