ただ今修行中!?
後日、百合子は密かに税理士と共に美神事務所を訪れていた
横島には関わらないと言った百合子だが、美神家との最後の関わりであるこの問題だけは密かに決着をつけるつもりである
無論争うつもりなど無く、最悪の場合は今後横島の名前を使わせない事で決着をつけようと考えていた
「久しぶりですね。 美神さん」
事務所を訪れた百合子は、以前と変わらぬ笑顔で令子に頭を下げる
「横島さん……」
一方突然訪れた百合子の存在に、令子は驚き表情を強張らせてしまう
一見以前と変わら笑顔と態度ではあるが、その笑顔と態度が逆に恐ろしく感じている
あの時の令子ですら振り回され勝てなかった百合子に、今の令子が勝てるはずはなかった
「ご用件はなんでしょうか?」
あくまで元バイトの母親として対応する令子
最早関係無い人であり、通常のお客と同じ対応である
「忠夫の税金に関してと言えば、お分かり頂けると思いますが?」
あくまでも笑顔を崩さない百合子は淡々と語る
もしこの場に以前の百合子と令子の関係を知ってるおキヌが居れば、その変わりように驚き言葉もでないだろう
一見普通に会話する二人だが、その空気は全く違っているのだから
(さて、どう出るかしら?)
百合子は笑顔で令子の出方を伺いつつ、内心複雑な気分だった
以前ここに来た時に、何故自分はもっとよく調べなかったのか
あの時自分がしっかりしていれば、悲劇は防げたかもしれないのだから……
「いつか来るような気がしてました」
令子は無表情で一言つぶやくと、デスクから書類の入った封筒を取り出して百合子に渡す
「これは……」
その書類と一緒に入っている通帳に、百合子は思わず驚いてしまう
入っているのはかつて百合子が調べた横島の偽の給料明細と、本来横島に支払われるはずだった給料やアシュタロス戦の報奨金などが入った通帳だった
「私が譲歩出来るのはここまでです」
無表情で語る令子だが、その表情は悲痛なようにも見える
「美神さん、あなた……」
ハッとする百合子は気が付いていた
(やはり忠夫の事を……)
あまりに不器用で下手な令子の愛し方に、百合子は思わず怒りを忘れてしまいそうになる
そう、令子も百合子と同じく横島の税金関連の準備をしていたのだ
もし百合子が訪れなければ令子がどう出たかはわからないが、最終的に横島の手にこの書類と通帳が渡るように準備していたのは明らかだった
その後、お互いに無言のまま百合子は美神事務所を後にした
滞在時間は僅か5分
さすがの百合子もこんな結果になるとは思いもしなかった
(母親とは違うのね……)
事前の情報ではかなり危険な人間で横島が都合良くに使われていた事から、令子がもっと汚い人間だと百合子は思っていた
まあ実際にいろいろ問題はありそうではあるが、令子の横島に対する気持ちだけは純粋だったのだと気が付く
(あの母親の子供として産まれて来た事だけは、同情するわね)
人の愛し方も知らない令子に、百合子は美智恵の教育が間違いなのだと思う
横島への態度や行動を許すつもりはないが、そこだけは哀れだった
横島には関わらないと言った百合子だが、美神家との最後の関わりであるこの問題だけは密かに決着をつけるつもりである
無論争うつもりなど無く、最悪の場合は今後横島の名前を使わせない事で決着をつけようと考えていた
「久しぶりですね。 美神さん」
事務所を訪れた百合子は、以前と変わらぬ笑顔で令子に頭を下げる
「横島さん……」
一方突然訪れた百合子の存在に、令子は驚き表情を強張らせてしまう
一見以前と変わら笑顔と態度ではあるが、その笑顔と態度が逆に恐ろしく感じている
あの時の令子ですら振り回され勝てなかった百合子に、今の令子が勝てるはずはなかった
「ご用件はなんでしょうか?」
あくまで元バイトの母親として対応する令子
最早関係無い人であり、通常のお客と同じ対応である
「忠夫の税金に関してと言えば、お分かり頂けると思いますが?」
あくまでも笑顔を崩さない百合子は淡々と語る
もしこの場に以前の百合子と令子の関係を知ってるおキヌが居れば、その変わりように驚き言葉もでないだろう
一見普通に会話する二人だが、その空気は全く違っているのだから
(さて、どう出るかしら?)
百合子は笑顔で令子の出方を伺いつつ、内心複雑な気分だった
以前ここに来た時に、何故自分はもっとよく調べなかったのか
あの時自分がしっかりしていれば、悲劇は防げたかもしれないのだから……
「いつか来るような気がしてました」
令子は無表情で一言つぶやくと、デスクから書類の入った封筒を取り出して百合子に渡す
「これは……」
その書類と一緒に入っている通帳に、百合子は思わず驚いてしまう
入っているのはかつて百合子が調べた横島の偽の給料明細と、本来横島に支払われるはずだった給料やアシュタロス戦の報奨金などが入った通帳だった
「私が譲歩出来るのはここまでです」
無表情で語る令子だが、その表情は悲痛なようにも見える
「美神さん、あなた……」
ハッとする百合子は気が付いていた
(やはり忠夫の事を……)
あまりに不器用で下手な令子の愛し方に、百合子は思わず怒りを忘れてしまいそうになる
そう、令子も百合子と同じく横島の税金関連の準備をしていたのだ
もし百合子が訪れなければ令子がどう出たかはわからないが、最終的に横島の手にこの書類と通帳が渡るように準備していたのは明らかだった
その後、お互いに無言のまま百合子は美神事務所を後にした
滞在時間は僅か5分
さすがの百合子もこんな結果になるとは思いもしなかった
(母親とは違うのね……)
事前の情報ではかなり危険な人間で横島が都合良くに使われていた事から、令子がもっと汚い人間だと百合子は思っていた
まあ実際にいろいろ問題はありそうではあるが、令子の横島に対する気持ちだけは純粋だったのだと気が付く
(あの母親の子供として産まれて来た事だけは、同情するわね)
人の愛し方も知らない令子に、百合子は美智恵の教育が間違いなのだと思う
横島への態度や行動を許すつもりはないが、そこだけは哀れだった