横島達が冒険者ギルドに戻ると、オルテガとルイーダが登録の手続きの準備を終えて待っていた


「では、登録の手続きを始めよう。　まずは職業の選択をする為の適性を調べる。　職業は一度選ぶと、ここでは変えれない。　遥か遠方の地にあるダーマの神殿に行けば可能だがな…」

オルテガは、横島に１から説明していく

洗礼も受けてない以上、職業も知らないからだ


この世界の職業は、精霊ルビスの祝福のを受けた者だけが正式に選択出来る

それにより、職業による特殊能力を得やすくなる

もちろん職業を選ばなくても、魔法や特殊能力は得られるが…

精霊ルビスの祝福の効果による効率の良さから、みんな職業を選択するのが常識である


ルイーダは水晶球を持ってきて、横島の前に置く

「この水晶球にふれてごらん。　それであなたの潜在能力を調べて、選べる職業が決まるよ」

ルイーダは少し微笑んで説明する

オルテガが自ら連れてきた横島に興味津々なのだ


「何がでるかな～」

アリスも楽しみなようでワクワクして見ている


横島は静かに水晶球に手を置くと…


水晶球から凄まじい光が放たれる！

七色どこれではなく、何色もの光がその場に放たれている


「スゴい…」

シャオは眩しそうに水晶を見つめる


「これは…」

オルテガとルイーダは驚きで言葉が出ない


本来は初めての人間は、戦士、武道家、魔法使い、僧侶、商人、遊び人、盗賊などの基本職しかなれないはずである

それも普通は２～３種類の適性が出れば最高で、大体の人は１種類の適性なのだ

レベルが上がって、基本職を極めていくと選択出来る基本職は増える場合もあるが、それは長い修行が必要であった


さらに職業には基本職の上に上級職があり、基本職を極めた者の中でごく僅かな人間だけが上級職につける仕組みである

ちなみに上級職は、賢者、バトルマスター、魔法戦士、パラディンなどがあるが…

上級職自体まだ全て解明されておらず、数十年に一度新しい上級職が発見されたりもしている


横島の適性は、ルイーダの知らない上級職まであり、オルテガでさえ全てわからない


（なんか…、みんなビックリしてるな…）

横島は内心少し困っている


「……え～と、とりあえず基本職は全部選べるみたいね」

ルイーダは我に返り横島に話す


「他にも、賢者、魔法戦士、パラディン、バトルマスターもある…、後は私にもわからない。　済まないが今話した中から選んでくれ」

オルテガは自分が知る上級職を横島に教えた


横島が選べる職業が多いのは、横島の魂に秘密がある

横島は本人を合わせて１０人分の神魔妖人の能力と記憶を持っていた

１０人分の潜在能力から選べる為、選択出来る基本が多くて当然だし、中には神や魔も居るため、突然上級職でも当たり前なのだ


「すごいね～！　こんなに選べる人は初めてだよ～！」

アリスは自分のことのように喜んでいる


「職業か…」

横島はどうするか迷う

特に選ぶべき職業が無いのだ


様々な能力や術を使える横島は、必要な職業は無い


（まあ、あえて選ぶとしたら魔法関係か…）

横島には文珠を核とした魔術や神術など多彩な術があるが…

全てこの世界には無い力である

目立つのを避ける為には、この世界の魔法を覚えても損は無い


「じゃあ、賢者でお願いします」

横島は基本職の資料とオルテガから聞いた上級職から賢者を選んだ


理由は簡単、魔法関係を覚えやすいからである


「わかった。　では隣の部屋で、儀式を行う」

オルテガに連れられて隣の部屋に行くと神官らしき人物がいる


横島は神官の儀式を受けて賢者となる