番外編・ネギまIN横島~R~(仮)
《毒にも薬にもならない者達》
「なんかわかったか?」
この日俺は東京の外国人街の一角にある古い外国人が集まる飲み屋で数人の男達と集まっていた。
店の中でも一際人目につきにくい奥のテーブルで安酒を飲みながら愚痴るように言葉を漏らしたのは、世界の警察を自称していた国の魔法協会から来た諜報員だ。
彼の祖国は国家としての歴史が浅い分だけ魔法という分野においては技術的な積み重ねがないため、他国からの技術収集に余念がない。
魔法という技術は過去からの長い歴史を重ねた積み重ねが必要であり、彼の祖国が得意なベルトコンベアで量産とはいかないのだ。
「さあな、この国は意外に歴史が古い。 しかも植民地の経験がほぼない分だけ古から受け継がれた技が多数残っている。 王朝が変わる度に人を一新して技を失ってるようなお前のとことは違う。 魔法という分野から考えると潜在力は他とけた違いなんだよ。」
俺達は最近この国の魔法協会で頭角を現しつつある一人の男について調べていたが、出てくるのはつまらない噂と信憑性を疑うような与太話しかない。
ここに集まった俺達は俺を含めてそれぞれみんな仕える国や組織が違うが、仕える国や組織に忠誠を違うほど上等な連中じゃない。
意味があるのかないのか分からないようなケチな情報を、指定された所に送ってはした金を貰うだけの存在なんだ。
だから他所の諜報員と会おうが情報を渡そうが責める者はいない。
「ワタシには関係ないことアルネ。 大事なのはあの男の情報が金になるかならないかだけアル。」
祖国や祖国の魔法協会が敵対してようがここでは関係なく、関係あるのはいかに金になる情報を掴むかだけだ。
だがこの国の魔法協会は一筋縄ではいかなく、アホウだと言われる国家よりも手強い。
元々閉鎖的な国ではあるから魔法協会はそんな閉鎖的なお国柄に合うのかもしれないが。
「それより例の天才児はどうなんだ? 名前からすればお前のとこの人間だろう。」
「あー、それについては分からないネ。 一応調べたアルが過去はさっぱりアル。 そもそもワタシの国だとあんな子が居れば外国に出さないネ。 華橋の可能性もあるがそれはワタシには調べるのはムリネ。」
ただでさえ胡散臭い俺達だが、一番胡散臭いのはやはりこの男であろう。
普通に喋れる癖にわざと言葉が不自由なふりをしているこの男。
単純な人口では世界一の民族だと言ってる連中の人間だ。
現在この国の魔法協会の関係者で一番金になりそうなのは超鈴音という自称中華系の学生になる。
だが彼女に関してはこの国で頭角を現す前が全く掴めずに苦慮していた。
この男の国の人間は四千年の歴史だとよく自慢してるが、魔法に関しては大したことはない。
最近では文革なんて呼んでる内部抗争で貴重な魔法技術やその継承者を多数失っている。
まあメガロメセンブリアの連中も各国に魔法協会を作って土着の魔法技術を潰して歩いたので似たようなもんだが。
「今日も収穫はなしか。」
ここに集まった連中は誰もお互いを一切信用してないが売れる情報があれば隠すほどじゃないし、逆に言えば隠す価値のある情報なんて持っていたらこんなところで無駄な時間は過ごしてないだろう。
かつてはでかい情報を得て一攫千金なんて夢を語った奴も居たが、そんな奴に限って帰って来なかった。
この国の魔法協会を支配するのは妖怪ジジイと影で呼ばれるじい様で、綺麗事が好きで潔癖なこの国の人間にしては裏と表の使い分けを上手くしている。
あの傲慢なメガロメセンブリアと二十年にも渡りやりあってるだけはある。
向こうにある帝国より帝国らしいと言われるメガロメセンブリアに飲み込まれず、かと言って完全に敵対して争わない姿勢は各国の反メガロメセンブリアの魔法協会のお手本になっているほどなのだ。
そんな反メガロメセンブリアの魔法協会を上手くコントロールし纏めつつ、向こうの帝国に協力して魔法世界の冷戦構造を利用して自分達の自立を守るじい様を恐れる者は裏表問わず多い。
