白き狼と白き狐と横島
西条としては誠意は見せてるつもりだし、二人の報酬などもGSに依頼する時と変わらない待遇を用意するつもりなのだ
一方的に利用するような言われ方は許せないようである
「お前はわかってないんだよ。 人間の問題は人間が解決すればいい。 妖怪であるあいつらに都合がいい時だけ頼るのは間違ってる」
西条の怒りの言葉を聞いても横島の態度や表情は全く変わらない
「君は何を言ってるんだ? この事件が解決しなければ、被害者はまだまだ増えるんだぞ! 多くの人を見殺しにすると言うのか!!」
「そんなに事件解決したきゃ、自分の命でも賭けて解決しろよ。 見ず知らずの人がどうなろうが俺には関係ない」
やはり横島の妖怪に対する価値観は、西条には伝わらないし理解出来ないようだ
元々西条個人としては妖怪を認めているし、差別や偏見も少ない人間だろう
妖怪の人格もある程度は尊重してるし、並の人間に比べれば遥かに妖怪に対する理解がある
しかし同時に人間の価値観である正義感や倫理感を、妖怪にも同じように求める癖があった
特に西条はイギリス留学の経験もあり、欧米文化の影響も強く受けている
同じ人間に対してでも自分達の価値観や正義感を押し付けるのが好きな欧米の迷惑な考え方を、西条自身も持っているのだ
「君と言う男は…… 二人を都合良く使おうなどと、僕は考えてないと言ってるだろう! 報酬も待遇も民間GSと変わらないつもりだ。 他に何が問題なんだ!!」
横島のあまりに身勝手に聞こえる言葉に苛立ちを増していく西条だが、シロとタマモの力はどうしても必要だった
今更横島の考えなどどうでもいいと自分に言い聞かせた西条は、二人の条件交渉に入ろうと考える
「やっぱわかってねえな。 お前がどうとかの問題じゃないんだ。 オカルトGメンの、いや人間社会全体の問題なんだ」
西条の視点はあくまで人間側であり、シロとタマモの将来や未来など考えてない
そんな西条に横島は密かに苛立ちを募らせていく
「仮に今回あいつらが事件を解決すれば、オカルトGメンや警察はこれからも解決出来ない事件のたびにあいつらに解決させようとするだろう。 それはいつまで続くんだ? 俺や魔鈴さんやお前が死んだ後もずっと続くんじゃないのか? お前はまだあいつらを個人として見てるからいいかもしれないが、お前が居なくなった後はどうなる?」
冷たく睨み続ける横島は、仕方なさそうに淡々と理由を述べていく
横島は西条を全く信じてないし嫌いだが、問題は西条ではないのだ
「横島君……」
いつまで続くのだと言う横島の言葉に、そんな事全く考えた事がない西条は驚き言葉に詰まってしまう
「あいつらはこれから千年や二千年を軽く越えて生きて行くんだ。 そんな未来で人間達は、あいつを本当に仲間のように一緒に生きてやれるのか? それに妖怪達は人間に味方したあいつらを仲間として認めてくれるのか?」
淡々と疑問をぶつける横島の言葉に、店内は静まり返っていた
西条だけでなく裏で聞いていた者達も、横島の言葉に驚き衝撃を受けている
「横島さん……」
そんな中でピートは一番衝撃を感じていたかもしれない
横島の疑問や問い掛けは、ピート自身が悩み苦しんで来た事と繋がっている
それを横島が同じように悩み考えていた現実に、信じられない思いだった
一方的に利用するような言われ方は許せないようである
「お前はわかってないんだよ。 人間の問題は人間が解決すればいい。 妖怪であるあいつらに都合がいい時だけ頼るのは間違ってる」
西条の怒りの言葉を聞いても横島の態度や表情は全く変わらない
「君は何を言ってるんだ? この事件が解決しなければ、被害者はまだまだ増えるんだぞ! 多くの人を見殺しにすると言うのか!!」
「そんなに事件解決したきゃ、自分の命でも賭けて解決しろよ。 見ず知らずの人がどうなろうが俺には関係ない」
やはり横島の妖怪に対する価値観は、西条には伝わらないし理解出来ないようだ
元々西条個人としては妖怪を認めているし、差別や偏見も少ない人間だろう
妖怪の人格もある程度は尊重してるし、並の人間に比べれば遥かに妖怪に対する理解がある
しかし同時に人間の価値観である正義感や倫理感を、妖怪にも同じように求める癖があった
特に西条はイギリス留学の経験もあり、欧米文化の影響も強く受けている
同じ人間に対してでも自分達の価値観や正義感を押し付けるのが好きな欧米の迷惑な考え方を、西条自身も持っているのだ
「君と言う男は…… 二人を都合良く使おうなどと、僕は考えてないと言ってるだろう! 報酬も待遇も民間GSと変わらないつもりだ。 他に何が問題なんだ!!」
横島のあまりに身勝手に聞こえる言葉に苛立ちを増していく西条だが、シロとタマモの力はどうしても必要だった
今更横島の考えなどどうでもいいと自分に言い聞かせた西条は、二人の条件交渉に入ろうと考える
「やっぱわかってねえな。 お前がどうとかの問題じゃないんだ。 オカルトGメンの、いや人間社会全体の問題なんだ」
西条の視点はあくまで人間側であり、シロとタマモの将来や未来など考えてない
そんな西条に横島は密かに苛立ちを募らせていく
「仮に今回あいつらが事件を解決すれば、オカルトGメンや警察はこれからも解決出来ない事件のたびにあいつらに解決させようとするだろう。 それはいつまで続くんだ? 俺や魔鈴さんやお前が死んだ後もずっと続くんじゃないのか? お前はまだあいつらを個人として見てるからいいかもしれないが、お前が居なくなった後はどうなる?」
冷たく睨み続ける横島は、仕方なさそうに淡々と理由を述べていく
横島は西条を全く信じてないし嫌いだが、問題は西条ではないのだ
「横島君……」
いつまで続くのだと言う横島の言葉に、そんな事全く考えた事がない西条は驚き言葉に詰まってしまう
「あいつらはこれから千年や二千年を軽く越えて生きて行くんだ。 そんな未来で人間達は、あいつを本当に仲間のように一緒に生きてやれるのか? それに妖怪達は人間に味方したあいつらを仲間として認めてくれるのか?」
淡々と疑問をぶつける横島の言葉に、店内は静まり返っていた
西条だけでなく裏で聞いていた者達も、横島の言葉に驚き衝撃を受けている
「横島さん……」
そんな中でピートは一番衝撃を感じていたかもしれない
横島の疑問や問い掛けは、ピート自身が悩み苦しんで来た事と繋がっている
それを横島が同じように悩み考えていた現実に、信じられない思いだった