冒険者ギルドを後にした横島達は、近くのお店におやつを食べに入った

その店は軽食店らしく、仕事の休憩に来てる人や、買い物がてらおしゃべりに夢中な女性達などが、ゆっくりとした時間を過ごしている


「昼ご飯が食べれなくなるとダメだから、少しだけだぞ」

横島は楽しそうにメニューを見てる、シャオとアリスに笑って話す


「うん！　わかってるよ」

「はい、わかりました」

アリスとシャオは笑顔で頷いて、再びメニューを見る


横島達が頼んだのはケーキのようなデザートと飲み物だ

横島はメニューを見ても良くわからない為、２人の勧めるデザートにしていた


飲み物とデザートで幸せそうなアリスとシャオは、楽しそうに話をしている

主にアリスがアリアハンの食べ物などを教えているようだ


横島は話を聞きながら、先ほどもらった魔法書に目を通す

それは本当に基本の魔法書で、僧侶と魔法使いの両方の為の本である

魔法の契約の仕方から、契約した魔法を習得するコツ

他にも、僧侶や魔法使いの戦闘指南など冒険者の基礎も載っている


横島はまず、魔法についての文章を読んでいく

初めに魔法は呪文を始動キーに、ＭＰとイメージにより使えるようになる

魔法を使うにはＭＰが必要であり、基本的な呪文にはだいたい必要とするＭＰは決まっている

だが、それはあくまでも目安である

魔法を使う者の熟練度により、ＭＰを効率よく使えるようにもなるし、逆にＭＰを増やせば魔法の威力も上がる

また、魔法には決まった形は無く、魔法の使用者のイメージとＭＰのコントロールにより威力や魔法の形状も変わる


魔法使いや僧侶や賢者には、オリジナルの魔法を作れる者も僅かにいる

など本当に基礎的なことが書かれている


（思ったより簡単だな…。　俺の術は威力はあるんだが、狐火以外は文珠を使うからな…　やはり覚えても損は無いな）

横島は魔法書を読みながらそんなことを考えていた

横島の術は人間用ではない

神族や魔族の複雑な術を横島が文珠を使って使用している

その威力の為、対神魔以外はほとんど使っては来なかった

普段は霊波砲や狐火で遠距離攻撃をしていたのだ

横島がこの世界で戦うにはやはり魔法は役に立ちそうであった


（やがて訪れる闇がどのレベルか知らんが、最低限上級以上の魔族なのは確かだろうな…）

横島は精霊ルビスの言葉を思い出して、考えこむ


目の前には一見、普通の子供にしか見えないアリスが笑っている

（俺が当分近くで護衛するしかないな…）

アリスの潜在能力は横島も詳しく調べないとわからないが、出来るだけそっとしておきたいと考えていた


（せめて大人になるまでは静かに暮らさせたいんだが…）

横島は内心ため息をつき、本を読んでいく



その後、横島達は家に戻った

横島は午後にさっそく呪文の契約に入る


アリスの家の庭に魔法陣を書いて契約をする

メラ、ヒャド、ホイミ、ニフラム、インプット

魔法書に書かれていた魔法はこれだけであった

＊注意＊
インプットは、冒険の書に情報を書き込む呪文です


横島の呪文の契約はすんなり終わる

横島の周りでは、アリスとシャオが座りながら横島が魔法を使うのを楽しみに見ている


「契約した魔法使ってみてよ！」

アリスはワクワクした様子で見ている　
　
「メラ！」

横島が最初に唱えた呪文は、一番馴染み深い炎の魔法であった

呪文を唱えると、バレーボールくらいの丸い炎が横島の手のひらに浮かぶ

横島が唱えたメラは、その場に浮かんだままだ