サマーバケーション
それからも横島と魔鈴は順調に屋台を営業していくが、最後まで人が途切れる事はなかった
魔法料理という物珍しい料理なだけに、人々の感心は高いようである
「横島さん、お久しぶりです!」
「えらい稼いでるらしいな~ わいらが手伝っていた屋台でも評判だったで?」
商店街の祭りもそろそろ終わろうかという頃、屋台にやって来たのは小鳩と貧だった
小鳩はどうやら別の屋台でアルバイトをしていたらしく、バイト上がりに噂を聞き付けて来たらしい
「小鳩ちゃん、久しぶりだな~ 最近どうだ? なんか困った事あったらいつでも相談してな」
横島が小鳩と会うのは卒業パーティー以来だった
横島の元アパートに住んでる雪之丞はたまに料理のおすそ分けなどを貰うと聞いているが、小鳩自体は魔鈴の店に来るほど余裕がないのでなかなか会う機会がなかったのだ
貧乏神の呪いは消え福の神の祝福は受けているが、まだ力の弱い貧ではたかがしれてるらしく日々の生活が困らない程度が現状らしい
「ありがとうございます。 最近は学校にも行けてますし、特に困った事はないですよ」
それほど余裕のある生活ではないが、小鳩は現状に満足しているようだった
呪いが消えた小鳩は騙される事や食べ物に困る事がなくなり、それだけで幸せらしい
まあかつての生活を考えれば当然かもしれないが、相変わらず純粋な性格のようである
「そういえば、幽体離脱バーガーを作ったのは小鳩さん達らしいですね。 よくあれほどの物を作れましたね」
久しぶりに見た小鳩と貧の二人に。魔鈴はふと以前厄珍堂で見た幽体離脱バーガーを思い出していた
業界に衝撃を与えた幽体離脱バーガーは、実は魔法料理を作る魔鈴すらも驚かせていたのだ
それというのも幽体離脱バーガーは、一種の魔法がかかった食べ物なのだ
まあ実際は魔法なのか呪いなのか区別が難しいところなのだが、普通の人が同じように作ってもマズイだけで幽体離脱などしない食べ物になるのである
魔鈴が驚いていたのはその微妙なバランスだった
人体や霊体に全く害がなく、ただ幽体離脱だけする物を作るのは結構難しい
無論魔鈴も似たような薬なら作れるが、ためにし幽体離脱バーガーを作ってみた時は同じのは作れなかったのだ
「あれは貧ちゃんじゃないと作れないんです」
「そうや、わいが心を込めて作らんと出来んのや!」
幽体離脱バーガーの話題になると少し微妙な表情を浮かべる小鳩だが、貧は自信満々な表情である
貧としては自分が小鳩の役に立ててるのが嬉しいようだ
まあ実際、花戸家の収入の大部分は幽体離脱バーガーの売り上げなのだが……
「確かにあんなまずそうな物、誰も作れんだろうな」
「いえ、あの幽体離脱バーガーは一種の魔法料理ですから。 おそらく福の神様の霊力込みで作らないと出来ないのでしょう。 偶然とはいえ、あれは普通の料理じゃありませんから」
横島はかつての騒動を思い出して引き攣った笑みを浮かべるが、魔鈴の言葉には目を見開いて驚く
「そもそもまずい料理というだけで幽体離脱などしてたら、危なくて料理なんて出来ませんよ。 福の神様の微妙な感性と霊力があってこその幽体離脱バーガーなのですから」
今まで貧しか作れなかった幽体離脱バーガーの秘密を語る魔鈴に、横島と小鳩と貧は驚きを隠せないようだった
魔法料理という物珍しい料理なだけに、人々の感心は高いようである
「横島さん、お久しぶりです!」
「えらい稼いでるらしいな~ わいらが手伝っていた屋台でも評判だったで?」
商店街の祭りもそろそろ終わろうかという頃、屋台にやって来たのは小鳩と貧だった
小鳩はどうやら別の屋台でアルバイトをしていたらしく、バイト上がりに噂を聞き付けて来たらしい
「小鳩ちゃん、久しぶりだな~ 最近どうだ? なんか困った事あったらいつでも相談してな」
横島が小鳩と会うのは卒業パーティー以来だった
横島の元アパートに住んでる雪之丞はたまに料理のおすそ分けなどを貰うと聞いているが、小鳩自体は魔鈴の店に来るほど余裕がないのでなかなか会う機会がなかったのだ
貧乏神の呪いは消え福の神の祝福は受けているが、まだ力の弱い貧ではたかがしれてるらしく日々の生活が困らない程度が現状らしい
「ありがとうございます。 最近は学校にも行けてますし、特に困った事はないですよ」
それほど余裕のある生活ではないが、小鳩は現状に満足しているようだった
呪いが消えた小鳩は騙される事や食べ物に困る事がなくなり、それだけで幸せらしい
まあかつての生活を考えれば当然かもしれないが、相変わらず純粋な性格のようである
「そういえば、幽体離脱バーガーを作ったのは小鳩さん達らしいですね。 よくあれほどの物を作れましたね」
久しぶりに見た小鳩と貧の二人に。魔鈴はふと以前厄珍堂で見た幽体離脱バーガーを思い出していた
業界に衝撃を与えた幽体離脱バーガーは、実は魔法料理を作る魔鈴すらも驚かせていたのだ
それというのも幽体離脱バーガーは、一種の魔法がかかった食べ物なのだ
まあ実際は魔法なのか呪いなのか区別が難しいところなのだが、普通の人が同じように作ってもマズイだけで幽体離脱などしない食べ物になるのである
魔鈴が驚いていたのはその微妙なバランスだった
人体や霊体に全く害がなく、ただ幽体離脱だけする物を作るのは結構難しい
無論魔鈴も似たような薬なら作れるが、ためにし幽体離脱バーガーを作ってみた時は同じのは作れなかったのだ
「あれは貧ちゃんじゃないと作れないんです」
「そうや、わいが心を込めて作らんと出来んのや!」
幽体離脱バーガーの話題になると少し微妙な表情を浮かべる小鳩だが、貧は自信満々な表情である
貧としては自分が小鳩の役に立ててるのが嬉しいようだ
まあ実際、花戸家の収入の大部分は幽体離脱バーガーの売り上げなのだが……
「確かにあんなまずそうな物、誰も作れんだろうな」
「いえ、あの幽体離脱バーガーは一種の魔法料理ですから。 おそらく福の神様の霊力込みで作らないと出来ないのでしょう。 偶然とはいえ、あれは普通の料理じゃありませんから」
横島はかつての騒動を思い出して引き攣った笑みを浮かべるが、魔鈴の言葉には目を見開いて驚く
「そもそもまずい料理というだけで幽体離脱などしてたら、危なくて料理なんて出来ませんよ。 福の神様の微妙な感性と霊力があってこその幽体離脱バーガーなのですから」
今まで貧しか作れなかった幽体離脱バーガーの秘密を語る魔鈴に、横島と小鳩と貧は驚きを隠せないようだった