「２人共勉強してるのか？　凄いな～」

横島は感心してシャオとアリスを見る


「私達の年だとみんな勉強してるよ。　もうすぐ学校に入る年だもん！」

アリスは当然だといいたげな笑顔で話す


「私の住む辺りには学校は無いので、前はお父さんやお母さんに勉強を教えてもらってました」

シャオは両親を思い出したのか、少し寂しげであった


「そうか…　わかんない場所は聞いてくれ。　常識以外なはわかるぞ」

横島は笑いながら２人に言った


「「アハハハ…」」

アリスとシャオは思わず笑ってしまう

それだけ横島は常識を知らないのだ


それから横島は魔法の書物を読みながら、時々２人のわからない部分を教えていく


ちなみに横島の本を読むペースはかなり早い

結構量のある魔法書を１時間に２～３冊は読んでいた


その秘密は右手に持つサイコロくらいの物にある

横島はそのサイコロのような物で本のページをコピーしているのだ

もちろん内容を読んで覚えてはいる

だが、情報収集した内容はヒャクメのコンピューター末端を通して、アジトのメインコンピューターに送っているのだ


いつ何の情報が役にたつかわからないので、得られた情報は全てアジトに記録を残している

情報の管理や分析などは横島よりも土偶羅の専門なのだ


横島は昼までに８冊の魔法書を読んでいた

内容は役に立つ物から、役に立たない物まで様々であったが、横島は必要な部分を抜粋して覚えている

基本的にアジトのメインコンピューターに記録を残す為、全て覚える必要は無いのだ


昼になると横島達は休憩がてら、昼食を食べてゆっくりしていた

「しかし…、魔法は種類が豊富だな。　戦闘関係の魔法以外にも、儀式や日常生活で使う魔法まであるよ」

横島は予想以上に多種多様な魔法があるのに驚いていた


「有名な賢者や魔法使いの人も、全ての魔法を使える人は居ないよ。　みんな専門分野があるからね」

アリスは驚く横島にニコニコと説明する


冒険者を引退した賢者や魔法使いは、だいたい魔法の研究に入る

個人で研究する人もいれば、どこかの国のお抱えの魔導師になって研究する者もいる

目的は様々で、魔法の真理の究明から新しい魔法の開発まで人それぞれ違う



その後横島は夕方まで魔法書を調べた

シャオとアリスは午後は勉強を止めて、物語の本などを読んでいる


そして深夜、横島はオルテガ家の借りている部屋で一人今日得た情報を編集している


サイコロのようなコピー機をヒャクメのコンピューター末端に入れて、情報を編集していく


「通信鬼」

横島は通信鬼を出す


「土偶羅、この世界の魔法関連の情報を送る。　そっちで管理してくれ」

横島は静かな部屋で通信鬼に話している


「わかった。　お前しばらくそっちに居るのか？」

通信鬼から土偶羅の声がする


「ああ、少し長引くだろう。　アジトの管理は頼む」

「わかった。　気をつけてな」

横島は通信が終わると通信鬼を意識下に隠す


そしてヒャクメのコンピューター末端で、アジトのメインコンピューターに情報を送ってその日は終わる