数週間後、アリスとシャオは学校に通う日となった

もちろん、子供に変化した横島も一緒である


横島達が通うのは、アリアハン王立学園

それはアリアハンで最もエリートの通う学園

王家や貴族は元より、名のある名士の子供が通う学校なのである


オルテガは当初、普通の学校に通わせようとしたのだが不可能であった

アリアハン王家や貴族、それにアリアハン国民にも絶大な信頼を寄せられるオルテガの娘が、普通の学校に通うのでは周りに示しが付かない


結局横島とシャオも、オルテガの親戚としてアリスと共にアリアハン王立学園に通うことになった


場所はお城の近くにある貴族などが住む高級住宅が並ぶ地区

お城と変わらぬような立派な建物が学園である

かなり広い敷地を見渡して横島は少し後悔した


「もうちょと気楽に通える学校にして欲しかったんだが…」

横島はため息をつく

横島達と同じ新入生が続々と登校してくるが、みんな馬車にお付きの召使いがいるようなお坊ちゃんばかりなのだ


横島自身、堅苦しいのが一番苦手である

「私は場違いですね…」

元々、田舎暮らしのシャオは少々不安そうである


「お父さんにここは嫌だって言ったのに！」

アリスは不機嫌そうに文句を言う


「仕方無いな…　立場もあるしさ」

横島はいつ以来か忘れたが、かつての高校時代を思い出す

（あんまりいい思い出がないんだよな…）


アリスを守る為とはいえ、気が重い横島であった


そんな横島達が学園に入るとさっそく入学式が行われる

国王が自ら挨拶をするなど、身分の高い人々が多い


入学式の後はクラス分けが行われた

横島達３人は同じクラスであったが、他にも顔を知る人が居る

それはかつて横島が偶然救った王女だ

どうやら彼女も同じクラスらしい


（とりあえず、この中に危険な奴は居ないな…）

横島はクラスメートや辺りの人間を見て一安心する

この日は顔見せで終わりらしく、教師が挨拶をして終わりになった


横島はシャオとアリスと共に帰り道を歩く


「あの王女様一緒だったね…」

アリスは助けた時を思い出していた


「俺達が助けたのは内緒な。　面倒事はご迷惑だ」

横島は苦笑いをして２人に言い聞かせる