GS試験再び……
同じ頃六道女学院の席に座っていた魔理は、手に汗を握りタイガーを見ている
何故話してくれなかったのかは気になるのだが、それでもタイガーを応援する気持ちは変わらない
多くのクラスメートが居るために声を上げて応援は出来なかったが、まるで自分の事のように気合いを入れてタイガーの試合を見ている
一方雪之丞の試合を無言で見ていたかおりは、心ここにあらずといった感じで虚ろな表情であった
それだけ久しぶりに見た雪之丞の実力に、ショックを感じていたのである
同じくらいの年の雪之丞とかおりは、恋人であったのと同時に霊能者としてはライバルでもあった
以前から雪之丞の方が実力が上なのは理解していたが、その差がさらに大きく開いた事にはショック以外のなにものでもない
(私も努力を重ねて来たのに、これほど実力に差がつくなんて……)
六道女学院と言う霊能のエリート教育を受けて、家では父親の元で修行を続けていたかおりにはそれなりに自信があった
雪之丞が常に実戦で経験を積んでいる事は理解してるが、それ以上に努力をしてきたつもりなのだ
実際に戦闘では雪之丞が圧倒的に有利だろうが、知識や技術の総合面ではかおりが有利だろう
しかし若く社会経験も無いかおりにはそれがわからない
GSは実力の世界であり、力こそが一番必要だと言う考えしか頭に無いのだ
そんなかおりにとって雪之丞との実力差は、今まで以上に雪之丞を遠く感じる原因になっている
(それに以前の事件って何? なんで雪之丞は私に何も言ってくれないの?)
実力の差に加えて先程の厄珍の解説もまた、かおりはショックだった
以前から自分の事はあまり語らない雪之丞には、少なからず不満が溜まっていたのだ
結局かおりは、何もわからぬまま悩みだけが増えていく
「試合開始!」
一方、試合場ではタイガーの試合が始まっていた
「貴様など10%の力で十分だ。 俺は本当は実力を隠してたんだからな!」
全霊力を放出してタイガーを威嚇する蛮玄人
先程の厄珍の解説は嘘であり本当は実力があると言いたいのだろうが、嘘がまるわかりだった
「これで10%……」
いや、会場内で一人だけ騙されている者がいた
それはもちろん、厄珍の解説を聞いてなかったタイガーである
ゴツい体と全霊力で威嚇する蛮玄人の作戦に見事引っ掛かっていた
「クククッ、いくぞ!!」
タイガーがうろたえている事で調子に乗った蛮玄人は、そのままタイガーに殴りかかっていく
バキ!バキ!
まるで素人のケンカのように殴るだけの蛮玄人だが、タイガーは一応防御したまま殴られている
試合は一方的に蛮玄人が有利に始まっていた
「あの馬鹿……」
自分の試合が終わってタイガーの試合を見ていた雪之丞は、あまりに情けない始まりに言葉もでない
同じく観客席の横島達も、あまりに情けない始まりに呆れ気味で見ている
「初戦の相手に恵まれたわね」
「あら、わかるの?」
一方的に殴られてるタイガーを見て恵まれてると言ったタマモに、エミは少し驚いたようであった
「ええ、タイガーの実力はわかってるもの」
意味深な笑みを浮かべるタマモとエミの二人だけは、この戦いの結末が見えてるようだ
何故話してくれなかったのかは気になるのだが、それでもタイガーを応援する気持ちは変わらない
多くのクラスメートが居るために声を上げて応援は出来なかったが、まるで自分の事のように気合いを入れてタイガーの試合を見ている
一方雪之丞の試合を無言で見ていたかおりは、心ここにあらずといった感じで虚ろな表情であった
それだけ久しぶりに見た雪之丞の実力に、ショックを感じていたのである
同じくらいの年の雪之丞とかおりは、恋人であったのと同時に霊能者としてはライバルでもあった
以前から雪之丞の方が実力が上なのは理解していたが、その差がさらに大きく開いた事にはショック以外のなにものでもない
(私も努力を重ねて来たのに、これほど実力に差がつくなんて……)
六道女学院と言う霊能のエリート教育を受けて、家では父親の元で修行を続けていたかおりにはそれなりに自信があった
雪之丞が常に実戦で経験を積んでいる事は理解してるが、それ以上に努力をしてきたつもりなのだ
実際に戦闘では雪之丞が圧倒的に有利だろうが、知識や技術の総合面ではかおりが有利だろう
しかし若く社会経験も無いかおりにはそれがわからない
GSは実力の世界であり、力こそが一番必要だと言う考えしか頭に無いのだ
そんなかおりにとって雪之丞との実力差は、今まで以上に雪之丞を遠く感じる原因になっている
(それに以前の事件って何? なんで雪之丞は私に何も言ってくれないの?)
実力の差に加えて先程の厄珍の解説もまた、かおりはショックだった
以前から自分の事はあまり語らない雪之丞には、少なからず不満が溜まっていたのだ
結局かおりは、何もわからぬまま悩みだけが増えていく
「試合開始!」
一方、試合場ではタイガーの試合が始まっていた
「貴様など10%の力で十分だ。 俺は本当は実力を隠してたんだからな!」
全霊力を放出してタイガーを威嚇する蛮玄人
先程の厄珍の解説は嘘であり本当は実力があると言いたいのだろうが、嘘がまるわかりだった
「これで10%……」
いや、会場内で一人だけ騙されている者がいた
それはもちろん、厄珍の解説を聞いてなかったタイガーである
ゴツい体と全霊力で威嚇する蛮玄人の作戦に見事引っ掛かっていた
「クククッ、いくぞ!!」
タイガーがうろたえている事で調子に乗った蛮玄人は、そのままタイガーに殴りかかっていく
バキ!バキ!
まるで素人のケンカのように殴るだけの蛮玄人だが、タイガーは一応防御したまま殴られている
試合は一方的に蛮玄人が有利に始まっていた
「あの馬鹿……」
自分の試合が終わってタイガーの試合を見ていた雪之丞は、あまりに情けない始まりに言葉もでない
同じく観客席の横島達も、あまりに情けない始まりに呆れ気味で見ている
「初戦の相手に恵まれたわね」
「あら、わかるの?」
一方的に殴られてるタイガーを見て恵まれてると言ったタマモに、エミは少し驚いたようであった
「ええ、タイガーの実力はわかってるもの」
意味深な笑みを浮かべるタマモとエミの二人だけは、この戦いの結末が見えてるようだ