なので、横島に子供扱いされたのは不満だった


一方横島はそんなこと知らない

異世界を旅してきた為、倫理や考え方が世界により全く違うのは理解しているが…

基本的な考え方は元の世界のままだ

なので焦ったりすると、元の考えがでていたりする

今回もシャオの予想外の反応に焦っていたのだ


なお、横島はすでに女性経験はある

長い年月、異世界を旅する間に様々な女性と出会い経験していた


基本的に異世界の人には関わらないようにするのだが…

お人好しな性格は直っておらず、困った女性や子供は放っておけない

結果的に助けると、惚れられることも少なくない

強く優しい男性は、どこの世界でも人気なようで、女性に迫られると嫌とは言えない


昔のように下手な下心が無くなった横島の優しさは女性を落とす無意識の武器になっていた


「いや… 悪かったな。 だけど、俺はそんなつもりじゃないんだ」

横島は不機嫌なシャオに、困ったように謝る

シャオは子供扱いが大いに気に入らないが、横島が山奥から出て来た世間知らずだと思ってる為、しぶしぶ機嫌を直す


「む～。 今回だけ許してあげます！ 命の恩人ですし…」

シャオがしぶしぶ機嫌を直して、横島はホッとする


「じゃあ、ご飯の前に風呂に行くか」

横島は話を変えようとそそくさと風呂に向かう

横島とシャオは男女別に風呂に入って、夕食にする


夕食は横島がこの世界に来て、初めてこの世界の料理を食べることになる


「なかなか美味しいな～」

横島達の夕食はパンと野菜のスープと肉を焼いた料理だった


「これはこの辺りの伝統料理で、一角ウサギの香草焼きです！」

シャオは横島に説明しながらパクパクと料理を食べていく


「一角ウサギって、昼に言ってたモンスターのやつだろ？ モンスターって食べれるんだな…」

横島は少し不思議に思いシャオに聞く


「食べれるのはモンスターの中でも、一部ですよ。 毒や害が無くて、美味しいモンスターは少ないです」

横島はシャオの説明に考えながらも、食事をしていく


「「ごちそうさま」」

二人は食事が終わり、宿屋の人に挨拶して部屋に戻る　
部屋に戻ると特にやることも無く、暇だった

横島は宿屋にある本を借りて読み出す

常人の数倍の速さで本を読み内容を覚えていく


横島が数冊の本を読み終えると、シャオはウトウトと眠っている


「風邪ひくぞ」

横島は静かにシャオを布団の中に入れる

「おやすみ」

横島は静かに灯りを消してその日は休んだ


それから横島達はいくつかの村で泊まりながらアリアハンに向かっている


横島達が旅をしているのはアリアハン西地方

首都アリアハンの他にレーベの村などの小さな村が多数ある

アリアハンに向かう街道沿いに多くの村があり、アリアハンと他の村を繋ぐ中継地点になっている


治安はやはり良く無い

村などは、ある程度若者がおり最低限の治安は維持されているが

村を離れるとモンスターや盗賊が多い


この時点ではまだ魔王も居ない為、モンスターは比較的大人しいが、人数の少ない旅人などはよく襲うようだ

そして、盗賊の数も多い

人数や強さは様々だが、横島達が馬車で旅をしていると商人と間違うようで、１日に１回は盗賊が襲って来る


最初は横島もマトモに相手をして倒していたが、途中から面倒になり幻術を使って追い払う程度になっていた