白き狼と白き狐と横島
同じ日の朝、開店前の魔法料理魔鈴では料理の仕込みが行われていた
テレビや新聞では殺人事件が話題になってはいるが、人々の生活がそれほど変わる訳ではない
特に仕事や学校など日々の生活は待ってはくれないし、店の来店者も減る事はなかったのである
さて仕込みの内容だが、魔鈴・タマモと横島・シロの二組に分けていた
仕込みにはいろいろあるが、スピードと丁寧さを求められる作業と体力とパワーを求められる作業がある
魚や肉などの下処理は主に魔鈴とタマモが行っており、野菜の下処理やパンの生地をこねる作業などは横島とシロが行っていた
以前はパンなどは近くのパン屋に頼んでいたが、横島達が来てからは自分達でその日に焼いている
元々人手不足だったために一人で営業出来るように工夫をしていた魔鈴だが、横島達が来て以来いろいろこだわるようになっていた
「シロちゃんとタマモちゃんは、サンドイッチといなり寿司の方をお願いしますね」
材料の下準備が終わった頃、魔鈴と横島はスープやソースなどの時間のかかる料理の下拵えに入っていた
そしてシロとタマモは、サンドイッチといなり寿司の方に取り掛かる
これはパンと同様に最近試しに始めた、持ち帰り用のお弁当だった
お昼時は混雑する上、早く食べれる料理を好む客が多いのだ
そんな客用に、職場などに持ち帰って食べれるような簡単な弁当の販売を初めている
当初はサンドイッチのみの予定だったが、タマモのおやつ用に毎日作るいなり寿司もどうせ作るのだからと試しに販売していた
最近販売したばかりだが、この二つの売れ行きはかなりいい
今のところ昼食用に午前中のみ販売をしているが、レストランで食事をした人が家族などへのお土産として買ったり、おやつとして買う客も増えている
昼過ぎには品切れになるが、客からは午後も販売して欲しいとの要望が結構来ていた
「お肉~♪、お肉~♪」
タマモがいなり寿司用の油揚げを調理する中、シロは鼻唄混じりにサンドイッチ用のハムを切っていく
自分で食べる訳ではないが、やはり肉の調理はテンションが上がるようである
「シロ、つまみ食いはダメよ」
「タマモこそ、今油揚げを食べたではござらんか!」
魔鈴の隙を見てハムをつまみ食いしたシロをタマモは注意するが、実はタマモも油揚げを一つつまみ食いしていた
この二人は性格などは全く違うが、妙なところで合ってしまう
「私のは味見よ。 あ・じ・み!」
「拙者も味見でござる!」
「馬鹿ね~ いなり寿司の油揚げは味付けしてるけど、ハムは味付けしないでしょう?」
油揚げを煮込むタマモが味見と言うとシロも味見だと言うが、シロはハムを切ってるだけであり味見の必要がない
最もタマモも味見に油揚げ一枚は多いのだが、やはり口ではタマモが上手である
「お前ら、その辺にしとけよ。 売る分が無くなっちまうからな」
張り合い出して次々に味見をしそうな気配を悟った横島は、二人を止めに入っていた
本気でケンカはしないが、妙なところで張り合ってしまうのだ
タマモはからかってるだけかもしれないが、精神的に幼いシロはすぐにムキになってしまう
微笑ましい光景ではあるが、朝の忙しい時にされると若干困るようだった
テレビや新聞では殺人事件が話題になってはいるが、人々の生活がそれほど変わる訳ではない
特に仕事や学校など日々の生活は待ってはくれないし、店の来店者も減る事はなかったのである
さて仕込みの内容だが、魔鈴・タマモと横島・シロの二組に分けていた
仕込みにはいろいろあるが、スピードと丁寧さを求められる作業と体力とパワーを求められる作業がある
魚や肉などの下処理は主に魔鈴とタマモが行っており、野菜の下処理やパンの生地をこねる作業などは横島とシロが行っていた
以前はパンなどは近くのパン屋に頼んでいたが、横島達が来てからは自分達でその日に焼いている
元々人手不足だったために一人で営業出来るように工夫をしていた魔鈴だが、横島達が来て以来いろいろこだわるようになっていた
「シロちゃんとタマモちゃんは、サンドイッチといなり寿司の方をお願いしますね」
材料の下準備が終わった頃、魔鈴と横島はスープやソースなどの時間のかかる料理の下拵えに入っていた
そしてシロとタマモは、サンドイッチといなり寿司の方に取り掛かる
これはパンと同様に最近試しに始めた、持ち帰り用のお弁当だった
お昼時は混雑する上、早く食べれる料理を好む客が多いのだ
そんな客用に、職場などに持ち帰って食べれるような簡単な弁当の販売を初めている
当初はサンドイッチのみの予定だったが、タマモのおやつ用に毎日作るいなり寿司もどうせ作るのだからと試しに販売していた
最近販売したばかりだが、この二つの売れ行きはかなりいい
今のところ昼食用に午前中のみ販売をしているが、レストランで食事をした人が家族などへのお土産として買ったり、おやつとして買う客も増えている
昼過ぎには品切れになるが、客からは午後も販売して欲しいとの要望が結構来ていた
「お肉~♪、お肉~♪」
タマモがいなり寿司用の油揚げを調理する中、シロは鼻唄混じりにサンドイッチ用のハムを切っていく
自分で食べる訳ではないが、やはり肉の調理はテンションが上がるようである
「シロ、つまみ食いはダメよ」
「タマモこそ、今油揚げを食べたではござらんか!」
魔鈴の隙を見てハムをつまみ食いしたシロをタマモは注意するが、実はタマモも油揚げを一つつまみ食いしていた
この二人は性格などは全く違うが、妙なところで合ってしまう
「私のは味見よ。 あ・じ・み!」
「拙者も味見でござる!」
「馬鹿ね~ いなり寿司の油揚げは味付けしてるけど、ハムは味付けしないでしょう?」
油揚げを煮込むタマモが味見と言うとシロも味見だと言うが、シロはハムを切ってるだけであり味見の必要がない
最もタマモも味見に油揚げ一枚は多いのだが、やはり口ではタマモが上手である
「お前ら、その辺にしとけよ。 売る分が無くなっちまうからな」
張り合い出して次々に味見をしそうな気配を悟った横島は、二人を止めに入っていた
本気でケンカはしないが、妙なところで張り合ってしまうのだ
タマモはからかってるだけかもしれないが、精神的に幼いシロはすぐにムキになってしまう
微笑ましい光景ではあるが、朝の忙しい時にされると若干困るようだった