GS試験再び……
(あれだけの扱いをいつも周りからされたら、誰だって傷つくでしょうに……)
何故もっと周りがしっかり横島を見てやらなかったのか、魔鈴は改めて不思議に思う
少なくとも大人である西条が、令子にきちんと言うのが筋だったと感じている
(あれが西条先輩の限界なのかもしれませんね)
能力や実績に比べると圧倒的に人望がない西条の限界が魔鈴は見えた気がした
それと同時に、今後西条との関係を考え直す必要性も感じている
水面下とはいえ美智恵と横島や魔鈴があれだけ対立してにも関わらず、今だに付き合った事すら知らないのは西条にも問題があるはずなのだ
無関係だし興味が無いのはあるだろうが、美智恵の部下として横島と魔鈴の妨害に知らずに使われていた可能性は捨てきれない
美智恵に対して隙を作らない為にも、魔鈴自身が西条との距離を開ける事を密かに決めていた
「ところで、雪之丞に本気で魔法を教えるつもりなの?」
考え込んでいた魔鈴を現実に戻したのは、驚きの表情のエミだった
「ええ、雪之丞さんの意思次第ですし、実際にどこまで習得出来るかは別問題ですが……」
エミの疑問にはっきりと答える魔鈴だが、現時点では教える気持ちがあると言うだけである
雪之丞に魔法を扱う才能があるかも不明だし、何より細かな技術や知識が必要なので相当な修行は必要なのだ
「雪之丞が魔法を覚えるのがそんなに驚く事っすか?」
西条の話が終わって表情が元に戻った横島だが、何故エミが驚くのかわからない
横島自身も初歩中の初歩である魔法のほうきの召喚魔法を教えてもらった経験があるから、余計に驚く意味がわからないようだ
「横島……、おたくもいい加減に勉強なさい。 魔鈴の魔法はね、今は誰も使えない中世の技術なワケ。 オカルト技術の絶頂期とも言える時代の技術を使えるのは、現代で魔鈴ただ一人。 その技術を欲しがってる関係者は世界中に居るのよ」
いつもながら無知な横島にエミは呆れながら説明を始める
しかしエミの説明には横島だけでなく、雪之丞やタイガーや人間社会に疎いタマモとシロも驚きながら聞いていた
「魔鈴が誰に魔法を伝えるかは、世界中のオカルト関係者が注目してると言っても過言じゃないの。 もし雪之丞が魔法を学ぶなら、それ相応の注目を集めるワケ」
エミの説明に感心しながら納得する一同だが、当人である雪之丞だけは表情が違う
あまりに重大な話に、どうすればいいかわからないようだ
「俺にそんな技術を教えていいのか?」
戸惑いの隠せない雪之丞に魔鈴は静かに頷く
「無理にとは言いませんが、もし雪之丞さんが少しでも私の技術を望むなら教えるつもりですよ。 問題なのは才能ではなく信頼なんです」
こんな形で雪之丞に伝えるつもりが無かった魔鈴は、少し申し訳なく思っていた
いずれ時期を見て話すつもりではいたが、まさか試験の前に余計な悩みになるような事を言ってしまうつもりは無かったのだ
技術とは基本的にどの技術も同じだが、使い方によっては多くの命を奪ったり不幸にしたりもする
魔法もまた同じであり、魔鈴は自分が本当に信頼する相手にしか伝えるつもりが無かったのだ
「そうか……」
結局雪之丞はそれ以上言葉を続ける事は無かったが、自分が本当に信頼されてる事を改めて強く感じていた
何故もっと周りがしっかり横島を見てやらなかったのか、魔鈴は改めて不思議に思う
少なくとも大人である西条が、令子にきちんと言うのが筋だったと感じている
(あれが西条先輩の限界なのかもしれませんね)
能力や実績に比べると圧倒的に人望がない西条の限界が魔鈴は見えた気がした
それと同時に、今後西条との関係を考え直す必要性も感じている
水面下とはいえ美智恵と横島や魔鈴があれだけ対立してにも関わらず、今だに付き合った事すら知らないのは西条にも問題があるはずなのだ
無関係だし興味が無いのはあるだろうが、美智恵の部下として横島と魔鈴の妨害に知らずに使われていた可能性は捨てきれない
美智恵に対して隙を作らない為にも、魔鈴自身が西条との距離を開ける事を密かに決めていた
「ところで、雪之丞に本気で魔法を教えるつもりなの?」
考え込んでいた魔鈴を現実に戻したのは、驚きの表情のエミだった
「ええ、雪之丞さんの意思次第ですし、実際にどこまで習得出来るかは別問題ですが……」
エミの疑問にはっきりと答える魔鈴だが、現時点では教える気持ちがあると言うだけである
雪之丞に魔法を扱う才能があるかも不明だし、何より細かな技術や知識が必要なので相当な修行は必要なのだ
「雪之丞が魔法を覚えるのがそんなに驚く事っすか?」
西条の話が終わって表情が元に戻った横島だが、何故エミが驚くのかわからない
横島自身も初歩中の初歩である魔法のほうきの召喚魔法を教えてもらった経験があるから、余計に驚く意味がわからないようだ
「横島……、おたくもいい加減に勉強なさい。 魔鈴の魔法はね、今は誰も使えない中世の技術なワケ。 オカルト技術の絶頂期とも言える時代の技術を使えるのは、現代で魔鈴ただ一人。 その技術を欲しがってる関係者は世界中に居るのよ」
いつもながら無知な横島にエミは呆れながら説明を始める
しかしエミの説明には横島だけでなく、雪之丞やタイガーや人間社会に疎いタマモとシロも驚きながら聞いていた
「魔鈴が誰に魔法を伝えるかは、世界中のオカルト関係者が注目してると言っても過言じゃないの。 もし雪之丞が魔法を学ぶなら、それ相応の注目を集めるワケ」
エミの説明に感心しながら納得する一同だが、当人である雪之丞だけは表情が違う
あまりに重大な話に、どうすればいいかわからないようだ
「俺にそんな技術を教えていいのか?」
戸惑いの隠せない雪之丞に魔鈴は静かに頷く
「無理にとは言いませんが、もし雪之丞さんが少しでも私の技術を望むなら教えるつもりですよ。 問題なのは才能ではなく信頼なんです」
こんな形で雪之丞に伝えるつもりが無かった魔鈴は、少し申し訳なく思っていた
いずれ時期を見て話すつもりではいたが、まさか試験の前に余計な悩みになるような事を言ってしまうつもりは無かったのだ
技術とは基本的にどの技術も同じだが、使い方によっては多くの命を奪ったり不幸にしたりもする
魔法もまた同じであり、魔鈴は自分が本当に信頼する相手にしか伝えるつもりが無かったのだ
「そうか……」
結局雪之丞はそれ以上言葉を続ける事は無かったが、自分が本当に信頼されてる事を改めて強く感じていた