サマーバケーション
一方の美智恵だが、彼女は先月の無差別殺人の影響で相変わらず忙しい日々を送っている
そんな美智恵の現在の頭痛の種は令子と西条の関係と、春に入った新人のことだった
(西条君はよく我慢してるんだけどね……)
仕事は相変わらず忙しいが美智恵の能力なら解決出来る問題が多い
それに比べて令子と西条の関係は、美智恵から見てマズイ形で固まってしまっている
西条は恋人として令子に誠意を尽くして頑張ってるのは美智恵も理解しているが、半面それが令子の心にまるで届いてない事が問題だった
基本的に価値観の違いが大きい二人は、しばしば意見や考えが噛み合わない事を互いに実感しているのだ
その上で令子は西条の好意も誠意もまるで理解してないのだから問題だった
「困った子よね…… やっぱり確固たる自分の形を持った西条君だと、令子の心に入り込むのは難しいんでしょうね」
ため息をはいた美智恵は令子と西条の相性の悪さを嘆いてしまう
プライドや価値観などの確固たる自分の形を持つ西条は、世間的には立派な人間に入る
しかし令子はそんな堅苦しい事が全く合わないのだ
まあ原因は強さのみを求めた教育の失敗と死んだ事にした美智恵の行動の結果なのだが……
美智恵はそれをある程度自覚しているが、令子の未来を守る為には仕方なかったと考えている
結局は自由奔放で気難しい令子が形を意識しないように近付くしかないのだが、そんな芸当西条には絶対無理だった
「おかしなことにならなきゃいいけど……」
いつまでも形だけの恋人が続くはずはなく、美智恵は現状がどう変わるのか考え心配している
やはり西条は令子の兄的存在として近くで守ってやる事が、美智恵の理想だったらしい
次にもう一つの頭痛の種の新人の事だが、こちらも上手く行ってない
一応捜査官見習いとして仕事を教え霊能の修行も僅かにしているが、いかんせん人材不足で忙しいのだ
美智恵や西条が現場に行く際には見習い件助手として勉強させながら使っているが、思った以上に使えなかったのである
元々新人の三人は一般家庭で育っており、オカルト業界とは縁がない
そんな三人はオカルト業界独特のしきたりなどが合わなかった者達なのだが、彼らはオカルトGメンの激務にも合わなかった
夜勤や変則勤務が多く休日や深夜に突然呼び出される事があるオカルトGメンに、彼らはすっかりやる気を無くしている
それに雑用や仕事で覚える事が多く、あまり霊能の指導が少ない事も彼らは不満だった
元々GSで有名になり一獲千金を狙ってオカルト業界を目指していたらしく、オカルトの基本や社会を舐めてる節があるのだ
美智恵としては使えない以上クビにしたいのだが、春に入った新人が数ヶ月で辞めるのは少々マズかった
オカルトGメンの人員に関しては相変わらず国から増員の要請が来ているし、春に入った新人がすぐに辞めたとなれば美智恵の管理能力を問われるのは明らかである
一般社会と違い人材不足のオカルト業界では、使えなくても居てくれるだけマシだと考えなければならなかった
「オカルト業界も根本的に改革が必要ね。 まあ私が生きてるうちは無理でしょうが……」
人材不足で古く閉鎖的なオカルト業界を美智恵は嘆くが、おそらく自分が生きてるうちは変わらないだろうと考えている
結局美智恵は頭痛を抱えつつ、なんとか新人達を使っていくしかなかった
そんな美智恵の現在の頭痛の種は令子と西条の関係と、春に入った新人のことだった
(西条君はよく我慢してるんだけどね……)
仕事は相変わらず忙しいが美智恵の能力なら解決出来る問題が多い
それに比べて令子と西条の関係は、美智恵から見てマズイ形で固まってしまっている
西条は恋人として令子に誠意を尽くして頑張ってるのは美智恵も理解しているが、半面それが令子の心にまるで届いてない事が問題だった
基本的に価値観の違いが大きい二人は、しばしば意見や考えが噛み合わない事を互いに実感しているのだ
その上で令子は西条の好意も誠意もまるで理解してないのだから問題だった
「困った子よね…… やっぱり確固たる自分の形を持った西条君だと、令子の心に入り込むのは難しいんでしょうね」
ため息をはいた美智恵は令子と西条の相性の悪さを嘆いてしまう
プライドや価値観などの確固たる自分の形を持つ西条は、世間的には立派な人間に入る
しかし令子はそんな堅苦しい事が全く合わないのだ
まあ原因は強さのみを求めた教育の失敗と死んだ事にした美智恵の行動の結果なのだが……
美智恵はそれをある程度自覚しているが、令子の未来を守る為には仕方なかったと考えている
結局は自由奔放で気難しい令子が形を意識しないように近付くしかないのだが、そんな芸当西条には絶対無理だった
「おかしなことにならなきゃいいけど……」
いつまでも形だけの恋人が続くはずはなく、美智恵は現状がどう変わるのか考え心配している
やはり西条は令子の兄的存在として近くで守ってやる事が、美智恵の理想だったらしい
次にもう一つの頭痛の種の新人の事だが、こちらも上手く行ってない
一応捜査官見習いとして仕事を教え霊能の修行も僅かにしているが、いかんせん人材不足で忙しいのだ
美智恵や西条が現場に行く際には見習い件助手として勉強させながら使っているが、思った以上に使えなかったのである
元々新人の三人は一般家庭で育っており、オカルト業界とは縁がない
そんな三人はオカルト業界独特のしきたりなどが合わなかった者達なのだが、彼らはオカルトGメンの激務にも合わなかった
夜勤や変則勤務が多く休日や深夜に突然呼び出される事があるオカルトGメンに、彼らはすっかりやる気を無くしている
それに雑用や仕事で覚える事が多く、あまり霊能の指導が少ない事も彼らは不満だった
元々GSで有名になり一獲千金を狙ってオカルト業界を目指していたらしく、オカルトの基本や社会を舐めてる節があるのだ
美智恵としては使えない以上クビにしたいのだが、春に入った新人が数ヶ月で辞めるのは少々マズかった
オカルトGメンの人員に関しては相変わらず国から増員の要請が来ているし、春に入った新人がすぐに辞めたとなれば美智恵の管理能力を問われるのは明らかである
一般社会と違い人材不足のオカルト業界では、使えなくても居てくれるだけマシだと考えなければならなかった
「オカルト業界も根本的に改革が必要ね。 まあ私が生きてるうちは無理でしょうが……」
人材不足で古く閉鎖的なオカルト業界を美智恵は嘆くが、おそらく自分が生きてるうちは変わらないだろうと考えている
結局美智恵は頭痛を抱えつつ、なんとか新人達を使っていくしかなかった