白き狼と白き狐と横島
「料理や魔法は以前から素晴らしかったけど、全体的にちょっと冷たい感じがしたわ。 今の方がいいと思うわよ」
率直に感想を語る京子だが、これが比較的普通の意見だった
魔鈴とクロネコと使い魔で営業していた以前は、店全体に余裕がなく正直冷たい感じが否めない
珍しい魔法や魔法料理を目当てに来るならいいが、サービス業としてレストランを考えるなら不満を感じる客も居た事も事実である
現在は横島達が来た事により魔鈴がフロア全体に気を配る余裕が出来たし、何より明るく元気なシロの接客が評判が非常によかった
「ありがとうございます」
再びお礼を言う魔鈴だが、京子の顔に見覚えがある
客として来た時なのか別の時なのかわからないが、どこかで見たことある人物だと密かに考えていた
「忠夫君、明日は時間あるかしら?」
「えっ!?」
魔鈴が部屋を出た後、突然明日の予定を聞かれた横島は驚き意味がわからないといった表情になる
(なっ……、まさか逆ナン!?)
勘違いをして困った様子の横島に、京子はクスクスと笑みを浮かべて名刺を渡す
「弁護士!?」
その瞬間横島の顔色が悪くなる
あまり表沙汰に出来ない過去が結構あるだけに、表情が引き攣ってしまう
「百合子に忠夫君の弁護を頼まれたのよ。 オカルトGメンともめてるんでしょ?」
イマイチ察しが悪い横島に京子は単刀直入に今回の目的を話していく
「まさか美神さんが俺を訴えたんっすか!?」
京子の言葉に横島は、令子がセクハラでも訴えたのかと再び勘違いをしていた
「今現在、忠夫君が訴えられてはないわよ。 ただ過去や今後の対応も含めて、専門家が必要でしょう?」
「うーん、そうっすね…… でも俺には弁護士を雇うお金なんてないっすけど、おふくろが出すんすか?」
訴えられてないと言われてホッとする横島だが、京子が言う今後の対応は確かに必要だと思う
少なくとも魔鈴に迷惑はかけたくないし、令子や美智恵がどんな手段を使ってくるかもわからない
横島としても専門家の助けは喉から手が出るほど欲しいが、問題はやはりお金である
「そこは聞いてないからわからないけど、百合子がダメでも安くしたげるわよ」
「じゃあ、お願いします」
正直弁護費用が払えるかが心配な横島だが、先日の西条の件もあり弁護士の助けは欲しかった
令子の手段を選ばない恐ろしさを知るがゆえに、現在の令子の沈黙が怖かったのである
まあ令子の気持ちなど全く知らない横島の考え違いなのだが、横島の中には令子への不信や怒りと共に恐怖があるのも事実だった
「それじゃあ、明日事務所に来てちょうだい。 詳しく話を聞いて今後の方針を決めるわ」
一方京子にとって料金はどうでもよかった
元々気に入らない人の依頼は受けない代わりに、気に入った人にはかなり優遇するのだ
百合子と同じく政財界の一流どころと親交がある京子なだけに、お金に困るような事はないようである
「じゃあ、明日の午後に行きます」
具体的な話は明日する事を決めて、京子は百合子と共に帰っていく
横島はそんな京子を見送りつつ、今後の不安を再び感じていた
率直に感想を語る京子だが、これが比較的普通の意見だった
魔鈴とクロネコと使い魔で営業していた以前は、店全体に余裕がなく正直冷たい感じが否めない
珍しい魔法や魔法料理を目当てに来るならいいが、サービス業としてレストランを考えるなら不満を感じる客も居た事も事実である
現在は横島達が来た事により魔鈴がフロア全体に気を配る余裕が出来たし、何より明るく元気なシロの接客が評判が非常によかった
「ありがとうございます」
再びお礼を言う魔鈴だが、京子の顔に見覚えがある
客として来た時なのか別の時なのかわからないが、どこかで見たことある人物だと密かに考えていた
「忠夫君、明日は時間あるかしら?」
「えっ!?」
魔鈴が部屋を出た後、突然明日の予定を聞かれた横島は驚き意味がわからないといった表情になる
(なっ……、まさか逆ナン!?)
勘違いをして困った様子の横島に、京子はクスクスと笑みを浮かべて名刺を渡す
「弁護士!?」
その瞬間横島の顔色が悪くなる
あまり表沙汰に出来ない過去が結構あるだけに、表情が引き攣ってしまう
「百合子に忠夫君の弁護を頼まれたのよ。 オカルトGメンともめてるんでしょ?」
イマイチ察しが悪い横島に京子は単刀直入に今回の目的を話していく
「まさか美神さんが俺を訴えたんっすか!?」
京子の言葉に横島は、令子がセクハラでも訴えたのかと再び勘違いをしていた
「今現在、忠夫君が訴えられてはないわよ。 ただ過去や今後の対応も含めて、専門家が必要でしょう?」
「うーん、そうっすね…… でも俺には弁護士を雇うお金なんてないっすけど、おふくろが出すんすか?」
訴えられてないと言われてホッとする横島だが、京子が言う今後の対応は確かに必要だと思う
少なくとも魔鈴に迷惑はかけたくないし、令子や美智恵がどんな手段を使ってくるかもわからない
横島としても専門家の助けは喉から手が出るほど欲しいが、問題はやはりお金である
「そこは聞いてないからわからないけど、百合子がダメでも安くしたげるわよ」
「じゃあ、お願いします」
正直弁護費用が払えるかが心配な横島だが、先日の西条の件もあり弁護士の助けは欲しかった
令子の手段を選ばない恐ろしさを知るがゆえに、現在の令子の沈黙が怖かったのである
まあ令子の気持ちなど全く知らない横島の考え違いなのだが、横島の中には令子への不信や怒りと共に恐怖があるのも事実だった
「それじゃあ、明日事務所に来てちょうだい。 詳しく話を聞いて今後の方針を決めるわ」
一方京子にとって料金はどうでもよかった
元々気に入らない人の依頼は受けない代わりに、気に入った人にはかなり優遇するのだ
百合子と同じく政財界の一流どころと親交がある京子なだけに、お金に困るような事はないようである
「じゃあ、明日の午後に行きます」
具体的な話は明日する事を決めて、京子は百合子と共に帰っていく
横島はそんな京子を見送りつつ、今後の不安を再び感じていた