サマーバケーション
さて別荘の状態だが建物はあまり変化ないようだが、庭は雑草が伸びて放題だった
二人はとりあえず現状を確認しようと中に入ると、運がいい事に以前の家具がそのまま残っている
埃が積もっており使うにはかなり掃除が必要だが、それを承知で激安で借りていた
本来は不動産屋が定期的に掃除するのだろうが、買い手が付かない物件なだけに半ば放置状態らしい
不動産屋は元々レンタルなどしてないのだが、魔鈴が除霊の仕事を受けているお得意様の不動産屋に仲介を頼んで、掃除をしてくれるならいいとタダ同然で借りていた
「やっぱりベッドが足らんな。 ベッドは無理でも布団は運び込む必要あるかな」
別荘の広さ自体は問題ないのだが、ベッドは足りないし布団はそれ自体がない
掃除が先だが、細々と入り用な物が多いようだった
「買い物の前に掃除ですね。 二人だと時間がかかりますし、さっそく始めますか!」
腕まくりをしてやる気を見せる魔鈴は別荘内を探して掃除道具を見つける
別荘には掃除道具はあるが、やはり洗剤などはなく魔鈴が急遽洗剤を買いに行く事になった
その間に残された横島は窓を開けて空気を入れ換えてほうきでホコリを掃いていくが、結構広い別荘だけに一苦労である
かつて三界を征服しようとするアシュタロス一派のアジトにしては小さいと感じた横島だが、実際個人の別荘だとすると広い方だった
「ゴホ、ゴホ…… こりゃ大変だわ」
マスクをしてるとはいえホコリが舞う部屋に横島はため息をはき、一瞬文珠でなんとかしようかとも思うのだが、むやみに文珠を使うのは魔鈴達に止められている
今更な感じもあるが出来るだけ文珠は使わず秘匿した方がいいというのが、魔鈴やタマモなどの共通意見だった
緊急時などは構わないが、日常生活では出来るだけ使わないように話し合いが行われていたのである
結局横島は出来るだけホコリが舞わないように、静かに掃除して行くしかなかった
その後戻って来た魔鈴と横島は一緒に掃除をしていくが、一日で終わりそうもない感じである
少し休憩しようと思った横島が魔鈴を見ると、彼女は四つん這いになり床を拭いていた
楽しそうにニコニコと床を拭く魔鈴の姿に横島は思わず目を奪われてしまう
魔鈴は基本的に掃除が好きだし、掃除をして部屋が綺麗になるのが好きなのである
(うむ……、ここで飛び掛かったら流石に怒られるだろうな)
四つん這いで掃除している魔鈴の後ろ姿に横島は思わず欲情してしまうが、それで飛び掛かって行かない自分に感慨深いモノを感じてしまう
迷わず飛び掛かっただろうかつての自分が、何故か少し懐かしく感じてるのだ
《流れを読めって言ってるでしょ!!》
横島は一瞬、ルシオラのそんな声が聞こえた気がした
(もしもあの時、俺にもう少しルシオラを思いやる余裕があれば……)
ほんの僅かの幸せな日々
横島にとって何よりも大切な日々
しかしそれは、後悔の記憶でもある
もしもあの時、ルシオラを思いやる事が出来たら……
横島はそう思うと胸が苦しくなる気がした
「えっ!?」
それは突然だった
横島が思考の中に居たのは一瞬のはずだが、気が付いたら魔鈴に抱きしめられている
掃除していた手で触れないように抱きつく魔鈴に、横島は驚きつつも幸せを感じていた
二人はとりあえず現状を確認しようと中に入ると、運がいい事に以前の家具がそのまま残っている
埃が積もっており使うにはかなり掃除が必要だが、それを承知で激安で借りていた
本来は不動産屋が定期的に掃除するのだろうが、買い手が付かない物件なだけに半ば放置状態らしい
不動産屋は元々レンタルなどしてないのだが、魔鈴が除霊の仕事を受けているお得意様の不動産屋に仲介を頼んで、掃除をしてくれるならいいとタダ同然で借りていた
「やっぱりベッドが足らんな。 ベッドは無理でも布団は運び込む必要あるかな」
別荘の広さ自体は問題ないのだが、ベッドは足りないし布団はそれ自体がない
掃除が先だが、細々と入り用な物が多いようだった
「買い物の前に掃除ですね。 二人だと時間がかかりますし、さっそく始めますか!」
腕まくりをしてやる気を見せる魔鈴は別荘内を探して掃除道具を見つける
別荘には掃除道具はあるが、やはり洗剤などはなく魔鈴が急遽洗剤を買いに行く事になった
その間に残された横島は窓を開けて空気を入れ換えてほうきでホコリを掃いていくが、結構広い別荘だけに一苦労である
かつて三界を征服しようとするアシュタロス一派のアジトにしては小さいと感じた横島だが、実際個人の別荘だとすると広い方だった
「ゴホ、ゴホ…… こりゃ大変だわ」
マスクをしてるとはいえホコリが舞う部屋に横島はため息をはき、一瞬文珠でなんとかしようかとも思うのだが、むやみに文珠を使うのは魔鈴達に止められている
今更な感じもあるが出来るだけ文珠は使わず秘匿した方がいいというのが、魔鈴やタマモなどの共通意見だった
緊急時などは構わないが、日常生活では出来るだけ使わないように話し合いが行われていたのである
結局横島は出来るだけホコリが舞わないように、静かに掃除して行くしかなかった
その後戻って来た魔鈴と横島は一緒に掃除をしていくが、一日で終わりそうもない感じである
少し休憩しようと思った横島が魔鈴を見ると、彼女は四つん這いになり床を拭いていた
楽しそうにニコニコと床を拭く魔鈴の姿に横島は思わず目を奪われてしまう
魔鈴は基本的に掃除が好きだし、掃除をして部屋が綺麗になるのが好きなのである
(うむ……、ここで飛び掛かったら流石に怒られるだろうな)
四つん這いで掃除している魔鈴の後ろ姿に横島は思わず欲情してしまうが、それで飛び掛かって行かない自分に感慨深いモノを感じてしまう
迷わず飛び掛かっただろうかつての自分が、何故か少し懐かしく感じてるのだ
《流れを読めって言ってるでしょ!!》
横島は一瞬、ルシオラのそんな声が聞こえた気がした
(もしもあの時、俺にもう少しルシオラを思いやる余裕があれば……)
ほんの僅かの幸せな日々
横島にとって何よりも大切な日々
しかしそれは、後悔の記憶でもある
もしもあの時、ルシオラを思いやる事が出来たら……
横島はそう思うと胸が苦しくなる気がした
「えっ!?」
それは突然だった
横島が思考の中に居たのは一瞬のはずだが、気が付いたら魔鈴に抱きしめられている
掃除していた手で触れないように抱きつく魔鈴に、横島は驚きつつも幸せを感じていた