初夏の訪れは女子高生と共に……
そんな感じで特別講義は盛り上がって行くが、生徒の一人がある質問をすると魔鈴の表情に僅かな陰が見えた
その質問とはアシュタロス戦に関してである
質問した生徒は純粋な憧れとただの興味から聞いたのだが、魔鈴は言葉に詰まってしまう
【世界を滅そうとする魔王から世界を守ったGS達】
そんな一部の者に都合がいい勝手な英雄の一員にされる事は、魔鈴にとって嬉しい事ではない
「あの事件は私が軽々しく言える事件ではありません。 ただ敵味方問わず、あの戦いに参戦した者はみんな必死だった事は確かです」
魔鈴が言えるのはこれが精一杯だった
アシュタロス戦の真実は神魔の、いや世界の存在そのものに疑問を呈する戦いだったのだ
そして真実を明らかにすれば横島の平穏な生活が無くなり、ルシオラは勝手な英雄に祭り上げられるだろう
横島やルシオラやベスパやパピリオの気持ちを思うと、真実を明らかにする事は魔鈴には出来ない事である
そんな魔鈴の言葉に先程までの楽しい空気が一気に重くなって、生徒達は息を飲んだように静かになった
だが……、何処の世界にも居る空気が読めない人間の言葉により事態は急変する事になる
「そういえば、六道冥子さんもメンバーでしたよね? あの方は本当にアシュタロスと戦ったのですか?」
その疑問はアシュタロス戦後、六道女学院内には密かに広がっていた疑問だった
冥子のプッツンは六道女学院でも有名である
ロクに除霊も出来ないのに六道家の力でGSをしていると陰口を叩かれるのは、業界内では有名な陰口なのだ
アシュタロス戦に関しても、本当に参加したのか疑問の声が一部から上がる事は仕方のない事だろう
そんな質問に対して一部の生徒は、冥子を馬鹿にするようにクスクス笑っていた
「今、笑った人は誰ですか? 立って説明して下さい」
ニッコリと微笑む魔鈴だが、その言葉とオーラは先程までとまるで違う迫力を放っている
そんな魔鈴の言葉にわざわざ立ち上がる生徒は居ない
陰口で冥子を馬鹿にして笑う事はあっても、六道女学院で六道家に堂々とケンカを売る度胸のある者など居るはずがなかった
「何故立たないんですか? 自分の行動に責任も取れない者が他人を笑う資格などありませんよ」
いつの間にか場内は静まり返っている
優しく講義をして魔法も気軽に見せた魔鈴が、先程までとはまるで違った怒りの様子になった事に生徒達は冷や汗を流しながらも意味を理解出来ていなかった
「先程の質問についてですが、あの戦いに関しては私が知る限り冥子さんは立派に戦ってました。 冥子さんには欠点もあるようですが、それでもアシュタロスとの戦いには逃げずに立派に戦い抜きましたよ」
「あっ……ありがとうございます」
魔鈴の言葉に冥子の事を質問した生徒は、固まったままなんとか返事を返すのが精一杯である
そもそも何故魔鈴が怒りの様子なのか、場内の生徒達はやはり理解してない
一方魔鈴は、己の中に沸き上がる怒りと落胆を押さえながら出来るだけ冷静に答えていた
確かに冥子の除霊については問題点が多いのも知っている
しかし事アシュタロス戦に関しては、立派に戦っていたのは事実なのだ
ロクに実戦もしないような子供が馬鹿にしていいはずがない
その質問とはアシュタロス戦に関してである
質問した生徒は純粋な憧れとただの興味から聞いたのだが、魔鈴は言葉に詰まってしまう
【世界を滅そうとする魔王から世界を守ったGS達】
そんな一部の者に都合がいい勝手な英雄の一員にされる事は、魔鈴にとって嬉しい事ではない
「あの事件は私が軽々しく言える事件ではありません。 ただ敵味方問わず、あの戦いに参戦した者はみんな必死だった事は確かです」
魔鈴が言えるのはこれが精一杯だった
アシュタロス戦の真実は神魔の、いや世界の存在そのものに疑問を呈する戦いだったのだ
そして真実を明らかにすれば横島の平穏な生活が無くなり、ルシオラは勝手な英雄に祭り上げられるだろう
横島やルシオラやベスパやパピリオの気持ちを思うと、真実を明らかにする事は魔鈴には出来ない事である
そんな魔鈴の言葉に先程までの楽しい空気が一気に重くなって、生徒達は息を飲んだように静かになった
だが……、何処の世界にも居る空気が読めない人間の言葉により事態は急変する事になる
「そういえば、六道冥子さんもメンバーでしたよね? あの方は本当にアシュタロスと戦ったのですか?」
その疑問はアシュタロス戦後、六道女学院内には密かに広がっていた疑問だった
冥子のプッツンは六道女学院でも有名である
ロクに除霊も出来ないのに六道家の力でGSをしていると陰口を叩かれるのは、業界内では有名な陰口なのだ
アシュタロス戦に関しても、本当に参加したのか疑問の声が一部から上がる事は仕方のない事だろう
そんな質問に対して一部の生徒は、冥子を馬鹿にするようにクスクス笑っていた
「今、笑った人は誰ですか? 立って説明して下さい」
ニッコリと微笑む魔鈴だが、その言葉とオーラは先程までとまるで違う迫力を放っている
そんな魔鈴の言葉にわざわざ立ち上がる生徒は居ない
陰口で冥子を馬鹿にして笑う事はあっても、六道女学院で六道家に堂々とケンカを売る度胸のある者など居るはずがなかった
「何故立たないんですか? 自分の行動に責任も取れない者が他人を笑う資格などありませんよ」
いつの間にか場内は静まり返っている
優しく講義をして魔法も気軽に見せた魔鈴が、先程までとはまるで違った怒りの様子になった事に生徒達は冷や汗を流しながらも意味を理解出来ていなかった
「先程の質問についてですが、あの戦いに関しては私が知る限り冥子さんは立派に戦ってました。 冥子さんには欠点もあるようですが、それでもアシュタロスとの戦いには逃げずに立派に戦い抜きましたよ」
「あっ……ありがとうございます」
魔鈴の言葉に冥子の事を質問した生徒は、固まったままなんとか返事を返すのが精一杯である
そもそも何故魔鈴が怒りの様子なのか、場内の生徒達はやはり理解してない
一方魔鈴は、己の中に沸き上がる怒りと落胆を押さえながら出来るだけ冷静に答えていた
確かに冥子の除霊については問題点が多いのも知っている
しかし事アシュタロス戦に関しては、立派に戦っていたのは事実なのだ
ロクに実戦もしないような子供が馬鹿にしていいはずがない