初夏の訪れは女子高生と共に……
そして当日になり魔鈴と雪之丞は電車で現地に向かっていた
二人とも荷物は小さなバックに着替えが少しだけであり、一見すると恋人が旅行してるようにも見えなくない
まあ本人達には全くその気はないが
そんな二人が持参した霊能アイテムは文珠のみである
魔鈴が使う魔法のほうきは基本的に必要な時に召喚するだけだし、一般の霊能アイテムは六道女学院側で用意する事になっているのだ
まあ文珠にしても魔鈴はイヤリングやネックレスに付いている護身用にいつも持ってる物だし、雪之丞も万が一の為に普段から数個所持している物だった
「しかし、GSも面倒な仕事が多いんだな」
電車に揺られながら先程までは駅弁を食べていた雪之丞だが、食べる物が無くなると少しため息をはき愚痴をこぼす
一応納得して来たのだが、気が進まないのは変わらないらしい
「何の仕事でも大変ですよ。 まあGSは特に大変かもしれませんが……」
雪之丞の気持ちを察して少し苦笑いを浮かべる魔鈴だが、こればっかりは慣れてもらうしかない
何の仕事をして何処で働いても人付き合いは大切だし、まして命に関わる仕事であるGSなら尚更人付き合いが重要となる
雪之丞がGSを目指す以上、これも乗り越えるべき試練だろうと魔鈴は思う
「ああ、わかってるよ」
励ますような魔鈴の言葉に、雪之丞はわかってると告げて無言になる
不遇な人生を送ってきた雪之丞にとって、自分の今の環境がどれだけ恵まれているかはよく理解しているようだった
さてそんな二人が待ち合わせのホテルに到着すると、すでに六道女学院の生徒達が到着しており監督するGS達も半分くらいは到着しているようだった
その証拠にホテルの駐車場には大型バスに混じって高級外車がいくつか並んでいる
季節外れの海沿いのホテルに高級外車が複数並ぶなど、六道女学院の除霊関係以外では珍しいことだろう
「やあ、魔鈴君に雪之丞君。 早かったね。 六道さんは今は生徒への説明に行ってるよ。 あと2時間ほどしたら監督GS達の顔合わせをするから、それまではゆっくりしてくれ」
二人を出迎えたのは唐巣だった
どうやら冥菜に監督するGSのまとめ役にされたらしい
まあ個性が強い一流GS達をまとめるのは学院側の教師では少し心許ないし、実績や信頼から言って唐巣が適任なのだ
「わかりました。 私達は少し現地を見てきます」
用意された部屋へ荷物を置いた二人は、さっそく除霊を行う海岸へ向かう
二人とも資料を読んである程度状況は理解しているが、除霊前に現地を確かめるのはGSの基本と言ってもいいほど当然の行動である
「足元が砂なのは面倒だな」
海岸を歩き状況を確かめる雪之丞だが、思っていたほど簡単ではないと感じていた
足場が悪く砂浜は予想以上に広いのだ
本能しかない低級な悪霊や妖怪ばかりとはいえ、足場が不安定な中で戦うのは実戦経験の少ない生徒達には大変だろうと考える
「足りない経験は数の力とアイテムで補って来たのでしょうね」
資料によると霊能アイテムは学院側が全部用意する手筈になっていた
おそらく採算など考えずに物量で対処してきたのだろう
と言うかこの大規模除霊を採算ベースで行うのはかなり厳しいだろうと魔鈴は考える
二人とも荷物は小さなバックに着替えが少しだけであり、一見すると恋人が旅行してるようにも見えなくない
まあ本人達には全くその気はないが
そんな二人が持参した霊能アイテムは文珠のみである
魔鈴が使う魔法のほうきは基本的に必要な時に召喚するだけだし、一般の霊能アイテムは六道女学院側で用意する事になっているのだ
まあ文珠にしても魔鈴はイヤリングやネックレスに付いている護身用にいつも持ってる物だし、雪之丞も万が一の為に普段から数個所持している物だった
「しかし、GSも面倒な仕事が多いんだな」
電車に揺られながら先程までは駅弁を食べていた雪之丞だが、食べる物が無くなると少しため息をはき愚痴をこぼす
一応納得して来たのだが、気が進まないのは変わらないらしい
「何の仕事でも大変ですよ。 まあGSは特に大変かもしれませんが……」
雪之丞の気持ちを察して少し苦笑いを浮かべる魔鈴だが、こればっかりは慣れてもらうしかない
何の仕事をして何処で働いても人付き合いは大切だし、まして命に関わる仕事であるGSなら尚更人付き合いが重要となる
雪之丞がGSを目指す以上、これも乗り越えるべき試練だろうと魔鈴は思う
「ああ、わかってるよ」
励ますような魔鈴の言葉に、雪之丞はわかってると告げて無言になる
不遇な人生を送ってきた雪之丞にとって、自分の今の環境がどれだけ恵まれているかはよく理解しているようだった
さてそんな二人が待ち合わせのホテルに到着すると、すでに六道女学院の生徒達が到着しており監督するGS達も半分くらいは到着しているようだった
その証拠にホテルの駐車場には大型バスに混じって高級外車がいくつか並んでいる
季節外れの海沿いのホテルに高級外車が複数並ぶなど、六道女学院の除霊関係以外では珍しいことだろう
「やあ、魔鈴君に雪之丞君。 早かったね。 六道さんは今は生徒への説明に行ってるよ。 あと2時間ほどしたら監督GS達の顔合わせをするから、それまではゆっくりしてくれ」
二人を出迎えたのは唐巣だった
どうやら冥菜に監督するGSのまとめ役にされたらしい
まあ個性が強い一流GS達をまとめるのは学院側の教師では少し心許ないし、実績や信頼から言って唐巣が適任なのだ
「わかりました。 私達は少し現地を見てきます」
用意された部屋へ荷物を置いた二人は、さっそく除霊を行う海岸へ向かう
二人とも資料を読んである程度状況は理解しているが、除霊前に現地を確かめるのはGSの基本と言ってもいいほど当然の行動である
「足元が砂なのは面倒だな」
海岸を歩き状況を確かめる雪之丞だが、思っていたほど簡単ではないと感じていた
足場が悪く砂浜は予想以上に広いのだ
本能しかない低級な悪霊や妖怪ばかりとはいえ、足場が不安定な中で戦うのは実戦経験の少ない生徒達には大変だろうと考える
「足りない経験は数の力とアイテムで補って来たのでしょうね」
資料によると霊能アイテムは学院側が全部用意する手筈になっていた
おそらく採算など考えずに物量で対処してきたのだろう
と言うかこの大規模除霊を採算ベースで行うのはかなり厳しいだろうと魔鈴は考える