ただ今修行中!?
一方横島の給料と税金の問題を一応解決した百合子だが、彼女はその後も警戒を怠っていなかった
黒崎を経由して主に美智恵の動向には注意を払っていたのだが、予想以上に静かな結果が逆に不気味なくらいである
「オカルトGメンの立場が表向きはいいが、裏じゃ芳しくないようだな」
ここ数ヶ月の美智恵の動向の報告書を読む大樹は、思った以上に美智恵の周辺が危ういのに気付いていた
世界を守った英雄として評判を上げる分だけ嫉みや嫉妬を受けるのはある意味仕方ないのだが、真実を知る者を中心に美智恵に対する不満や不信が募っているのも事実だった
「この超常現象特別防衛部隊の構想の原因も彼女だしね」
大樹とは別の報告書を読む百合子は、現在政府が検討中の霊的防衛部隊の情報を見て考え込んでいる
ザンス過激派事件やアシュタロス関連の事件に加え、先の飛行機事件などの国家的事件を解決するために創設するとしているが
要はアシュタロス戦において美智恵が強行した、全権委任を二度と使わせないようにしようという狙いは明らかである
命令権も指揮権もないICPOに国家の危機を好き勝手にされるのでは自国の防衛が出来ないという事であり、要は美智恵の行動に足枷をはめたいのがみえみえであった
「GS協会も表向きはオカルトGメンとの協力関係を築いてるが、裏じゃ冷たいしな。 オカルトGメンが長期の人材派遣を頼んだが、志願者が居ないとの理由で断ってる。 実際志願者が居ないのかもしれんが、これ以上オカルトGメンの一人勝ちにはしなくないようだな」
何処の組織も表向きはオカルトGメンを評価しているが、内情は予想以上に冷たい
特にGS協会はアシュタロス戦の功績を半ば独り占めしたオカルトGメンを、よく思ってなかった
アシュタロス戦の真実を知れば当然かもしれないが、それでも潰されるどころか評判を上げてる美智恵には大樹も驚きをもって受け止めている
「ところで、このGS協会関連の報告書よく手に入ったわね。 そんなツテなかったでしょう?」
「それは六道家の関連企業からだよ。 今年度に入ってから一部で業務提携を結んだ。 先方が俺を指名して、この資料を渡して来たよ」
あまり関わりがなく手に入りにくいGS協会関連の報告書が予想以上に多い事に百合子は疑問を抱くが、それは六道家からのものだった
大樹の説明に百合子は露骨に嫌な表情になるが、仕方ないといった感じでもある
「あの人は相変わらずね……」
「六道家もお前と全面戦争なんてしたくないんだろ。 向こうは負ける事はなくても失うモノが多過ぎる。 それにアシュタロス戦後の忠夫への不手際の詫びでもあるようだしな」
ため息をはき冥菜を思い出す百合子に、大樹は理由を推測していく
美神親子との決別の件で六道家と対立してしまった百合子だが、その後も関係は微妙なままだった
冥菜としては百合子との関係悪化は避けたいという思惑もあり、村枝商事を通じて百合子に情報を流したようである
まあ百合子は六道家の敵になるつもりはないし、実際争えば六道家が勝つのだが危険な芽である事に変わりはない
今後に憂いを残さないためにも、早期に関係改善を望んだようである
黒崎を経由して主に美智恵の動向には注意を払っていたのだが、予想以上に静かな結果が逆に不気味なくらいである
「オカルトGメンの立場が表向きはいいが、裏じゃ芳しくないようだな」
ここ数ヶ月の美智恵の動向の報告書を読む大樹は、思った以上に美智恵の周辺が危ういのに気付いていた
世界を守った英雄として評判を上げる分だけ嫉みや嫉妬を受けるのはある意味仕方ないのだが、真実を知る者を中心に美智恵に対する不満や不信が募っているのも事実だった
「この超常現象特別防衛部隊の構想の原因も彼女だしね」
大樹とは別の報告書を読む百合子は、現在政府が検討中の霊的防衛部隊の情報を見て考え込んでいる
ザンス過激派事件やアシュタロス関連の事件に加え、先の飛行機事件などの国家的事件を解決するために創設するとしているが
要はアシュタロス戦において美智恵が強行した、全権委任を二度と使わせないようにしようという狙いは明らかである
命令権も指揮権もないICPOに国家の危機を好き勝手にされるのでは自国の防衛が出来ないという事であり、要は美智恵の行動に足枷をはめたいのがみえみえであった
「GS協会も表向きはオカルトGメンとの協力関係を築いてるが、裏じゃ冷たいしな。 オカルトGメンが長期の人材派遣を頼んだが、志願者が居ないとの理由で断ってる。 実際志願者が居ないのかもしれんが、これ以上オカルトGメンの一人勝ちにはしなくないようだな」
何処の組織も表向きはオカルトGメンを評価しているが、内情は予想以上に冷たい
特にGS協会はアシュタロス戦の功績を半ば独り占めしたオカルトGメンを、よく思ってなかった
アシュタロス戦の真実を知れば当然かもしれないが、それでも潰されるどころか評判を上げてる美智恵には大樹も驚きをもって受け止めている
「ところで、このGS協会関連の報告書よく手に入ったわね。 そんなツテなかったでしょう?」
「それは六道家の関連企業からだよ。 今年度に入ってから一部で業務提携を結んだ。 先方が俺を指名して、この資料を渡して来たよ」
あまり関わりがなく手に入りにくいGS協会関連の報告書が予想以上に多い事に百合子は疑問を抱くが、それは六道家からのものだった
大樹の説明に百合子は露骨に嫌な表情になるが、仕方ないといった感じでもある
「あの人は相変わらずね……」
「六道家もお前と全面戦争なんてしたくないんだろ。 向こうは負ける事はなくても失うモノが多過ぎる。 それにアシュタロス戦後の忠夫への不手際の詫びでもあるようだしな」
ため息をはき冥菜を思い出す百合子に、大樹は理由を推測していく
美神親子との決別の件で六道家と対立してしまった百合子だが、その後も関係は微妙なままだった
冥菜としては百合子との関係悪化は避けたいという思惑もあり、村枝商事を通じて百合子に情報を流したようである
まあ百合子は六道家の敵になるつもりはないし、実際争えば六道家が勝つのだが危険な芽である事に変わりはない
今後に憂いを残さないためにも、早期に関係改善を望んだようである