初夏の訪れは女子高生と共に……
それは前日の夜の事、二泊三日の臨海学校に行くおキヌに対して令子は精霊石のペンダントを差し出していた
「おキヌちゃん、これとネクロマンサーの笛は肌身離さず持ち歩きなさい。 いついかなる時も最低限の切り札は必要よ」
「美神さん……」
精霊石のペンダントを受け取るおキヌだが、令子の少し不安そうな表情が心に響く
「あの除霊は私も高校の時参加したけど、思ってる以上に大変よ。 しかも毎年規模が変わるしね。 おキヌちゃんは他の子と違って実戦を経験してるから大丈夫だと思うけど、油断はダメよ」
自身の時の経験を踏まえてアドバイスする令子だが、やはり少し心配そうである
おキヌの精神状態を理解しているだけに、自分の居ない除霊には不安を感じてしまうようだった
さて横島達が去った美神事務所について少し説明すると、基本的には令子一人で依頼をこなしている
おキヌに関しては週末を中心に週に3件前後の除霊に参加しているが、全て令子と二人で行っている
二人で除霊する時は前衛の令子と後衛のおキヌに完全に分かれており、対象や相手にもよるが基本的に令子自身がおキヌを守っている形だった
先程も話したがおキヌの不安定な精神状態は令子が一番理解しており、安全には細心の注意を払っている
おキヌの除霊への参加ペースは横島が去る前からほとんど変わらないが、令子のおキヌへの配慮は格段に変わっていた
除霊難易度はもちろん細かくチェックするし、少しでも不審な依頼は外部の調査専門の霊能事務所に調査を頼むほどである
無論令子一人の依頼はそこまでしないが、おキヌに関しては神経質なほどの配慮をしていたのだ
今回の除霊実習に関して令子は、言葉にならない不安を抱えている
基本的に他人を信用しない令子にとって、現状のおキヌを他人に任せる事は不安以外の何者でもない
「気持ちは嬉しいんですが、除霊のアイテムは学校が指定した物なんですよ」
「それは知ってるわ。 ただ自分のアイテムを持って行ったらダメだとは言ってないでしょう? 中には専用アイテムが無ければ不安になる子も居るから持っていくだけなら問題ないわ」
ネクロマンサーの笛は持っていけないと考えていたおキヌに対して、令子は学院側の規則の隙を突いた答えを示す
これは元々六道女学院側も黙認している裏技である
集団除霊のため個人の霊能アイテムは使用を禁止しているが、持ち歩くなとは言われてない
集団での連携や効率の問題から個々にバラバラの戦い方をされたら困るというのが理由だが、持参に関しては特に言わないのだ
令子のように自身の切り札を持っていく生徒は、少ないながらも毎年居るのが現状である
「そうだったのか~」
話は戻って、令子が言ったことをおキヌから聞いた魔理は素直に驚いていた
そしてそれは教師の指示に従う事だけを考えていた、かおりに関しても同じである
常に臨機応変にいついかなる事態にも対処出来るような心構えと準備が必要だと言う、令子の考えに若い二人は驚くしか出来ない
「おキヌちゃん、これとネクロマンサーの笛は肌身離さず持ち歩きなさい。 いついかなる時も最低限の切り札は必要よ」
「美神さん……」
精霊石のペンダントを受け取るおキヌだが、令子の少し不安そうな表情が心に響く
「あの除霊は私も高校の時参加したけど、思ってる以上に大変よ。 しかも毎年規模が変わるしね。 おキヌちゃんは他の子と違って実戦を経験してるから大丈夫だと思うけど、油断はダメよ」
自身の時の経験を踏まえてアドバイスする令子だが、やはり少し心配そうである
おキヌの精神状態を理解しているだけに、自分の居ない除霊には不安を感じてしまうようだった
さて横島達が去った美神事務所について少し説明すると、基本的には令子一人で依頼をこなしている
おキヌに関しては週末を中心に週に3件前後の除霊に参加しているが、全て令子と二人で行っている
二人で除霊する時は前衛の令子と後衛のおキヌに完全に分かれており、対象や相手にもよるが基本的に令子自身がおキヌを守っている形だった
先程も話したがおキヌの不安定な精神状態は令子が一番理解しており、安全には細心の注意を払っている
おキヌの除霊への参加ペースは横島が去る前からほとんど変わらないが、令子のおキヌへの配慮は格段に変わっていた
除霊難易度はもちろん細かくチェックするし、少しでも不審な依頼は外部の調査専門の霊能事務所に調査を頼むほどである
無論令子一人の依頼はそこまでしないが、おキヌに関しては神経質なほどの配慮をしていたのだ
今回の除霊実習に関して令子は、言葉にならない不安を抱えている
基本的に他人を信用しない令子にとって、現状のおキヌを他人に任せる事は不安以外の何者でもない
「気持ちは嬉しいんですが、除霊のアイテムは学校が指定した物なんですよ」
「それは知ってるわ。 ただ自分のアイテムを持って行ったらダメだとは言ってないでしょう? 中には専用アイテムが無ければ不安になる子も居るから持っていくだけなら問題ないわ」
ネクロマンサーの笛は持っていけないと考えていたおキヌに対して、令子は学院側の規則の隙を突いた答えを示す
これは元々六道女学院側も黙認している裏技である
集団除霊のため個人の霊能アイテムは使用を禁止しているが、持ち歩くなとは言われてない
集団での連携や効率の問題から個々にバラバラの戦い方をされたら困るというのが理由だが、持参に関しては特に言わないのだ
令子のように自身の切り札を持っていく生徒は、少ないながらも毎年居るのが現状である
「そうだったのか~」
話は戻って、令子が言ったことをおキヌから聞いた魔理は素直に驚いていた
そしてそれは教師の指示に従う事だけを考えていた、かおりに関しても同じである
常に臨機応変にいついかなる事態にも対処出来るような心構えと準備が必要だと言う、令子の考えに若い二人は驚くしか出来ない