アリアハンのオルテガ

次の日、朝起きた横島は図書館に行こうと考えていた


魔法に関しての書物と歴史の書物

それに魔族に関する書物も探そうと考えている


横島がこの世界に来る前に調べたのは、文字の読み方と言葉と服装だけであった


基本的に通信鬼でアジトの土偶羅の支援が受けれる為、必要以上の情報は調べなかったのだ


そもそも、必要が無ければその世界に干渉はしない横島

情報はいつも必要になってから集めていた

いくら土偶羅でも、コンピューターの無い世界で情報を集めるのは大変なのである

その為横島が自ら世界を渡って旅をしているのだが…


シャオとアリスが居るため、この世界にしばらく滞在することになりそうな現状を考えて、横島は情報収集を優先させようと考えている



横島は朝食を食べ終えると、オルテガ夫妻とアリスとシャオに図書館に行く事を伝えた

「私も行く!」

「私も行きたいです」

アリスとシャオは横島に付いていく気が満々だ


「構わないけど、今日は1日本を読んでるだけだよ?」

横島は2人が来てもつまらないだろうと思い、確認するように話す


「いいよー」

アリスは笑顔でお出かけの準備に向かう

「私も本は好きですから」

シャオは図書館が楽しみなようだ


「2人共仲良しね~ 横島さんよろしくお願いします。 お昼のお弁当を作りますね」

オルテガの妻は横島に軽く会釈をして、嬉しそうに台所へ向かう


「俺もまだアリアハンに慣れてないんで、一緒の方が助かりますよ」

横島は笑顔で答えた


「図書館に着いたら冒険の書を見せるといい。 あれがあればギルドが委託管理してもらっている、冒険者用の書物も読める。 もし他の読みたい書物が見せてもらえなければ、私の名前を出すと言い。 一般公開されてない書物も読めるだろう」

オルテガは食後のお茶を飲みながら説明している


「ありがとうございます。 助かりますよ」


横島は準備が終わると、弁当を受け取りシャオとアリスを連れて出かけていく


天気がいい朝の道を横島達はゆっくり歩いていく

ちょうど街の人々が店を開店させる時間な為、道にはせわしなく人々が歩いていた


横島達は途中で乗り合い馬車に乗ってアリアハン一番の大通りに着く

その道は先日見に来た、城に続く一本道と同じ通りで、城の周りを囲む湖の近くに図書館はある


図書館は城と同じく石造りの建物で、一見要塞のようにも見える


「近くに来るとおっきいですね~」

シャオは図書館の入り口で建物を見上げている


「中は本でいっぱいだよ!」

アリスは横島とシャオを引っ張り中に入っていく


中は外よりも少し涼しいくらいで、図書館独特の本の匂いがする

「この図書館、結界を張ってるな…」

横島は図書館に入った時、表情がピクリと動き少し驚いた様に呟く


「そうなんですか?」

シャオは全く気がつかず首を傾げる


「ああ、どっちかと言うと本を守る結界じゃないかな?」

横島は少し考えて話した

さすがにアリスもそこまでは知らないらしく、不思議そうに図書館内部を眺める


「じゃあ、行こうか? とりあえず、読む場所を確保してから本を探しに行こう」

横島達は、窓際の日当たりのよい場所を確保して別々に本を探しにいく

横島は受付に冒険の書を見せて、別室に保管されている魔法関連の本を数冊ほど選んだ


横島が本を選び戻ると、シャオとアリスは算数の勉強の本を読んで勉強している


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