GS試験再び……
一方、一次試験の方は予想以上の受験者数に遅れていた
GS協会も受験者数の増加は事前に予測していたのだが、実際に集まった人数はその予測を遥かに越えている
そのため急遽一次試験の会場を増やして三組に分けて行ったが、それでも受験者数の多さにGS協会職員は目が回るほどの急がしさであった
(ようやく俺の番かよ)
そして一時間半以上待たされてようやく一次試験の順番が訪れた雪之丞だが、長い時間待たされたせいか微妙に機嫌が悪い
雪之丞だけでなく他の受験者も、いつ始まるかわからない緊張感の中で待たされたせいで一応に表情が冴えなかった
そんな雪之丞と一緒に一次試験を受ける30人がようやく試験会場に入ると、GS協会職員に混じって六道女学院の生徒が見える
(あれは六道女学院の…)
雪之丞はすぐに六道女学院の生徒に気付くが、一人一人の顔を確認する余裕も無く一次試験が始まってしまう
一方、見学していた六道女学院の生徒の中にはおキヌ達が居た
「雪之丞……」
久しぶりに見た雪之丞に、かおりは無表情のまま硬直している
まさかこんな場所で会うとは思いもしなかったようだ
あれから一ヶ月以上が経過しているが、かおりはその間に何度も雪之丞に会おうかと悩み連絡しようともした
しかしあの日の雪之丞を思い出すと、どうしても連絡する勇気が出ないままだったのである
「雪之丞さん、またGS試験受けるんですね」
そしてかおりの隣に居たおキヌは、何も知らないまま普通にかおりに話し掛けてしまう
おキヌはかおりと雪之丞の状況などまるで知らないし、それどころか横島が辞めた裏で雪之丞が協力していた事すら知らないのだから
「弓さん?」
無表情で返事の無いかおりにおキヌは不思議そうに声をかけるが、それでもかおりは気付かない
(私は…)
かおりは改めて雪之丞との遠すぎる距離を感じていた
定住してない雪之丞とは元々何日も連絡が取れない時もあったし、一ヶ月以上会えない時もあったのだがこんな気持ちになったのは始めてである
そんなかおりを現実に戻したのは隣に居る魔理だった
おキヌが不思議そうに見つめてるのに気付き、肘でかおりを小突いている
「何ですの?」
少し不愉快そうに魔理を見るかおりだが、魔理がおキヌに視線を移すとようやくおキヌが話し掛けていた事に気が付いたらしい
「ごめんなさい、氷室さん。 ちょっと考え事をしてました」
笑顔で謝るかおりだったが、その表情は明かに変だった
どこか動揺した感じは隠しようが無く、おキヌは雪之丞と何かあったのか心配になっている
「いえ、私こそ考え事の邪魔してごめんなさい」
かおりらしくない表情に心配になるおキヌだが、プライドの高いかおりにみんなの居る前で訳を聞く事も出来ずに話が途切れてしまう
そんなおキヌ達の会話が途切れた頃、場内はざわめきが起きていた
霊波の測定で軽く霊波を放射した雪之丞だったが、今までの受験者とはレベルの違う霊力に六道女学院の生徒のみならず審査員までもが驚いている
「あんなレベルの人が受けるの?」
審査員は雪之丞の素性を知っているためすぐに納得していたが、六道女学院の生徒は自分達と格が違う雪之丞に改めてGS試験の難しさを痛感していた
そして雪之丞は当たり前に一次試験を突破して会場を後にしていくが、最後までおキヌ達に気付く事はないままだった
GS協会も受験者数の増加は事前に予測していたのだが、実際に集まった人数はその予測を遥かに越えている
そのため急遽一次試験の会場を増やして三組に分けて行ったが、それでも受験者数の多さにGS協会職員は目が回るほどの急がしさであった
(ようやく俺の番かよ)
そして一時間半以上待たされてようやく一次試験の順番が訪れた雪之丞だが、長い時間待たされたせいか微妙に機嫌が悪い
雪之丞だけでなく他の受験者も、いつ始まるかわからない緊張感の中で待たされたせいで一応に表情が冴えなかった
そんな雪之丞と一緒に一次試験を受ける30人がようやく試験会場に入ると、GS協会職員に混じって六道女学院の生徒が見える
(あれは六道女学院の…)
雪之丞はすぐに六道女学院の生徒に気付くが、一人一人の顔を確認する余裕も無く一次試験が始まってしまう
一方、見学していた六道女学院の生徒の中にはおキヌ達が居た
「雪之丞……」
久しぶりに見た雪之丞に、かおりは無表情のまま硬直している
まさかこんな場所で会うとは思いもしなかったようだ
あれから一ヶ月以上が経過しているが、かおりはその間に何度も雪之丞に会おうかと悩み連絡しようともした
しかしあの日の雪之丞を思い出すと、どうしても連絡する勇気が出ないままだったのである
「雪之丞さん、またGS試験受けるんですね」
そしてかおりの隣に居たおキヌは、何も知らないまま普通にかおりに話し掛けてしまう
おキヌはかおりと雪之丞の状況などまるで知らないし、それどころか横島が辞めた裏で雪之丞が協力していた事すら知らないのだから
「弓さん?」
無表情で返事の無いかおりにおキヌは不思議そうに声をかけるが、それでもかおりは気付かない
(私は…)
かおりは改めて雪之丞との遠すぎる距離を感じていた
定住してない雪之丞とは元々何日も連絡が取れない時もあったし、一ヶ月以上会えない時もあったのだがこんな気持ちになったのは始めてである
そんなかおりを現実に戻したのは隣に居る魔理だった
おキヌが不思議そうに見つめてるのに気付き、肘でかおりを小突いている
「何ですの?」
少し不愉快そうに魔理を見るかおりだが、魔理がおキヌに視線を移すとようやくおキヌが話し掛けていた事に気が付いたらしい
「ごめんなさい、氷室さん。 ちょっと考え事をしてました」
笑顔で謝るかおりだったが、その表情は明かに変だった
どこか動揺した感じは隠しようが無く、おキヌは雪之丞と何かあったのか心配になっている
「いえ、私こそ考え事の邪魔してごめんなさい」
かおりらしくない表情に心配になるおキヌだが、プライドの高いかおりにみんなの居る前で訳を聞く事も出来ずに話が途切れてしまう
そんなおキヌ達の会話が途切れた頃、場内はざわめきが起きていた
霊波の測定で軽く霊波を放射した雪之丞だったが、今までの受験者とはレベルの違う霊力に六道女学院の生徒のみならず審査員までもが驚いている
「あんなレベルの人が受けるの?」
審査員は雪之丞の素性を知っているためすぐに納得していたが、六道女学院の生徒は自分達と格が違う雪之丞に改めてGS試験の難しさを痛感していた
そして雪之丞は当たり前に一次試験を突破して会場を後にしていくが、最後までおキヌ達に気付く事はないままだった