それは免許がきた日の３日ほど前

横島は魔鈴の店でバイトを初めてから
ほとんど学校には出席していた

元々進級が危なかったので
特に転職は話さずに学校に来ていた

最初はクラスメートに騒がれたが…

授業中はオカルトの本を読んだりしたので
教師やピート達に驚かれたりした


横島は登校して
珍しく早く教室に来て机の妖怪愛子と話をしてると
ピートがやってきた

「おっす ピート今日は遅かったな」

横島が話すと

「横島さん 愛子さん、おはようございます」

挨拶をしたら

「そういえば横島さん、美神さんのとこ辞めたんですって？」

ピートが
どっからか聞いてきたことを話した

愛子が驚いて

「本当なの？ 横島くん？」

ついでに影が薄いタイガーが話に入ってきた

「その話は知ってますジャー なんでもあまりの労働環境に逃げ出したとか…　エミさんが喜んでたんですジャー」


その話にピートは

「僕が聞いた話では美神さんにシバかれるのに嫌気がさして逃げたとか… 先生も懺悔してましたよ 弟子の不祥事に…」


横島は苦笑いして

「確かに辞めたよ 噂が広まるの早いな～ 理由はいろいろあるが、簡単に言うとあの人にはついていけんからだよ」
「だから噂も結構当たってるよ」


横島の言葉にピート達は納得した

愛子は
「横島くん 苦労してたもんね～ 毎日お腹空かしてさ」

他人事でないタイガーは頷いていた

ピートも苦笑いして
「今はどうしてるんですか？ ＧＳ辞めるんですか？」

「いや 今は魔鈴さんの店でバイトしてるよ 一応ＧＳも魔鈴さんとこでやる予定だけどな」

その発言には
ピート達は驚いた

愛子は笑いながら
「横島くんを雇うなんて魔鈴さんって人もすごいわね」

横島はちょっと拗ねて
「悪かったな 真面目にやってるよ」


ピートとタイガーは驚いたものの
アシュタロス戦での横島を知っているので
それほど違和感はなかった


その日は平和なまま１日が終わり
横島が校門を出ると、そこには伊達雪之丞がいた

「よう！ 偶然だな」

雪之丞は横島に近寄って話した

横島は苦笑いしながら
「お前の偶然は校門の前で待ち伏せすることか？」


雪之丞は気にせず

「まあいいじゃねーか とりあえず腹減ってるんだ お前の家でなんか食わしてくれ」

横島はため息をつきながら
「お前はメシたかりにきたのかよ～ これから、バイトだから着いて来いよ 家には最近食いもん無いんだ」

雪之丞はうなずいて
「ああ いいぜ さっそく行こうぜ」

よほど腹が減ってるのか雪之丞は横島を引っ張っていった


横島と雪之丞が魔鈴の店に着いた


「雪之丞 今なんか食うもん作ってもらうから待ってろよ」
横島の話に雪之丞は不思議そうに聞いてきた

「横島？ 美神の旦那のとこ行くんじゃ無いのか？」

横島は
「ああ お前知らなかったんだな 俺さ、あそこ辞めたんだよ 今はここでバイトしてるんだ」


「ふーん まあいいか 話の前に食いもん頼むわ」

横島と雪之丞は
店に入って雪之丞は端の椅子に座って待っていた


横島は厨房に行き魔鈴に話しかけた

「こんにちは 魔鈴さん」

「あら横島さん いらっしゃい」

横島は魔鈴にすまなそうに

「魔鈴さん すいませんけど、なんか食べるもん作ってくれませんかね？ 雪之丞がメシたかりにきたんで」
「お金は俺の給料から引いて下さい」


「あら雪之丞って 伊達雪之丞さんですか？」

魔鈴の問いかけに横島は

「ええ そうですよ メシたかりに来るダチなんで」

魔鈴は少し笑いながら
「わかりました お金はいいですよ ちょっと待ってもらって下さいね」


「すいません魔鈴さん じゃ俺は着替えてくるんで」

横島は異界にある魔鈴の家に着替えに行った