初夏の訪れは女子高生と共に……
一方海岸では鬼道がおキヌの体調を気遣い、一旦後方の避難場所に移動させていた
避難場所ではすでに10人近い生徒が休んでおり、救護担当の生徒が忙しそうに走り回っている
(なんで……)
救護担当の教師に言われるままに椅子に座ったおキヌだが、今だに茫然として現状が信じられないようであった
今までにネクロマンサーの笛が使えなくなった事は一度もない
何故突然音が出なくなったのか、おキヌには解らないのである
目の前でたくさんのGSや生徒達が戦う姿を、おキヌはただ見ている事しか出来ない
そんなおキヌの視線は自然と魔鈴に向かっていた
見たくないという気持ちもあるが、見たいとという気持ちもある
混乱する頭と心を落ち着かせようと努力しながら、魔鈴の姿を目で追っていく
「このままじゃまずいワケ」
「悪霊達がネクロマンサーの笛を警戒している今のうちに何とかしなくては……」
そしておキヌに見られてる魔鈴だが、こちらはネクロマンサーの効果で悪霊が減っているうちに何かしらの対策を取らなければとエミや雪之丞と相談していた
悪霊が減った影響で多少の余裕が出来た今が、沖合に居る悪霊を操る者を除霊する絶好のチャンスなのだ
「やはり沖合に行くしかないでしょうね」
海中の相手を除霊するには海に出て沖合まで行くしかない
そうなると船か空を飛ぶかどちらかで行かなければならないのだが、船よりは自分の魔法のほうきの方が安全で確実だと考えている
本来は冥子の式神辺りが一番適任なのだが、悪霊や低級妖怪が溢れるほど居る海中に式神を送るのは冥子では無理だった
そうなると次点の策として魔鈴と雪之丞が行くのが適任だろうと、魔鈴は考えを固め始めている
他にも優秀なGS達は居るのだろうが、魔鈴は知らない人ばかりだしエミも特に何も言わないところを見ると他に策がある人は居ないようだった
「雪之丞さん、私達で行きましょう」
魔鈴が決意を固めると雪之丞は無言で頷く
元々チマチマとした戦いより一気にケリを付ける方が好きだし、戦闘力に秀でた雪之丞と技術に秀でた魔鈴のコンビは除霊での相性はかなり良いのだ
敵の親玉を除霊出来るか出来ないかは別にしても、二人でなら生還する自信が雪之丞にはあったのである
「どうやら思ってた以上に切羽詰まってるみたいね。 二人共行くわよ」
僅かな時間で後方に下がったおキヌやGS達の動きを静かに見つめていたタマモは、予想以上にGS達が追い込まれているのを感じて横島とシロを連れて公園を後にしていく
「タマモ、どこに行くんだ? それにどうやって介入するつもりだ?」
説明もせずに歩き出したタマモに横島は少し戸惑い気味に言葉をかけるが、タマモは時間がないからと言って説明を後回しにして人の居ない場所に足早に向かって行った
公園から海岸沿いを歩いて行き人の居ない海岸の隅に到着すると、タマモは静かに横島とシロに説明を始める
「いい、よく聞いて。 あの中に悪霊や低級妖怪を操れそうなのは一体たけよ。 私達がそれを退治すれば状況は良くなるわ。 成功するかわかんないけど、試してみたい事があるの」
タマモの話す方法に、横島とシロは驚き目を見開いて聞いていた
それが本当に可能なのか、正直良くわからないと言うのが本音なのだろう
避難場所ではすでに10人近い生徒が休んでおり、救護担当の生徒が忙しそうに走り回っている
(なんで……)
救護担当の教師に言われるままに椅子に座ったおキヌだが、今だに茫然として現状が信じられないようであった
今までにネクロマンサーの笛が使えなくなった事は一度もない
何故突然音が出なくなったのか、おキヌには解らないのである
目の前でたくさんのGSや生徒達が戦う姿を、おキヌはただ見ている事しか出来ない
そんなおキヌの視線は自然と魔鈴に向かっていた
見たくないという気持ちもあるが、見たいとという気持ちもある
混乱する頭と心を落ち着かせようと努力しながら、魔鈴の姿を目で追っていく
「このままじゃまずいワケ」
「悪霊達がネクロマンサーの笛を警戒している今のうちに何とかしなくては……」
そしておキヌに見られてる魔鈴だが、こちらはネクロマンサーの効果で悪霊が減っているうちに何かしらの対策を取らなければとエミや雪之丞と相談していた
悪霊が減った影響で多少の余裕が出来た今が、沖合に居る悪霊を操る者を除霊する絶好のチャンスなのだ
「やはり沖合に行くしかないでしょうね」
海中の相手を除霊するには海に出て沖合まで行くしかない
そうなると船か空を飛ぶかどちらかで行かなければならないのだが、船よりは自分の魔法のほうきの方が安全で確実だと考えている
本来は冥子の式神辺りが一番適任なのだが、悪霊や低級妖怪が溢れるほど居る海中に式神を送るのは冥子では無理だった
そうなると次点の策として魔鈴と雪之丞が行くのが適任だろうと、魔鈴は考えを固め始めている
他にも優秀なGS達は居るのだろうが、魔鈴は知らない人ばかりだしエミも特に何も言わないところを見ると他に策がある人は居ないようだった
「雪之丞さん、私達で行きましょう」
魔鈴が決意を固めると雪之丞は無言で頷く
元々チマチマとした戦いより一気にケリを付ける方が好きだし、戦闘力に秀でた雪之丞と技術に秀でた魔鈴のコンビは除霊での相性はかなり良いのだ
敵の親玉を除霊出来るか出来ないかは別にしても、二人でなら生還する自信が雪之丞にはあったのである
「どうやら思ってた以上に切羽詰まってるみたいね。 二人共行くわよ」
僅かな時間で後方に下がったおキヌやGS達の動きを静かに見つめていたタマモは、予想以上にGS達が追い込まれているのを感じて横島とシロを連れて公園を後にしていく
「タマモ、どこに行くんだ? それにどうやって介入するつもりだ?」
説明もせずに歩き出したタマモに横島は少し戸惑い気味に言葉をかけるが、タマモは時間がないからと言って説明を後回しにして人の居ない場所に足早に向かって行った
公園から海岸沿いを歩いて行き人の居ない海岸の隅に到着すると、タマモは静かに横島とシロに説明を始める
「いい、よく聞いて。 あの中に悪霊や低級妖怪を操れそうなのは一体たけよ。 私達がそれを退治すれば状況は良くなるわ。 成功するかわかんないけど、試してみたい事があるの」
タマモの話す方法に、横島とシロは驚き目を見開いて聞いていた
それが本当に可能なのか、正直良くわからないと言うのが本音なのだろう