ただ今修行中!?
「全く、次から次へとよく来るわね~」
「美神さんとこは弟子入り志願者なんて来なかったから考えもしなかったけど、GS事務所ってこんな事よくあるのかな?」
厨房で雑用をしていたタマモと横島は、最近増えた弟子入り志願者について話していた
就職活動のようにスーツに履歴書持参で来る者もいるし、店の前で土下座で頼む者もいる
中には自分の実力を見てくれと言い、店の前に居座る者も居るのだ
一般社会での常識がある者はいいが、中には常識に欠けている者もちらほら来ている
まあオカルト業界の弟子入りは昔ながらに内弟子のような型もあり、長い年月を厳しい修行する事も少なくないので仕方ないのだろうが
レストランとしては迷惑な人も少なくなかった
「よくはないと思うわよ。 魔鈴さんの魔法が珍しいみたいだし、それに……」
普通はこんなに弟子入りは来ないと言ったタマモだが、途中で言葉に詰まってしまう
(弟子入りって実力じゃない人も数人居たのよね)
横島に言わない方がいいと思い言葉を飲み込むタマモだが、中には弟子入りと言うよりは魔鈴の技術を盗もうとしていたような者も居た事に気付いていた
特に危険な感じもしなかったために問題にしなかったが、オカルト関係者の産業スパイだと確信しているようだ
「タマモ……?」
「ううん、なんでもないわ。 珍しい魔法だから覚えたい人も多いんでしょ」
途中で言葉が途切れたタマモを横島は不思議そうに見つめるが、タマモは笑ってごまかす
危険がありそうなら別だが、タマモが感じた限りでは危険は無い
現状で弟子をとる気が無い以上、言う必要がない事だった
「本当に困りましたね。 除霊の仕事を増やすのも弟子をとるのもする気はないのですが……」
弟子入り志願者になんとか帰ってもらった魔鈴は厨房に戻ってくるが、対応に苦慮している
現状では横島達や雪之丞で精一杯だし、危険な仕事も受けれる実力は無いのだ
(先日エミさんにも言われましたが、仕事である以上受ける事は出来ないんですよね)
GS試験後にエミがタイガーや雪之丞に聞かせた話は、魔鈴にとっても考えさせられる話だった
魔女として人の役に立ちたいと願う気持ちは以前と変わらないが、魔鈴には守るべき存在がいる
そして以前なら信じていた自分の魔法技術も、戦闘になれば無力に近い
魔鈴は魔女としての理想と、人としての現実の狭間で悩んでいた
「あんまり考え過ぎない方がいいわよ。 言葉が悪いけど、魔鈴さんの変わりのGSなんて探せばいるでしょ」
少し悩む表情を見せた魔鈴に、タマモはあまり関心が無いように言い切る
「ええ、確かに私の技術は他には無いですが、GSとしてなら変わりは居ると思います」
「ならいいじゃない。 魔鈴さんが無理しても誰も喜ばないわ」
「……タマモちゃん、ありがとう」
悩みを見透かしたようなタマモの言葉に、魔鈴は心が軽くなる気がした
何かと自分で抱え込み過ぎる魔鈴だが、広い視野をもって考えれば魔鈴が仕事を受けなくても誰かが変わりをする
少し冷たいようだが、それが現実なのだ
(私は、魔女として失格なのかもしれませんね。 でも、横島さんやタマモちゃん達を悲しませる事だけはしたくない)
心配そうに見つめる横島や元気に接客しているシロ、それに無関心を装いつつ心配するタマモを見た魔鈴は、改めて何が大切か実感していた
「美神さんとこは弟子入り志願者なんて来なかったから考えもしなかったけど、GS事務所ってこんな事よくあるのかな?」
厨房で雑用をしていたタマモと横島は、最近増えた弟子入り志願者について話していた
就職活動のようにスーツに履歴書持参で来る者もいるし、店の前で土下座で頼む者もいる
中には自分の実力を見てくれと言い、店の前に居座る者も居るのだ
一般社会での常識がある者はいいが、中には常識に欠けている者もちらほら来ている
まあオカルト業界の弟子入りは昔ながらに内弟子のような型もあり、長い年月を厳しい修行する事も少なくないので仕方ないのだろうが
レストランとしては迷惑な人も少なくなかった
「よくはないと思うわよ。 魔鈴さんの魔法が珍しいみたいだし、それに……」
普通はこんなに弟子入りは来ないと言ったタマモだが、途中で言葉に詰まってしまう
(弟子入りって実力じゃない人も数人居たのよね)
横島に言わない方がいいと思い言葉を飲み込むタマモだが、中には弟子入りと言うよりは魔鈴の技術を盗もうとしていたような者も居た事に気付いていた
特に危険な感じもしなかったために問題にしなかったが、オカルト関係者の産業スパイだと確信しているようだ
「タマモ……?」
「ううん、なんでもないわ。 珍しい魔法だから覚えたい人も多いんでしょ」
途中で言葉が途切れたタマモを横島は不思議そうに見つめるが、タマモは笑ってごまかす
危険がありそうなら別だが、タマモが感じた限りでは危険は無い
現状で弟子をとる気が無い以上、言う必要がない事だった
「本当に困りましたね。 除霊の仕事を増やすのも弟子をとるのもする気はないのですが……」
弟子入り志願者になんとか帰ってもらった魔鈴は厨房に戻ってくるが、対応に苦慮している
現状では横島達や雪之丞で精一杯だし、危険な仕事も受けれる実力は無いのだ
(先日エミさんにも言われましたが、仕事である以上受ける事は出来ないんですよね)
GS試験後にエミがタイガーや雪之丞に聞かせた話は、魔鈴にとっても考えさせられる話だった
魔女として人の役に立ちたいと願う気持ちは以前と変わらないが、魔鈴には守るべき存在がいる
そして以前なら信じていた自分の魔法技術も、戦闘になれば無力に近い
魔鈴は魔女としての理想と、人としての現実の狭間で悩んでいた
「あんまり考え過ぎない方がいいわよ。 言葉が悪いけど、魔鈴さんの変わりのGSなんて探せばいるでしょ」
少し悩む表情を見せた魔鈴に、タマモはあまり関心が無いように言い切る
「ええ、確かに私の技術は他には無いですが、GSとしてなら変わりは居ると思います」
「ならいいじゃない。 魔鈴さんが無理しても誰も喜ばないわ」
「……タマモちゃん、ありがとう」
悩みを見透かしたようなタマモの言葉に、魔鈴は心が軽くなる気がした
何かと自分で抱え込み過ぎる魔鈴だが、広い視野をもって考えれば魔鈴が仕事を受けなくても誰かが変わりをする
少し冷たいようだが、それが現実なのだ
(私は、魔女として失格なのかもしれませんね。 でも、横島さんやタマモちゃん達を悲しませる事だけはしたくない)
心配そうに見つめる横島や元気に接客しているシロ、それに無関心を装いつつ心配するタマモを見た魔鈴は、改めて何が大切か実感していた