白き狼と白き狐と横島
(まあ、西条にどう思われても関係ないか。 ただ、タマモとシロの件は気をつけないとな。 いつ利用しようとするかわからないからな)
魔鈴達の心配をよそに、横島にとっては西条にキレてしまった件はどうでもいいことだった
今更西条にどう思われようが全く関係ないし気にもしない
そんな横島が気にしていたのは、西条のシロやタマモに対する扱いである
(ルシオラの時も、上手く戦力に使おうとした気がするんだよな)
横島の中で西条や美智恵を信頼する気持ちは全くない
その理由の一つとして、かつてアシュタロス戦においてのルシオラの扱いがある
あの時は表向き横島の保護下で暮らす事で納めた西条だが、横島はあれもルシオラとパピリオを人間側の戦力に組み込むための作戦だったのではと疑っているのだ
結果的に西条の言動により、ルシオラとパピリオは美神事務所に住む事になった
その事もベスパから令子を守るための西条の誘導だったのではと横島は疑っている
(人間を守りたいなら人間がやればいい。 絶対にあいつらを利用はさせない)
自分の考えが正しいのか横島にもわからないが、最悪の場合を考えて何があってもタマモとシロの力を貸すつもりはない
西条ならば二人が協力せざるおえなくなる状況を作れる可能性があるのを、横島は気付いていた
「洗い物しないとな……」
少し考え込んでいた横島だが、出前の皿洗いなどが残っている事を思い出して厨房に向かっていく
「バカ、戻れっ!」
「うわっ!?」
話を立ち聞きしていた雪之丞達は突然横島が裏に来た事に驚き自宅に戻ろうとするが、タイガーがつまずいて周りを巻き込んで転んでしまう
「お前ら、まさか聞いてたのか?」
突然の物音に横島が急いで裏にいくと、タマモ達などが揃って転んでいた
横島もタマモもシロも、互いに困ったような心配するような複雑な表情で見つめ合ってしまう
「本当はもう少し先に話すつもりだったんだけどな」
タマモとシロに聞かせたくない話まで話してしまった横島は、困ったように苦笑いしてつぶやく
「みんなで話しましょうか。 ちょうどいい機会かもしれません」
微妙な空気を変えたのは、西条の見送りから戻った魔鈴だった
遅かれ早かれタマモとシロにはしっかり話さなければダメな事なのだ
魔鈴としてはそろそろ話してもいい頃だと思う
「そうするしかないか……」
二人がもう少し大人になるまで楽に生きさせたかった横島は、残念そうにため息をはきながら転んだ者達を立たせていく
いずれ話すべき事だが、横島はまだ早いと考えていたのである
「私、邪魔みたいだから今日は帰るね」
「いや、お前らも居てくれ。 特に愛子、お前にも関係あるしな」
真剣な話に部外者は邪魔だろうからと帰ろうとする愛子を、横島は呼び止める
「えっ!? 私に関係あるの?」
先程の話には全く名前も出なかった愛子は、突然関係あると言われて驚き目を見開く
「ああ、お前にも関係あるんだ。 同じ妖怪だし、俺が知る中で一番人間と対等に共存してるのはお前だからな」
横島の唐突な話に愛子は驚きポカーンとした様子で聞いていた
魔鈴達の心配をよそに、横島にとっては西条にキレてしまった件はどうでもいいことだった
今更西条にどう思われようが全く関係ないし気にもしない
そんな横島が気にしていたのは、西条のシロやタマモに対する扱いである
(ルシオラの時も、上手く戦力に使おうとした気がするんだよな)
横島の中で西条や美智恵を信頼する気持ちは全くない
その理由の一つとして、かつてアシュタロス戦においてのルシオラの扱いがある
あの時は表向き横島の保護下で暮らす事で納めた西条だが、横島はあれもルシオラとパピリオを人間側の戦力に組み込むための作戦だったのではと疑っているのだ
結果的に西条の言動により、ルシオラとパピリオは美神事務所に住む事になった
その事もベスパから令子を守るための西条の誘導だったのではと横島は疑っている
(人間を守りたいなら人間がやればいい。 絶対にあいつらを利用はさせない)
自分の考えが正しいのか横島にもわからないが、最悪の場合を考えて何があってもタマモとシロの力を貸すつもりはない
西条ならば二人が協力せざるおえなくなる状況を作れる可能性があるのを、横島は気付いていた
「洗い物しないとな……」
少し考え込んでいた横島だが、出前の皿洗いなどが残っている事を思い出して厨房に向かっていく
「バカ、戻れっ!」
「うわっ!?」
話を立ち聞きしていた雪之丞達は突然横島が裏に来た事に驚き自宅に戻ろうとするが、タイガーがつまずいて周りを巻き込んで転んでしまう
「お前ら、まさか聞いてたのか?」
突然の物音に横島が急いで裏にいくと、タマモ達などが揃って転んでいた
横島もタマモもシロも、互いに困ったような心配するような複雑な表情で見つめ合ってしまう
「本当はもう少し先に話すつもりだったんだけどな」
タマモとシロに聞かせたくない話まで話してしまった横島は、困ったように苦笑いしてつぶやく
「みんなで話しましょうか。 ちょうどいい機会かもしれません」
微妙な空気を変えたのは、西条の見送りから戻った魔鈴だった
遅かれ早かれタマモとシロにはしっかり話さなければダメな事なのだ
魔鈴としてはそろそろ話してもいい頃だと思う
「そうするしかないか……」
二人がもう少し大人になるまで楽に生きさせたかった横島は、残念そうにため息をはきながら転んだ者達を立たせていく
いずれ話すべき事だが、横島はまだ早いと考えていたのである
「私、邪魔みたいだから今日は帰るね」
「いや、お前らも居てくれ。 特に愛子、お前にも関係あるしな」
真剣な話に部外者は邪魔だろうからと帰ろうとする愛子を、横島は呼び止める
「えっ!? 私に関係あるの?」
先程の話には全く名前も出なかった愛子は、突然関係あると言われて驚き目を見開く
「ああ、お前にも関係あるんだ。 同じ妖怪だし、俺が知る中で一番人間と対等に共存してるのはお前だからな」
横島の唐突な話に愛子は驚きポカーンとした様子で聞いていた