GS試験再び……
一方、六道女学院の席に座ったおキヌはクラスメートから美智恵に関して質問責めにあっている
おキヌが令子の事務所に住んでる事はもちろん有名なのだが、それでも美智恵と親しく話す姿は多くの生徒達にとって驚きであった
先日の六道女学院の卒業式や入学式では挨拶をしている美智恵だが、生徒達の多くにとって美智恵は雲の上の存在である
そんな美智恵と親しげに話しただけで、おキヌは羨望や嫉みなど様々な注目を集めてしまう
「美神さんのお母さんですから、たまにお会いするだけですよ」
いろいろな質問に困ったように答えるおキヌだが、基本的に当たり障りの無い話をしてごまかしていく
周囲のクラスメート達は美智恵の普段の話や魔族を倒した英雄話などを望むのだが、人に話せる事は少ない
まさか普段の美智恵が令子の事務所に来てお金や倫理感などの小言を言ってるとも言えないし、オカルトGメンの任務も世間に公表してる発表と実際が違うのはよくある事なのだ
六道女学院内に蔓延する英雄像と掛け離れた現実に、結局おキヌは何も言えないままごまかすしか方法が無い
そしてかおりと魔理の二人は、予想もしなかった美智恵の優しい態度に困惑していた
人間誰しも多少は裏表があるのはわかっているが、先程の美智恵からはそのカケラも見えない
百戦錬磨の美智恵の裏をこの二人が見抜けるはずは無いのだが、そこまで頭は回らないまま困惑している
(一体何をどう信じればいいのか……)
社会経験もなく世間知らずなかおりは、何を信じればいいかわからない状態だった
あの時唐巣や雪之丞が嘘をついたとは思えないし、かと言って美智恵もそんな人には見えない
最早かおりには判断出来ない事だった
(未熟な私じゃ、何が本当かすらもわからないのか……)
かおりと同じく困惑する魔理だが、こちらは真実を見抜けない自分にイラついている
人の話が全て真実だとは限らないし、かと言って表向きの優しさが本当だとも限らない
そんな中で結局判断するのは自分であり、真実を見抜けない未熟な自分が魔理は無性に情けなく感じていた
おキヌ達三人がそんな状態な時、横島達は観客席に戻って来る
エミと魔鈴は多少は周りの注目を集めるが、やはり美智恵ほどではない
「さて、もうすぐ一回戦が始まるな」
「横島、おキヌが居るわよ」
席に座り一回戦が始まる時間を確認した横島に、おキヌを見つけたタマモが声をかけていた
「おキヌちゃん達、来てたんだ」
久しぶりに見るおキヌに、横島は何とも言えない表情だった
元気そうで安心した気持ちもあるし、会いたくなかった気持ちもある
卒業パーティーに来なかった時点で、おキヌが横島に抗議の意志を示したのは明らかなのだ
令子を優先する考えが変わらないおキヌならば、会わない方がいいのかとも横島は考えていた
「タイガーにいい影響無いわね」
横島とタマモの会話でおキヌや魔理を見つけたエミは、軽くため息をはく
ただでさえ最近不安定なタイガーが、余計に不安定になる可能性があるのだ
どうしようも無いとはいえ試験外に面倒事が多い現状に、エミはため息をはくしかなかった
おキヌが令子の事務所に住んでる事はもちろん有名なのだが、それでも美智恵と親しく話す姿は多くの生徒達にとって驚きであった
先日の六道女学院の卒業式や入学式では挨拶をしている美智恵だが、生徒達の多くにとって美智恵は雲の上の存在である
そんな美智恵と親しげに話しただけで、おキヌは羨望や嫉みなど様々な注目を集めてしまう
「美神さんのお母さんですから、たまにお会いするだけですよ」
いろいろな質問に困ったように答えるおキヌだが、基本的に当たり障りの無い話をしてごまかしていく
周囲のクラスメート達は美智恵の普段の話や魔族を倒した英雄話などを望むのだが、人に話せる事は少ない
まさか普段の美智恵が令子の事務所に来てお金や倫理感などの小言を言ってるとも言えないし、オカルトGメンの任務も世間に公表してる発表と実際が違うのはよくある事なのだ
六道女学院内に蔓延する英雄像と掛け離れた現実に、結局おキヌは何も言えないままごまかすしか方法が無い
そしてかおりと魔理の二人は、予想もしなかった美智恵の優しい態度に困惑していた
人間誰しも多少は裏表があるのはわかっているが、先程の美智恵からはそのカケラも見えない
百戦錬磨の美智恵の裏をこの二人が見抜けるはずは無いのだが、そこまで頭は回らないまま困惑している
(一体何をどう信じればいいのか……)
社会経験もなく世間知らずなかおりは、何を信じればいいかわからない状態だった
あの時唐巣や雪之丞が嘘をついたとは思えないし、かと言って美智恵もそんな人には見えない
最早かおりには判断出来ない事だった
(未熟な私じゃ、何が本当かすらもわからないのか……)
かおりと同じく困惑する魔理だが、こちらは真実を見抜けない自分にイラついている
人の話が全て真実だとは限らないし、かと言って表向きの優しさが本当だとも限らない
そんな中で結局判断するのは自分であり、真実を見抜けない未熟な自分が魔理は無性に情けなく感じていた
おキヌ達三人がそんな状態な時、横島達は観客席に戻って来る
エミと魔鈴は多少は周りの注目を集めるが、やはり美智恵ほどではない
「さて、もうすぐ一回戦が始まるな」
「横島、おキヌが居るわよ」
席に座り一回戦が始まる時間を確認した横島に、おキヌを見つけたタマモが声をかけていた
「おキヌちゃん達、来てたんだ」
久しぶりに見るおキヌに、横島は何とも言えない表情だった
元気そうで安心した気持ちもあるし、会いたくなかった気持ちもある
卒業パーティーに来なかった時点で、おキヌが横島に抗議の意志を示したのは明らかなのだ
令子を優先する考えが変わらないおキヌならば、会わない方がいいのかとも横島は考えていた
「タイガーにいい影響無いわね」
横島とタマモの会話でおキヌや魔理を見つけたエミは、軽くため息をはく
ただでさえ最近不安定なタイガーが、余計に不安定になる可能性があるのだ
どうしようも無いとはいえ試験外に面倒事が多い現状に、エミはため息をはくしかなかった