転職

それから一週間は
横島は魔鈴の店でバイトをしていた

横島は元々器用な為、雑用から調理補助などをすぐに覚えた。

美神のとこに比べれば楽な上に
お客さんの喜ぶ顔や感謝されることは
やりがいを感じていた


そしてある日
昼をすぎて店が暇になった時に横島が魔鈴に話しかけた

「魔鈴さん 夕方まで出てきていいっすか? そろそろ美神さんのとこ辞めてきたいんで」

魔鈴は心配そうな顔をして

「横島さん 一人で大丈夫ですか?」

横島は昔を思い出し冷や汗をかいたが

「大丈夫っすよ ただのバイト辞めに行くだけっすから」

その言葉に
魔鈴もそれはわかってはいるが
相手はあの美神令子だから心配していた

横島は
「最悪GS免許は無くなっても 魔鈴さんと除霊するのは、困らないし… また必要になったら免許取り直せばいいだけっすよ」

すっかりサバサバしていた


「気をつけて下さいね あの人は理由もなく暴力をふるいますから…」

魔鈴はやはり美神が嫌いなようだ

「それは俺が一番わかってますよ じゃ行ってきます」

横島は苦笑いしながら出かけた



美神事務所に着いて中に入った

「こんにちは~」

横島が入ると美神は母親の美智恵と二人でいた

「あら、横島くん久しぶりね。 仕事はまだだし、お金も貸さないわよ」

美神は冷たく横島に言った

「令子… 来ていきなりそんな言い方するもんじゃないわよ」

美智恵が呆れたように話した

「隊長も居たんですね お久しぶりっすね」

横島の挨拶に美智恵は

「元気そうね 今日はどうしたの?」

美神を放置して聞いてきた


横島は美神を向いて

「今日はバイト辞めに来ました」

あっさり言った


美神親子あまりのあっさりした言葉に一瞬フリーズして

そして令子は

「あんた! いきなりなに考えてるの!!」

慌てて怒鳴りつけた

「何ってバイト辞めることっすよ?」


そこで美智恵が話に入ってきた

「横島くん もう少し理由を教えてくれないと令子も納得しないわよ?」

横島は
「時給255円だと生活出来ませんから。」

そう言うと美神は怒りだし

「あんたみたいな半人前はそれで十分よ! それにいくらでもいい話だったでしょ!」

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