ただ今修行中!?
その後百合子は税理士と話し合い、当初の予定通り問題を進めていく事を決めていた
予想外に手に入れた横島の給料は、当分秘密にして百合子が管理するつもりのようである
(まともな金銭感覚を身につけるまでは、渡さない方がいいわね)
イマイチ息子の金銭感覚を信用してない百合子は、お金の大切さと世間の厳しさなどを実感するまで横島にお金を渡すのは危険だと思う
昔のように色香や女に騙される可能性は減ったかもしれないが、変にお人よしなところは変わってない
数年くらいは借金があると思い込ませて苦労をさせた方が、横島の将来にいいと思っていた
結局横島は、教育の名目で百合子に振り回される事になる
そしてこの時の百合子の行動が後々まで横島と百合子に微妙な距離を作るきっかけとなるのだが、百合子は気付かぬままだった
親にとってはいつまでも子供は子供のままだと言うが、それは百合子でも変わらないようである
最もこのような強引な手法が横島に合わない事に気付かない辺り、やはり百合子は教育者には向かないと言うことだろう
一方百合子の去った美神事務所では、令子が静かに空を見上げていた
「これで、全部終わったわね」
その表情は親を待つ子供のように幼く寂しげである
令子が思い出していたのは、かつて百合子が来日した時の事だった
(今度は勝つつもりだったんだけどね)
散々振り回されて全く主導権が握れなかった百合子とのやり取りが、今は本当に懐かしく感じる
令子があそこまでやられたのは、美智恵以外では初めてだった
短い期間ではあったが、何か感じるモノが確かにあったのだ
(どこで間違ったのかな……)
ふと頭に浮かんだその言葉を、令子は必死に頭から消し去る
自分は美神令子だ
たかがバイトの一人や二人辞めようが、全く関係無い
そんな言葉で先程の言葉を埋めつくす
この時の令子の頭にあるのは、横島との最後の係わりが終わった寂しさだけだった
あれだけこだわっていたお金の問題も、今の令子にはどうでもいい事である
そんな令子だが、おキヌが帰宅した時にはいつもの令子に戻ってしまう
そして百合子が来た事も横島のお金を渡した事も、令子は誰にも言う事はなかった
同じ頃、魔鈴宅では横島が落ち込んだ様子でうなだれている
突然数千万の借金持ちになるという現実に、横島は言いようの無い悔しさでいっぱいだった
(くっそ…… 美神さんが辞めた俺の税金払う訳無いしな)
お金に汚い令子が、他人の税金を払うはずがないと横島は確信する
仮に交渉するにしても、お金の問題で令子に勝てる自信などまるでないのだ
(いつものように俺が馬鹿をみるのか……)
最終的に自己責任だと言われれば言い返せない横島は、まさか令子がすんなりお金を渡したとは思ってもない
結局、不満や憤りを仕方ないと諦めるしかなかった
今回の問題は百合子が横島を立派な社会人として教育しようとした行動だが、結果的には横島の自己不信と人間不信を溜め込む一因となってしまっていた
予想外に手に入れた横島の給料は、当分秘密にして百合子が管理するつもりのようである
(まともな金銭感覚を身につけるまでは、渡さない方がいいわね)
イマイチ息子の金銭感覚を信用してない百合子は、お金の大切さと世間の厳しさなどを実感するまで横島にお金を渡すのは危険だと思う
昔のように色香や女に騙される可能性は減ったかもしれないが、変にお人よしなところは変わってない
数年くらいは借金があると思い込ませて苦労をさせた方が、横島の将来にいいと思っていた
結局横島は、教育の名目で百合子に振り回される事になる
そしてこの時の百合子の行動が後々まで横島と百合子に微妙な距離を作るきっかけとなるのだが、百合子は気付かぬままだった
親にとってはいつまでも子供は子供のままだと言うが、それは百合子でも変わらないようである
最もこのような強引な手法が横島に合わない事に気付かない辺り、やはり百合子は教育者には向かないと言うことだろう
一方百合子の去った美神事務所では、令子が静かに空を見上げていた
「これで、全部終わったわね」
その表情は親を待つ子供のように幼く寂しげである
令子が思い出していたのは、かつて百合子が来日した時の事だった
(今度は勝つつもりだったんだけどね)
散々振り回されて全く主導権が握れなかった百合子とのやり取りが、今は本当に懐かしく感じる
令子があそこまでやられたのは、美智恵以外では初めてだった
短い期間ではあったが、何か感じるモノが確かにあったのだ
(どこで間違ったのかな……)
ふと頭に浮かんだその言葉を、令子は必死に頭から消し去る
自分は美神令子だ
たかがバイトの一人や二人辞めようが、全く関係無い
そんな言葉で先程の言葉を埋めつくす
この時の令子の頭にあるのは、横島との最後の係わりが終わった寂しさだけだった
あれだけこだわっていたお金の問題も、今の令子にはどうでもいい事である
そんな令子だが、おキヌが帰宅した時にはいつもの令子に戻ってしまう
そして百合子が来た事も横島のお金を渡した事も、令子は誰にも言う事はなかった
同じ頃、魔鈴宅では横島が落ち込んだ様子でうなだれている
突然数千万の借金持ちになるという現実に、横島は言いようの無い悔しさでいっぱいだった
(くっそ…… 美神さんが辞めた俺の税金払う訳無いしな)
お金に汚い令子が、他人の税金を払うはずがないと横島は確信する
仮に交渉するにしても、お金の問題で令子に勝てる自信などまるでないのだ
(いつものように俺が馬鹿をみるのか……)
最終的に自己責任だと言われれば言い返せない横島は、まさか令子がすんなりお金を渡したとは思ってもない
結局、不満や憤りを仕方ないと諦めるしかなかった
今回の問題は百合子が横島を立派な社会人として教育しようとした行動だが、結果的には横島の自己不信と人間不信を溜め込む一因となってしまっていた