GS試験再び……
一方横島達の元を後にした西条は、言葉に出来ない苛立ちを感じていた
あの場は魔鈴の為に引いたが、横島の事に納得した訳ではない
(確かに令子ちゃんの横島君に対する態度は褒められたものじゃなかったが、それは横島君も同じだったはず……)
かつての横島と令子の関係を考えると、第三者の西条から見ればどっちもどっちだと思っていた
それにも関わらず令子を傷付けたまま喧嘩別れした横島には納得がいかない
(最低な人間だが、女性を傷付ける事だけはしない男だと思っていたのに……)
西条も横島を全否定するつもりはないし、認めてる部分は僅かだがあった
しかし令子やおキヌを傷付けて別れた事で、横島に対する評価は最悪になっている
(なのに何故、彼の周りはあんなに幸せそうなんだ!!)
自分の価値観で理解出来ない結果に、西条の苛立ちは募るばかりだった
令子やおキヌを傷付けた横島が気に入らないと自分では思うが、心の奥底では違う苛立ちがある
そう……
結局のところ自分が上手くいって無いにも関わらず、自分より劣ると思う横島が上手くいく事自体が面白くないのだ
どれだけ令子を気遣い求めても、令子の心は西条には向かない
今まで西条はたくさんの女性と付き合ったり関係を持ったりしたが、そのほとんどで愛されて来た
ある意味愛されるのが当然であり自然なのである
中には当然西条を拒否した女性も居るが、基本的に女性に対して執着の無かった西条は拒否した相手を追う事は無かった
そんな西条にとっては愛されない相手を追う事自体が初めての経験であり、自分が求める相手が他の誰かを想う事ですら初体験だったのだ
人に愛される事が当然だった西条と人に嫌われる事が当然だった横島では、人生も価値観も真逆だと言っても過言ではない
たくさんの女性に愛されて来たがゆえに、西条にはその価値はわからないだろう
彼にとって愛されるのは当然なのだから……
そして自分が求める令子が横島を想う事自体が、認められないのである
結局過去や前世を断ち切らない限り、横島と西条の関係は変わらないのかもしれない
「お疲れさま、西条君」
しばし考え込んでいた西条を現実に戻したのは、合流した美智恵の言葉だった
「先生お疲れさまです」
いつもと変わらぬ表情で言葉を返す西条だが、美智恵にはその心の乱れが見えている
(何かあったのかしら?)
普段は常に冷静な西条が珍しく心を乱している事に、美智恵は不思議に思う
(まさか、横島君とモメた訳じゃないわよね)
基本的に西条が一番心乱す相手は横島なのだ
会場に横島達が来ているのだし、つまらない事で喧嘩でもされたら美智恵としてはとてもマズイ
自分が関係無いのに西条を使って嫌がらせをしたと判断されたら、たまったもんじゃない
「不機嫌そうだけど、何かあったの?」
「いえ、なんでもありません」
「私達はオカルトGメンの代表でここに居るのよ。 たとえどんな暴言を吐かれても、笑顔で対応するくらいの気持ちは忘れないでね」
美智恵はそれとなく理由を尋ねるが、西条はもちろん何も言わない
結局美智恵はそれ以上追求が出来ずに、それとなく問題を起こすなとクギを刺して話を終える
現状の横島と西条がモメる可能性はあまり高くないと判断した結果であった
あの場は魔鈴の為に引いたが、横島の事に納得した訳ではない
(確かに令子ちゃんの横島君に対する態度は褒められたものじゃなかったが、それは横島君も同じだったはず……)
かつての横島と令子の関係を考えると、第三者の西条から見ればどっちもどっちだと思っていた
それにも関わらず令子を傷付けたまま喧嘩別れした横島には納得がいかない
(最低な人間だが、女性を傷付ける事だけはしない男だと思っていたのに……)
西条も横島を全否定するつもりはないし、認めてる部分は僅かだがあった
しかし令子やおキヌを傷付けて別れた事で、横島に対する評価は最悪になっている
(なのに何故、彼の周りはあんなに幸せそうなんだ!!)
自分の価値観で理解出来ない結果に、西条の苛立ちは募るばかりだった
令子やおキヌを傷付けた横島が気に入らないと自分では思うが、心の奥底では違う苛立ちがある
そう……
結局のところ自分が上手くいって無いにも関わらず、自分より劣ると思う横島が上手くいく事自体が面白くないのだ
どれだけ令子を気遣い求めても、令子の心は西条には向かない
今まで西条はたくさんの女性と付き合ったり関係を持ったりしたが、そのほとんどで愛されて来た
ある意味愛されるのが当然であり自然なのである
中には当然西条を拒否した女性も居るが、基本的に女性に対して執着の無かった西条は拒否した相手を追う事は無かった
そんな西条にとっては愛されない相手を追う事自体が初めての経験であり、自分が求める相手が他の誰かを想う事ですら初体験だったのだ
人に愛される事が当然だった西条と人に嫌われる事が当然だった横島では、人生も価値観も真逆だと言っても過言ではない
たくさんの女性に愛されて来たがゆえに、西条にはその価値はわからないだろう
彼にとって愛されるのは当然なのだから……
そして自分が求める令子が横島を想う事自体が、認められないのである
結局過去や前世を断ち切らない限り、横島と西条の関係は変わらないのかもしれない
「お疲れさま、西条君」
しばし考え込んでいた西条を現実に戻したのは、合流した美智恵の言葉だった
「先生お疲れさまです」
いつもと変わらぬ表情で言葉を返す西条だが、美智恵にはその心の乱れが見えている
(何かあったのかしら?)
普段は常に冷静な西条が珍しく心を乱している事に、美智恵は不思議に思う
(まさか、横島君とモメた訳じゃないわよね)
基本的に西条が一番心乱す相手は横島なのだ
会場に横島達が来ているのだし、つまらない事で喧嘩でもされたら美智恵としてはとてもマズイ
自分が関係無いのに西条を使って嫌がらせをしたと判断されたら、たまったもんじゃない
「不機嫌そうだけど、何かあったの?」
「いえ、なんでもありません」
「私達はオカルトGメンの代表でここに居るのよ。 たとえどんな暴言を吐かれても、笑顔で対応するくらいの気持ちは忘れないでね」
美智恵はそれとなく理由を尋ねるが、西条はもちろん何も言わない
結局美智恵はそれ以上追求が出来ずに、それとなく問題を起こすなとクギを刺して話を終える
現状の横島と西条がモメる可能性はあまり高くないと判断した結果であった