そしてそのじい様の数少ない弱点になりそうなのが孫娘の存在だ。
理由は知らないが魔法を知らされてないほどの箱入り娘でそれ故に近付き口説き落とそうなんて考えていた馬鹿もいたが、周囲のガードが固い上に本人が恋愛にあまり興味を示さなかった為に成功した者はいない。
今日俺達が話題に上げた男はそんな孫娘に初めて近付けた男であり、どっかの魔法協会ではその男を密かに引き込もうと考えていたらしいがすぐにその男もガードが固くなり接触すら難しくなってしまった。
まあその男は表では飲食店を営んでいるので接触自体は不可能ではないのだが、その男が闇の福音と繋がると分かると関わろうなんてやつは居なくなった。
闇の福音が手を出さなければ無害だというのはとっくに知られているが、逆に手を出して帰って来た者はいない。
実際その男に手を出して闇の福音が動くかは不明だが、そんなギャンブルをするほど価値があるかと言われるとないのだ。
仮にその男に接触出来たとしてじい様が男に与えてる飴を越えるモノを男に与えるほど価値があるかは分からないし、そもそもの問題として孫娘を手中に納めてもどうするのかがまた難しい。
メガロメセンブリアじゃあるまいしこの国の魔法協会を支配なんてこの世界の魔法協会の人間は誰もする気はないのだ。
連中に対抗出来る数少ないじい様の足を引っ張ると長期的には自分達の首を締めるハメになるのは俺にだって分かる。
昨日の敵が今日の友だというほどでもないが、メガロメセンブリアもこの世界の国家もどっちも信用ならないのが大多数の魔法協会の本音だろうからな。
「おやじ、勘定だ。」
結局話すことも無くなると俺達は誰からともなく会計を済ませて帰っていく。
正直顔も見たくない連中だが向こうも同じであろうし今更だ。
俺達のほとんどが表の職業もあるので食うに困るほどでもない。
週に一度はこうして顔を会わせてるおかげで周囲からは仲がいい友人だと見られてることだけは今も不満だが。
「なんかわかったか?」
この日俺は東京の外国人街の一角にある古い外国人が集まる飲み屋で数人の男達と集まっていた。
店の中でも一際人目につきにくい奥のテーブルで安酒を飲みながら愚痴るように言葉を漏らしたのは、世界の警察を自称していた国の魔法協会から来た諜報員だ。
彼の祖国は国家としての歴史が浅い分だけ魔法という分野においては技術的な積み重ねがないため、他国からの技術収集に余念がない。
魔法という技術は過去からの長い歴史を重ねた積み重ねが必要であり、彼の祖国が得意なベルトコンベアで量産とはいかないのだ。
「さあな、この国は意外に歴史が古い。 しかも植民地の経験がほぼない分だけ古から受け継がれた技が多数残っている。 王朝が変わる度に人を一新して技を失ってるようなお前のとことは違う。 魔法という分野から考えると潜在力は他とけた違いなんだよ。」
俺達は最近この国の魔法協会で頭角を現しつつある一人の男について調べていたが、出てくるのはつまらない噂と信憑性を疑うような与太話しかない。
ここに集まった俺達は俺を含めてそれぞれみんな仕える国や組織が違うが、仕える国や組織に忠誠を違うほど上等な連中じゃない。
意味があるのかないのか分からないようなケチな情報を、指定された所に送ってはした金を貰うだけの存在なんだ。
だから他所の諜報員と会おうが情報を渡そうが責める者はいない。
「ワタシには関係ないことアルネ。 大事なのはあの男の情報が金になるかならないかだけアル。」
祖国や祖国の魔法協会が敵対してようがここでは関係なく、関係あるのはいかに金になる情報を掴むかだけだ。
だがこの国の魔法協会は一筋縄ではいかなく、アホウだと言われる国家よりも手強い。
元々閉鎖的な国ではあるから魔法協会はそんな閉鎖的なお国柄に合うのかもしれないが。
「それより例の天才児はどうなんだ? 名前からすればお前のとこの人間だろう。」
