GS試験再び……
そして一次試験が終わり二次試験の開始時間が発表された頃、二次試験会場には続々と関係者が集まり観客席は混雑していた
そんな中美智恵が会場に入ると、一瞬静まり返り視線を集める
(あれは……、横島君)
観客席を軽く見渡した美智恵は、横島達を見つけると僅かに表情が曇った
その表情は一瞬だったため誰にも気付かれなかったが、後悔や憎しみなど複雑な感情が美智恵の心には渦巻いている
(そんなにその女が大切なの? 令子は誰よりもあなたを求めてたのに……)
思わず浮かんだ言葉を、美智恵は静かに飲み込んだ
もう全て終わっており無意味な言葉だと理解しつつ、美智恵は娘より魔鈴を選んだ横島を許せない
(全てはルシオラの存在が原因だったなんてね)
幼い頃より魔族と戦って来た美智恵は、運命の皮肉さを呪いたくなる気持ちだった
悪魔チューブラ・ベルに寄生されて以来、美智恵は常に魔族と戦って生きて来た
唐巣や公彦の協力により、ようやく悪魔チューブラ・ベルを退治して幸せな家庭が築けると思ったら、今度は時間移動能力者を狙う魔族と戦う日々
美智恵の人生イコール魔族との戦いの歴史と言っても過言ではない
(苦労して時間移動能力者を狙う原因を突き止めただけど、今度は娘を魔族から守る戦いが始まった)
美智恵と魔族の因縁は、どんどん厳しさを増していく
因果率を狂わすため決して使ってはいけない能力だと両親に言われていた美智恵だが、その掟を破ってでも娘を助けようとした
(出来る事は何でもしたわ。 誰を犠牲にしても、どんな手段を使っても令子を守りたかった)
娘に幸せなって欲しい
美智恵はその一心で今まで生きて来たのだ
そんな美智恵の娘である令子の幸せを奪ったのは、やはり魔族であるルシオラだった
(あなたは存在が消えても横島君を守るのね…… ルシオラ)
視界の端に見える横島や魔鈴を守るようなルシオラの幻を、美智恵はまた見てしまう
本当は居るはずがないと理解してはいるが、美智恵にはルシオラが横島を守ってる気がしてならない
(とことん魔族に邪魔をされる人生だわね)
視界から横島達を外すと、美智恵は一瞬自虐的な笑みを浮かべて一人で観客席の後ろに座る
(やはり美智恵さんも来たのですね)
一方魔鈴は、予想通り現れた美智恵に警戒心を強めていた
オカルトGメンの美智恵がGS試験に来る事はある程度予想していたのだ
(この場では何もして来ないでしょうけど……)
実際、美智恵がこの場所で動く可能性は無いと魔鈴は思う
百合子の存在もあるし、今横島に接触しても美智恵に勝ち目は無いのだから
しかし、だからと言って安心出来る相手でも無いため、魔鈴は常に美智恵に注意を払うしかない
そしてそれは横島やタマモやシロも同じであり、一見美智恵を無視する横島達だが結局は気が休まるはずがなく密かに警戒していた
(美神美智恵か… 確かに気を許せる相手じゃないわよね)
横島達の緊張感をすぐに感じたエミは、横島達が警戒するのは仕方ないと思う
この場所では警戒する意味は無いかもしれないが、やはり気を許せる相手ではないのだから
結局賑やかなGS試験会場の中で、横島達と美智恵だけは別世界に居るような表情だった
そんな中美智恵が会場に入ると、一瞬静まり返り視線を集める
(あれは……、横島君)
観客席を軽く見渡した美智恵は、横島達を見つけると僅かに表情が曇った
その表情は一瞬だったため誰にも気付かれなかったが、後悔や憎しみなど複雑な感情が美智恵の心には渦巻いている
(そんなにその女が大切なの? 令子は誰よりもあなたを求めてたのに……)
思わず浮かんだ言葉を、美智恵は静かに飲み込んだ
もう全て終わっており無意味な言葉だと理解しつつ、美智恵は娘より魔鈴を選んだ横島を許せない
(全てはルシオラの存在が原因だったなんてね)
幼い頃より魔族と戦って来た美智恵は、運命の皮肉さを呪いたくなる気持ちだった
悪魔チューブラ・ベルに寄生されて以来、美智恵は常に魔族と戦って生きて来た
唐巣や公彦の協力により、ようやく悪魔チューブラ・ベルを退治して幸せな家庭が築けると思ったら、今度は時間移動能力者を狙う魔族と戦う日々
美智恵の人生イコール魔族との戦いの歴史と言っても過言ではない
(苦労して時間移動能力者を狙う原因を突き止めただけど、今度は娘を魔族から守る戦いが始まった)
美智恵と魔族の因縁は、どんどん厳しさを増していく
因果率を狂わすため決して使ってはいけない能力だと両親に言われていた美智恵だが、その掟を破ってでも娘を助けようとした
(出来る事は何でもしたわ。 誰を犠牲にしても、どんな手段を使っても令子を守りたかった)
娘に幸せなって欲しい
美智恵はその一心で今まで生きて来たのだ
そんな美智恵の娘である令子の幸せを奪ったのは、やはり魔族であるルシオラだった
(あなたは存在が消えても横島君を守るのね…… ルシオラ)
視界の端に見える横島や魔鈴を守るようなルシオラの幻を、美智恵はまた見てしまう
本当は居るはずがないと理解してはいるが、美智恵にはルシオラが横島を守ってる気がしてならない
(とことん魔族に邪魔をされる人生だわね)
視界から横島達を外すと、美智恵は一瞬自虐的な笑みを浮かべて一人で観客席の後ろに座る
(やはり美智恵さんも来たのですね)
一方魔鈴は、予想通り現れた美智恵に警戒心を強めていた
オカルトGメンの美智恵がGS試験に来る事はある程度予想していたのだ
(この場では何もして来ないでしょうけど……)
実際、美智恵がこの場所で動く可能性は無いと魔鈴は思う
百合子の存在もあるし、今横島に接触しても美智恵に勝ち目は無いのだから
しかし、だからと言って安心出来る相手でも無いため、魔鈴は常に美智恵に注意を払うしかない
そしてそれは横島やタマモやシロも同じであり、一見美智恵を無視する横島達だが結局は気が休まるはずがなく密かに警戒していた
(美神美智恵か… 確かに気を許せる相手じゃないわよね)
横島達の緊張感をすぐに感じたエミは、横島達が警戒するのは仕方ないと思う
この場所では警戒する意味は無いかもしれないが、やはり気を許せる相手ではないのだから
結局賑やかなGS試験会場の中で、横島達と美智恵だけは別世界に居るような表情だった