サマーバケーション
「少し休憩にしましょうか?」
突然横島に抱き着いた魔鈴だったが、実は特に意味などなく横島がぼ~っとしていたので抱き着いてみただけであった
流石に毎回横島の考えてる事を理解出来るはずはないのだし……
さてそんな二人だが、掃除したばかりの一部屋に持参したアイスティーやらクッキーやらを広げて一息ついている
窓を開けているとはいえすでに暑い季節なため、掃除をしていると汗が止まらなかったのだが冷たいアイスティーでようやく落ち着いていた
「タマモちゃんとシロちゃんにも、手伝って貰えばよかったんじゃないですか?」
「うーん、でも今日来ると楽しみが無くなりそうな気がするんすよね。 どうせ旅行なら知らない場所の方が楽しいだろうし……」
今日何故タマモとシロが居ないかというと、横島が連れて来なかったのだ
掃除やら買い出しやらで人手は欲しいのだが、旅行先に事前に行くと楽しみが半減するだろうと考えた横島が連れて来なかったのである
「そうかもしれませんが……」
基本的に人を楽しませようと考える横島を、魔鈴は静かな笑みを浮かべて見つめていた
タマモとシロは身内のつもりだから頼めば喜んで手伝うだろうが、横島は身内だからこそ余計に楽しませたいと考えているのだ
その僅かな違いに魔鈴は思わず笑みを浮かべていた
その頃、タマモとシロは散歩を兼ねて唐巣の教会を訪れていた
「ちゃんとご飯食べてるみたいね」
教会の奥の居住スペースで唐巣にお茶を出されたタマモは、その様子に安堵する
少し前に強引にGS協会の役員にした件以来気になっていたのだ
「いや~、先日横島君と魔鈴君にも同じ事を言われたよ。 随分心配をかけてるみたいだね」
教会に到着早々唐巣の様子を探るタマモと勝手に冷蔵庫チェックをするシロに、唐巣は微妙な苦笑いを浮かべていた
それと言うのも先日横島と魔鈴が同じ事をしていたのだ
その時は様子を伺う魔鈴と冷蔵庫チェックをする横島だったが……
「あら、横島達も来たんだ」
「ああ他にも冥子君やタイガー君や美智恵君も、差し入れだと言って食料を持って来てくれたよ。 冥子君とタイガー君は、六道さんやエミ君が心配して二人に食料を持たせたのだろうがね」
少し恥ずかしそうに最近の現状を語る唐巣に、タマモとシロは安堵する
食事の事も問題だが、押し付けられた現状が唐巣の新たなストレスになってないか心配だったのだ
横島と魔鈴も同じ心配をして来たのだろうし、エミや冥菜も同じだろう
なんだかんだ言いつつ、人望がある唐巣だった
「そうだったんでござるか」
「多くの人に心配をかけてすまないと思ってるよ。 私自身の価値観は今も変わらないが、それでも君達の気持ちは理解してるつもりだ」
役員就任以来唐巣はGS協会の仕事にも加わっているが、自身が行う弱者相手の除霊も平行して続けていた
しかしあの後の唐巣は少し変わっており、最低限の食事だけはしっかり取るようになっている
そして教会へ来る除霊もピートに任せる依頼が増えていた
何が唐巣を変えたのかは誰にもわからないが、あの頑固な唐巣が少し変わったと冥菜や美智恵などの古い知り合いは驚いてるらしい
突然横島に抱き着いた魔鈴だったが、実は特に意味などなく横島がぼ~っとしていたので抱き着いてみただけであった
流石に毎回横島の考えてる事を理解出来るはずはないのだし……
さてそんな二人だが、掃除したばかりの一部屋に持参したアイスティーやらクッキーやらを広げて一息ついている
窓を開けているとはいえすでに暑い季節なため、掃除をしていると汗が止まらなかったのだが冷たいアイスティーでようやく落ち着いていた
「タマモちゃんとシロちゃんにも、手伝って貰えばよかったんじゃないですか?」
「うーん、でも今日来ると楽しみが無くなりそうな気がするんすよね。 どうせ旅行なら知らない場所の方が楽しいだろうし……」
今日何故タマモとシロが居ないかというと、横島が連れて来なかったのだ
掃除やら買い出しやらで人手は欲しいのだが、旅行先に事前に行くと楽しみが半減するだろうと考えた横島が連れて来なかったのである
「そうかもしれませんが……」
基本的に人を楽しませようと考える横島を、魔鈴は静かな笑みを浮かべて見つめていた
タマモとシロは身内のつもりだから頼めば喜んで手伝うだろうが、横島は身内だからこそ余計に楽しませたいと考えているのだ
その僅かな違いに魔鈴は思わず笑みを浮かべていた
その頃、タマモとシロは散歩を兼ねて唐巣の教会を訪れていた
「ちゃんとご飯食べてるみたいね」
教会の奥の居住スペースで唐巣にお茶を出されたタマモは、その様子に安堵する
少し前に強引にGS協会の役員にした件以来気になっていたのだ
「いや~、先日横島君と魔鈴君にも同じ事を言われたよ。 随分心配をかけてるみたいだね」
教会に到着早々唐巣の様子を探るタマモと勝手に冷蔵庫チェックをするシロに、唐巣は微妙な苦笑いを浮かべていた
それと言うのも先日横島と魔鈴が同じ事をしていたのだ
その時は様子を伺う魔鈴と冷蔵庫チェックをする横島だったが……
「あら、横島達も来たんだ」
「ああ他にも冥子君やタイガー君や美智恵君も、差し入れだと言って食料を持って来てくれたよ。 冥子君とタイガー君は、六道さんやエミ君が心配して二人に食料を持たせたのだろうがね」
少し恥ずかしそうに最近の現状を語る唐巣に、タマモとシロは安堵する
食事の事も問題だが、押し付けられた現状が唐巣の新たなストレスになってないか心配だったのだ
横島と魔鈴も同じ心配をして来たのだろうし、エミや冥菜も同じだろう
なんだかんだ言いつつ、人望がある唐巣だった
「そうだったんでござるか」
「多くの人に心配をかけてすまないと思ってるよ。 私自身の価値観は今も変わらないが、それでも君達の気持ちは理解してるつもりだ」
役員就任以来唐巣はGS協会の仕事にも加わっているが、自身が行う弱者相手の除霊も平行して続けていた
しかしあの後の唐巣は少し変わっており、最低限の食事だけはしっかり取るようになっている
そして教会へ来る除霊もピートに任せる依頼が増えていた
何が唐巣を変えたのかは誰にもわからないが、あの頑固な唐巣が少し変わったと冥菜や美智恵などの古い知り合いは驚いてるらしい