横島達は家に帰るとオルテガの妻が迎えてくれた

「おかえりなさい。　いっぱい採ってきましたね～」

オルテガの妻は横島達が持つ２つの袋を見てニコニコとしている


「うん！　楽しかったよ」

アリスは機嫌よく家に入っていく


横島達は家に入ると、採ってきた薬草などの選別を始めた

オルテガの妻も加わり４人で選別した為手早く終わる


薬草が２３個

毒消し草が１３個

満月草が８個

いやし草が３個


他には食用の野草や山菜が採れた


＊いやし草は薬草よりも貴重で、回復効果の多い植物です



「野草や山菜はさっそく今夜頂きましょうね」

オルテガの妻は山菜などを持ってダイニングに向かう


「短い時間の割にはたくさん採れましたね。　後は薬草などを保存出来るようにしましょう」

シャオは慣れた手つきで薬草や毒消し草を下準備していく

まずは全て綺麗に水洗いをして乾かす

その後に、煎じたり、魔法処理をしたりして長期保存出来るようにするのだ


「シャオは慣れてるな～」

横島は水洗いした薬草などを、天日に干して乾かしているシャオを見て感心している

「うん！　すごいね～」

アリスもシャオの手伝いをしながら感心したように頷いていた


「田舎じゃあ、みんな自分でしてたんですよ。　特に私の家は森の中に一軒家ですから、薬草とかは自分達で採ってたんです」

シャオは少し照れたように笑って説明している



横島達がそんなほのぼのとしていた時

アリアハン城では、さらわれたお姫様が戻り大騒ぎになっていた

オルテガは横島が助けたお姫様を、旅人が助けて去って行ったことにした


娘が無事に戻った王様は、助けた者がすでに旅立ったと知りひどく残念だったが…

そして代わりに捜索に加わった者達に褒美を与え上機嫌だったという


その後誘拐した者達は厳しく取り調べを受けたが、ただ金持ちそうな娘をさらっただけらしく

それ以上の事実は出て来なかった


お姫様が捕まった状況が、城を抜け出してアリアハン繁華街を歩いていた時な為、誘拐犯達の言葉は真実だと判断したらしい


お姫様誘拐事件はこんな結果で一応の解決をみる


その日の夜

横島はシャオとアリスと薬草などの保存処理をしているとオルテガが帰宅した


「横島殿、今日はお手柄でしたな～　ご要望通り助けた者は旅人ですでに旅立ったことにしました」

オルテガは事件が素早く解決してホッとしている様子である


「２人もお手柄だったな。　お土産だ」

オルテガはアリスとシャオも誉めて、２人に甘いお菓子のお土産を買ってきた

「お父さんありがとう！」

アリスは嬉しそうなオルテガに駆け寄りお菓子を受け取る


「ありがとうございます」

シャオも嬉しそうだが、シャオは礼儀正しく頭をさげる


「いや、今日は本当に良かった。　王様は一人娘をひどく可愛がっておるからな。　万が一の事があれば大変であった」

オルテガは自分の事のように喜び、その夜は遅くまで賑やかに飲んでいた