GS試験再び……
一方試験場では、タイガーのドクターストップが宣告されていた
観客の反応は様々だが、最早タイガーを馬鹿にするような者はいなかった
最後まで不器用さは目立っていたが、それでもタイガーが並の受験者より優秀なのは変わらない
現状の実力よりは将来性を重要視するGS試験において、タイガーのテレパスと戦いは観客や業界関係者から一定の評価を受けている
しかし残念な事に、当の本人であるタイガーは医務室に居て観客の反応を知らない
相変わらず間の悪い男である
「タイガー! 大丈夫かっ!!」
ところ変わって、医務室をヒーリングを受けていたタイガーの元に慌ててやって来たのは魔理だった
会場に発表されたドクターストップの言葉に慌てた魔理は、何かを考える前に医務室に走っていたのだ
「まっ……魔理さん!?」
慌てた様子で息を切らす魔理が突然現れ、タイガーは信じられないように驚く
プレッシャーや緊張から厄珍の解説すら聞いていなかったタイガーは、最後まで魔理が居た事を気付かなかったらしい
最も、観客は超満員で立見も居るほど混雑している
わざわさ探さなければ気が付かないほどの混雑ではあるのだが……
「ハア……ハア…… なんだ、大丈夫そうじゃねえか」
ヒーリングは受けているがベッドではなく普通に椅子に座ってるタイガーは、それほど重症には見えない
魔理は自分がドクターストップに勘違いしたと気付いて、安堵感と恥ずかしさの両方であった
「友達かね? 多少のケガはあるが、本人は元気そのものだよ。 今年から安全基準が厳しくなったからドクターストップになっただけだ」
ヒーリングをしていた中年の霊能者は魔理に簡単に説明をして、他の人の治療に向かう
二人に気を利かせたのもあるだろうが、タイガーのケガはいつも除霊中にケガするよりは軽いものであり、はっきり言うとヒーリングもあまり必要無いレベルだったのだ
そして突然思わぬ型で二人になったタイガーと魔理は、互いに少し気まずそうに笑みを浮かべている
タイガーは予想外に魔理と会って何と話していいかわからないし、魔理は勢いで来た為に何を言うかなど全く考えて無かったようである
二人はそのまま無言で医務室を後にして、休憩所でソファーに腰掛けていた
「タイガー、おめでとう」
沈黙を破ったのは魔理である
僅かな期間にいろいろあって霊能に関わる事全てが嫌になりかけてた魔理は、この日久しぶりに素直に霊能関係で喜べていた
未だに気持ちの整理など出来ないし、何がどうなってるのかも理解出来ないままだが
ただひたむきに頑張るタイガーの姿と、見事にGS免許を取得した事は素直に嬉しかったようである
「ありがとうですケン。 魔理さん」
そのただ一言の言葉が、タイガーにとっては何よりも嬉しかった
相変わらずギクシャクとした感じは残ってはいるが、タイガーはその一言で今まで抱えていた苦悩が和らいだ気がする
「今度、お祝いしないとな」
笑顔でタイガーに言葉をかけた魔理は、抜け出して来た六道女学院の席に戻っていく
僅か十数分の出来事だったが、タイガーの表情はようやく落ち着いた様子に変化していた
観客の反応は様々だが、最早タイガーを馬鹿にするような者はいなかった
最後まで不器用さは目立っていたが、それでもタイガーが並の受験者より優秀なのは変わらない
現状の実力よりは将来性を重要視するGS試験において、タイガーのテレパスと戦いは観客や業界関係者から一定の評価を受けている
しかし残念な事に、当の本人であるタイガーは医務室に居て観客の反応を知らない
相変わらず間の悪い男である
「タイガー! 大丈夫かっ!!」
ところ変わって、医務室をヒーリングを受けていたタイガーの元に慌ててやって来たのは魔理だった
会場に発表されたドクターストップの言葉に慌てた魔理は、何かを考える前に医務室に走っていたのだ
「まっ……魔理さん!?」
慌てた様子で息を切らす魔理が突然現れ、タイガーは信じられないように驚く
プレッシャーや緊張から厄珍の解説すら聞いていなかったタイガーは、最後まで魔理が居た事を気付かなかったらしい
最も、観客は超満員で立見も居るほど混雑している
わざわさ探さなければ気が付かないほどの混雑ではあるのだが……
「ハア……ハア…… なんだ、大丈夫そうじゃねえか」
ヒーリングは受けているがベッドではなく普通に椅子に座ってるタイガーは、それほど重症には見えない
魔理は自分がドクターストップに勘違いしたと気付いて、安堵感と恥ずかしさの両方であった
「友達かね? 多少のケガはあるが、本人は元気そのものだよ。 今年から安全基準が厳しくなったからドクターストップになっただけだ」
ヒーリングをしていた中年の霊能者は魔理に簡単に説明をして、他の人の治療に向かう
二人に気を利かせたのもあるだろうが、タイガーのケガはいつも除霊中にケガするよりは軽いものであり、はっきり言うとヒーリングもあまり必要無いレベルだったのだ
そして突然思わぬ型で二人になったタイガーと魔理は、互いに少し気まずそうに笑みを浮かべている
タイガーは予想外に魔理と会って何と話していいかわからないし、魔理は勢いで来た為に何を言うかなど全く考えて無かったようである
二人はそのまま無言で医務室を後にして、休憩所でソファーに腰掛けていた
「タイガー、おめでとう」
沈黙を破ったのは魔理である
僅かな期間にいろいろあって霊能に関わる事全てが嫌になりかけてた魔理は、この日久しぶりに素直に霊能関係で喜べていた
未だに気持ちの整理など出来ないし、何がどうなってるのかも理解出来ないままだが
ただひたむきに頑張るタイガーの姿と、見事にGS免許を取得した事は素直に嬉しかったようである
「ありがとうですケン。 魔理さん」
そのただ一言の言葉が、タイガーにとっては何よりも嬉しかった
相変わらずギクシャクとした感じは残ってはいるが、タイガーはその一言で今まで抱えていた苦悩が和らいだ気がする
「今度、お祝いしないとな」
笑顔でタイガーに言葉をかけた魔理は、抜け出して来た六道女学院の席に戻っていく
僅か十数分の出来事だったが、タイガーの表情はようやく落ち着いた様子に変化していた