「あー、それについては分からないネ。 一応調べたアルが過去はさっぱりアル。 そもそもワタシの国だとあんな子が居れば外国に出さないネ。 華橋の可能性もあるがそれはワタシには調べるのはムリネ。」
ただでさえ胡散臭い俺達だが、一番胡散臭いのはやはりこの男であろう。
普通に喋れる癖にわざと言葉が不自由なふりをしているこの男。
単純な人口では世界一の民族だと言ってる連中の人間だ。
現在この国の魔法協会の関係者で一番金になりそうなのは超鈴音という自称中華系の学生になる。
だが彼女に関してはこの国で頭角を現す前が全く掴めずに苦慮していた。
この男の国の人間は四千年の歴史だとよく自慢してるが、魔法に関しては大したことはない。
最近では文革なんて呼んでる内部抗争で貴重な魔法技術やその継承者を多数失っている。
まあメガロメセンブリアの連中も各国に魔法協会を作って土着の魔法技術を潰して歩いたので似たようなもんだが。
「今日も収穫はなしか。」
ここに集まった連中は誰もお互いを一切信用してないが売れる情報があれば隠すほどじゃないし、逆に言えば隠す価値のある情報なんて持っていたらこんなところで無駄な時間は過ごしてないだろう。
かつてはでかい情報を得て一攫千金なんて夢を語った奴も居たが、そんな奴に限って帰って来なかった。
この国の魔法協会を支配するのは妖怪ジジイと影で呼ばれるじい様で、綺麗事が好きで潔癖なこの国の人間にしては裏と表の使い分けを上手くしている。
あの傲慢なメガロメセンブリアと二十年にも渡りやりあってるだけはある。
向こうにある帝国より帝国らしいと言われるメガロメセンブリアに飲み込まれず、かと言って完全に敵対して争わない姿勢は各国の反メガロメセンブリアの魔法協会のお手本になっているほどなのだ。
そんな反メガロメセンブリアの魔法協会を上手くコントロールし纏めつつ、向こうの帝国に協力して魔法世界の冷戦構造を利用して自分達の自立を守るじい様を恐れる者は裏表問わず多い。
そしてそのじい様の数少ない弱点になりそうなのが孫娘の存在だ。
理由は知らないが魔法を知らされてないほどの箱入り娘でそれ故に近付き口説き落とそうなんて考えていた馬鹿もいたが、周囲のガードが固い上に本人が恋愛にあまり興味を示さなかった為に成功した者はいない。
今日俺達が話題に上げた男はそんな孫娘に初めて近付けた男であり、どっかの魔法協会ではその男を密かに引き込もうと考えていたらしいがすぐにその男もガードが固くなり接触すら難しくなってしまった。
まあその男は表では飲食店を営んでいるので接触自体は不可能ではないのだが、その男が闇の福音と繋がると分かると関わろうなんてやつは居なくなった。
闇の福音が手を出さなければ無害だというのはとっくに知られているが、逆に手を出して帰って来た者はいない。
実際その男に手を出して闇の福音が動くかは不明だが、そんなギャンブルをするほど価値があるかと言われるとないのだ。
仮にその男に接触出来たとしてじい様が男に与えてる飴を越えるモノを男に与えるほど価値があるかは分からないし、そもそもの問題として孫娘を手中に納めてもどうするのかがまた難しい。
メガロメセンブリアじゃあるまいしこの国の魔法協会を支配なんてこの世界の魔法協会の人間は誰もする気はないのだ。
連中に対抗出来る数少ないじい様の足を引っ張ると長期的には自分達の首を締めるハメになるのは俺にだって分かる。
昨日の敵が今日の友だというほどでもないが、メガロメセンブリアもこの世界の国家もどっちも信用ならないのが大多数の魔法協会の本音だろうからな。
「おやじ、勘定だ。」
結局話すことも無くなると俺達は誰からともなく会計を済ませて帰っていく。
正直顔も見たくない連中だが向こうも同じであろうし今更だ。
俺達のほとんどが表の職業もあるので食うに困るほどでもない。
週に一度はこうして顔を会わせてるおかげで周囲からは仲がいい友人だと見られてることだけは今も不満だが。