ただ今修行中!?
結局その日は何の進展もないまま研究を終えていた
この数ヶ月間ずっと時間を見つけては僅かな可能性に賭けて研究を続けているが、実際には研究にすら入れてない状態である
暗中模索とはよく言うが、まさしくその言葉がピッタリなほど具体的な方法がまるで見えてこない
(私には何もかも足りない…… 知識も技術も力も……)
ルシオラの復活が不可能に近い事など初めから理解していた魔鈴だが、それでも自分の無力さには怒りすら込み上げていた
焦ってはダメなのは理解しているが、それでも焦ってしまう
魔鈴の苦悩の日々はまだまだ続きそうである
「ねえ、シロ。 私達には何が出来るのかしら?」
同じ日の夜、自室のベッドに座ったタマモはふとつぶやくように語りかける
「魔鈴殿の事でござるか?」
「ええ、隠してるようだけどかなり悩んでるわ」
シロは唐突に話しかけたタマモの言葉の意味を理解していたようで、難しい表情で答える
気持ちを切り替えて横島やタマモやシロに心配かけないように気をつけてる魔鈴だったが、二人にはばれていたようだ
「悩みの理由はルシオラ殿の事でござろう? 拙者達には何も出来ないでござる」
魔鈴の悩む原因は二人には解っていた
横島やタマモ達には昔から行っている魔法の研究だと教えていたが、悩む様子がおかしいのを二人は気が付いている
シロは悔しそうに拳を握りしめるが、自分はいつもと同じように振る舞うしか出来ないと理解しているようだ
「欠けた魂の再生なんて現実的に不可能なのよ。 それこそアシュタロスが生きてれば可能だったかもしれないけどね」
皮肉めいた表情を浮かべたタマモは淡々と語るが、彼女もまた静かに拳を握りしめていた
はっきりしない前世の記憶を以前から必死に思い出そうとしていたタマモだが、本能的に前世の自分でも不可能だという事を悟っている
「アシュタロスに出来るなら、先生と魔鈴殿ならいつか……」
「そう信じたいわね」
横島と魔鈴を信じると言うシロを、タマモは少し羨ましそうに見つめていた
無論タマモも二人を信じているが、横島と魔鈴は全知全能ではない
人間の限界を超えるような難題に、二人の未来を心配している
「そういえば、先生は気付いてるのでござるか?」
言葉が途切れた時、今度はシロが疑問を投げかけた
一緒に住み始めて数ヶ月過ぎたが、相変わらず横島の考えはわからない
魔鈴の悩みに横島が気が付いているのか、シロには判断出来なかった
「さあ? それは私にもわからないわ。 横島の感性って普通じゃないから」
シロの疑問に少し考え込むタマモだが、お手上げといった表情を浮かべて笑ってしまう
「横島って私達妖怪より鋭い時もあれば、全く気が付かない時もあるわ。 正直一番わからない人間なのよ」
一緒に生活して知った事もたくさんあるが、横島の根本的な感性はタマモにもわからないままだった
「先生は嘘が付けないような顔をして、秘密を抱える事があるでござるからな~」
基本的に他人に嘘を付かないのは変わらない横島だが、心に秘めた事は案外言わないのを二人は理解している
他人を思いやるからこそ本心を隠すのだろうが、横島独特の感性も加わると人狼と妖狐の二人ですら何を考えてるか読めないのだ
「二人の関係が安定してるし当分は大丈夫でしょうけど、注意は必要ね。 私達に何が出来るかわからないけど、二人には不幸になって欲しくないから」
自分に言い聞かせるように語ったタマモに、シロは力強く頷いていた
この数ヶ月間ずっと時間を見つけては僅かな可能性に賭けて研究を続けているが、実際には研究にすら入れてない状態である
暗中模索とはよく言うが、まさしくその言葉がピッタリなほど具体的な方法がまるで見えてこない
(私には何もかも足りない…… 知識も技術も力も……)
ルシオラの復活が不可能に近い事など初めから理解していた魔鈴だが、それでも自分の無力さには怒りすら込み上げていた
焦ってはダメなのは理解しているが、それでも焦ってしまう
魔鈴の苦悩の日々はまだまだ続きそうである
「ねえ、シロ。 私達には何が出来るのかしら?」
同じ日の夜、自室のベッドに座ったタマモはふとつぶやくように語りかける
「魔鈴殿の事でござるか?」
「ええ、隠してるようだけどかなり悩んでるわ」
シロは唐突に話しかけたタマモの言葉の意味を理解していたようで、難しい表情で答える
気持ちを切り替えて横島やタマモやシロに心配かけないように気をつけてる魔鈴だったが、二人にはばれていたようだ
「悩みの理由はルシオラ殿の事でござろう? 拙者達には何も出来ないでござる」
魔鈴の悩む原因は二人には解っていた
横島やタマモ達には昔から行っている魔法の研究だと教えていたが、悩む様子がおかしいのを二人は気が付いている
シロは悔しそうに拳を握りしめるが、自分はいつもと同じように振る舞うしか出来ないと理解しているようだ
「欠けた魂の再生なんて現実的に不可能なのよ。 それこそアシュタロスが生きてれば可能だったかもしれないけどね」
皮肉めいた表情を浮かべたタマモは淡々と語るが、彼女もまた静かに拳を握りしめていた
はっきりしない前世の記憶を以前から必死に思い出そうとしていたタマモだが、本能的に前世の自分でも不可能だという事を悟っている
「アシュタロスに出来るなら、先生と魔鈴殿ならいつか……」
「そう信じたいわね」
横島と魔鈴を信じると言うシロを、タマモは少し羨ましそうに見つめていた
無論タマモも二人を信じているが、横島と魔鈴は全知全能ではない
人間の限界を超えるような難題に、二人の未来を心配している
「そういえば、先生は気付いてるのでござるか?」
言葉が途切れた時、今度はシロが疑問を投げかけた
一緒に住み始めて数ヶ月過ぎたが、相変わらず横島の考えはわからない
魔鈴の悩みに横島が気が付いているのか、シロには判断出来なかった
「さあ? それは私にもわからないわ。 横島の感性って普通じゃないから」
シロの疑問に少し考え込むタマモだが、お手上げといった表情を浮かべて笑ってしまう
「横島って私達妖怪より鋭い時もあれば、全く気が付かない時もあるわ。 正直一番わからない人間なのよ」
一緒に生活して知った事もたくさんあるが、横島の根本的な感性はタマモにもわからないままだった
「先生は嘘が付けないような顔をして、秘密を抱える事があるでござるからな~」
基本的に他人に嘘を付かないのは変わらない横島だが、心に秘めた事は案外言わないのを二人は理解している
他人を思いやるからこそ本心を隠すのだろうが、横島独特の感性も加わると人狼と妖狐の二人ですら何を考えてるか読めないのだ
「二人の関係が安定してるし当分は大丈夫でしょうけど、注意は必要ね。 私達に何が出来るかわからないけど、二人には不幸になって欲しくないから」
自分に言い聞かせるように語ったタマモに、シロは力強く頷いていた