初仕事

麓の村に戻った横島とオルテガは、山から降りてきているモンスターを、山に追い返すように退治していく

山の方に追い立てるようにモンスターを倒して行くと、モンスターは自然に山に逃げていく


オルテガと横島は、麓の村と付近の街道を中心に2日かけてモンスターや盗賊を退治してアリアハンに戻った


オルテガは報告書や留守中の仕事などがある為、自宅には帰らずに直接ギルドに向かう

そして横島は、ドラゴンの入った魔法の道具袋をオルテガから預かり家に戻る


「ただいま~」

ドタドタ…

横島が玄関で声をかけると、シャオとアリスが慌てて走って来る

「おかえりなさい!」

シャオは嬉しそうに笑って横島にしがみつく

「おかえりー」

アリスも笑顔で横島に駆け寄る


2人共ずっと心配して待っていたのだろう

本当に安心したように、ホッとした様子である


「ドラゴン3匹退治して来たぞ?」

横島はシャオとアリスを元気付けるように、頭を撫でている


「すごーい! 今日はお祝いだね!」

アリスは嬉しそうにお母さんを呼びにダイニングに向かう


「ドラゴンの肉は高級品なんだろ? さっそく、捌くか!」

横島は抱きつき甘えたままのシャオに笑顔で語りかける


「はい、私は食べたこと無いので楽しみです!」

シャオはすっかり元気になって笑顔である


横島はシャオを連れて外に出ると庭の真ん中で、魔法の道具袋からドラゴンを一匹取り出す


「ほえ… 本物のドラゴンは大きいんですね~」

シャオは図鑑でしか知らないドラゴンの大きさに驚き、横島の後ろに隠れる


「あら~、これがドラゴンですか? 私捌いたこと無いわ」

「おっきいね! 食べ放題だよ!」

オルテガの妻もアリスもドラゴンの大きさに目を見開く

どうやら2人も本物を見るのは初めてらしい


「とりあえず尻尾を切って、今日はそれを食べてみましょうか?」

横島はオルテガの妻に意見を聞き頷くと、神剣を出す

「さて、5人分だからな…」

横島は神剣に僅かに霊気を込めて、尻尾を半分切り落とす


スパッ!!

綺麗な切り口で、尻尾の半分は切り落とされた

横島は残りのドラゴンの体を再び道具袋にしまい、尻尾を持つ


「後は料理出来ますか?」

横島はオルテガの妻に切り落とした尻尾を見せた


「ええ、ありがとう。 私もドラゴンの肉は初めてだわ~ 腕がなるわね」

オルテガの妻は尻尾をもち、ダイニングに向かう


「お父さんはいつ帰ってくるの?」

アリスはこの場に居ないオルテガが気になっていた


「オルテガさんは報告書とかあるから、夜まで仕事らしい」

横島が説明すると、アリスは少し残念そうである


「横島さん、中でゆっくり休んで下さい」

シャオは横島をねぎらい、みんなで家の中に入る


それから横島は夕方まで、シャオとアリスに山の様子などを話して聞かせていく

2人共不思議そうにしながらも、目を輝かせて聞いていた


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